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労働基準法を守るだけで飲食店は人気店になれる。誰からも好かれたいと思わなくてもいい。

まず初めに労働基準法は守らなければいけないものです。

ここでは法を守る事は「こんなメリットがある」的な話をしますが、そもそも守る事は当然です。

それは頭に入れて考えてくれると嬉しい皮肉まじりの内容だと思います。

守る事が当たり前だけど、当たり前のことをするだけで「ホワイト企業」ともてはやされることは疑問の多く、守られない法になんの意味があるかは議論の余地がありますが

多くの飲食業界では「労働基準法は守られないもの」として労働者の中では暗黙の了解となっています。

そもそもその了解もおかしいのですが、

なぜ飲食業界はそんなブラックなのでしょうか。


飲食業のブラック化の数値的始点


飲食業界はとても利益率の悪い「薄利多売」です。
原価率や人件費、家賃などの割合的にいうと純利益率は8%で良い方で

それを下回ることもあると思います。

また一つの料理の値段が800円だとすると、店舗でそれを食べてゆっくりしている時間を考えると約30-40分。

席を利用している分回転数は上がらないので、そのテーブルだけでみると一時間あたりの売り上げが1600円から1066円となります。

席数の数だけ敷地面積は増え家賃も上がるため、経営者としてはその席あたりの売り上げを上げるか立ち飲みやテイクアウトにしなければ売り上げは上がりません。

そんな中で最低賃金が1000円以上を訴える日本の現状、人件費を増やすということはいくら稼いでもキリがないと思わせる状況です。

お客様商売である以上店舗内にお客様がいる以上店を閉めることはできないのでその分時給換算で考えると正社員の時給は下がります。

利益率が悪い。接客業ゆえ一人ではできにくいのでスタッフを雇うが拘束時間が長引くと給与が増えるので店としてはやりにくい。

そうなるとパワハラまがいの行為でスタッフをブラック労働させるという行為がいかに現存経営者においては「一つの解決策」として脳内にあるかが理解はできます。

一番愚かで一番簡単な解決策だとは思います。


ホワイトが「明るく感じる」現状を利用


現代ではそんなブラック労働は簡単に無視できる環境も告発できる環境も整っているためやりづらいと思います。

そもそも法を犯すと言う「割りに合わない行為」をするよりも、最初は大変だけど頭を使う方法を考えた方が建設的と言えます。

しかし多くの飲食業の求人を見ていても

やる気のある人!
美味しいまかない付!
未経験者でも大歓迎!

といったかなり漠然とした内容こそ書いてはいるが給与や拘束時間など本当に大切な部分は書いていません

別の職種でも「残業代はしっかり出ます。」といった本来当たり前なこともドヤ顔で書いている。

やはり世間では当たり前のことができていないという前提の上で社会が成り立っているようで、できていればそれは人気求人になっていると思います。

今レストランなどでも「仕組み」を作って労働時間を少なくするというような「工夫」による働き方革命が行われています。

食のインフルエンサーと呼ばれる人たちはライフタイムバリューを重視することが仕事の効率を上げることだと理解して動いてくれている。

本当に素晴らしいことだと思います。

このように、本来「当たり前」なことに自分たちの働き方を近づけて戻していくこと、

それ以上に働きやすさを追求し、相互作用にて食の楽しさ美味しさを追求している人は多くなってきていて

それに伴う賛同者も増えていっている。

たしかに最初は大変でしょう。
働き方を変えるということはメニューも変えなければいけないかもしれないし、

常時何種類もある多くのメニューの絞り込みも行わなければいけない。

でも逆に「人間は選択が苦手な生き物」という考え方もあり、提供者がメニューを絞ってあげることでより高い顧客満足度を得ることができるかもしれない。

メニュー絞り込みと選択肢の誘導。
メニュー絞りと働き方の改変。

メニュー絞りだけがいいわけではないが、聞いているとなんだか私にはポジティブに聴こえてきます。

ではなぜ今までの大量のメニューは存在していたのか

きっとそれは日本人特有の「みんなに好かれようとする」生き方にあるのかなーとも思います。

誰にでも気に入ってもらえるようにメニューの幅を広げ商品数を増やす。

それに伴う仕込み量や原材料の仕入額も増え経営を圧迫する。

飲食業は今後、お客様に媚びない店づくりをしていったほうがいいのかもしれません。

これは悪い意味ではなく、料理人がお客様と対等に話し合えるし意識的にも「好きになってもらうための過剰な努力はしない」といった気持ちで働く。

これにより集中するべき料理やお菓子に意識が集まり、より完成度の高いものを提供することができる。

専門性を掲げた店が名を馳せる例はパン屋などから始まりたくさんありますが、

本来は職人気質の料理人らしく「これしか出しません。気に食わない方は他のお店へどうぞ、でも提供するものは全てあなたの心を満たします。」と言えるような店側の心意気が必要なのかとも思います。

それにより「当たり前の働き方」が実践でき、当たり前をするとホワイトと言われ働きたい人も増え労働者側からも人気が出て世間に反映される。

このサイクルは結構効果的だとおもいます。

実際にそれを行なっている「佰食屋」は効率的で効果的な経営をし、お客様の満足度を高め労働者の満足度も同時に高めています。

お客様の期待に応えることは品数の多さではありません。

どんな人にも気に入ってもらえる八方美人はあまりよく思われないのと同じで、スポット的に気に入ってもらえる飲食店の方がファンはつきやすいと思います。

これは以前の記事でも紹介しています。




働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。