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誰もやったことがない。飲食店でAIを使ってアルバイトが経営を始めるということ。①

この記事は、僕が飲食店を経営していく中で、初めて生成AIを使用し、アルバイトスタッフに店の経営や今までやってきたデータ分析を全て任せることを実際の時間軸で経験として書いたものです。

これを読むにあたって、次の前提事項を先に記入しておきます。

- アルバイトスタッフは時給1700円
- 出勤日は、毎週月曜日、火曜日都合の良い時間で2時間
- 飲食店だけれども、キッチンに立つこともないし、ホールで接客を行うこともない。
- アルバイト期間は1ヵ月。その後は双方の合意を持って業務委託契約に移行する。

多くの飲食店経営の方が(やったことない人間にできるわけない)とか(オーナーが経営をしないなんてありえない)と意見をもらうことも少なくありませんでしたが、オーナー自身がやるべき仕事は店の方向性を決めることだと思っています。それに関わる分析業務や次への一手と言うものは、オーナーがやるべきことではないという考えのもとでの取り組みです。

おそらく日本で初めて【未経験のアルバイトスタッフに経営に参加してもらう】という試みです。

1人ではだれだって不安ですので、人類の叡智に近づきつつあるChatGPT4oとともに学びながら成長していく過程をオーナー視点から書き綴ります。


【お母さん】はみんな見落としている能力者


生成AIを活用しながら今までやったことのない【経営】というものにチャレンジする。
普通なら【そんなことやらせない】というのが今までの飲食店の常識でした。
飲食店にアルバイトから入ったらキッチンは洗い物から、ホールは掃除からというのが今も昔も基本です。

それが古いとは思っていません。このスタンダードで重要じゃないポストに身を置きながら最初は全体を把握する。周りの先輩方が何をしていてどんな役目を果たしているのかを知るためには【俯瞰できる場所】が必要です。
オーナーとして俯瞰するという立ち位置のほかに、じっくりと観察できるのは【入ったばかりの初心者の特権】かもしれません。

それを肯定しながらも、今回未経験のスタッフに【いきなり経営を任せてみた】というのは、僕のスタッフ募集の時のターゲットにその所以があるかもしれません。

今回のスタッフ募集は【お母さん】がターゲットでした。
僕の妻もそうでしたが、子供を育てている女性は能力があるにも関わらず、子供の病気やその行事等で仕事を休まなければいけないことも多く、社会的に【重要なポジション】を任せてもらえないことが多いからです。

これは根本から考えると、男性が育児に積極的に参加してないと言うところになりますが、ここではこの問題は触れないでおきます。

そのような能力値が男性とほぼ変わらないのに、大切な子供を授かった瞬間に二者択一を迫られる女性と言うのはとても多い気がします。

そんな女性にきっと必要な場所は、今までの経験値を生かすことができる職場と、その少し上の能力を磨くことができるポジションだと思っています。

また、僕のレストランにお食事をしに来るお客様の9割が女性です。レストランやお菓子のご注文が女性である以上、女性ならではのニーズが理解できるのも女性経営者の強みです。

そんな思いから、今回はお母さんと言うポジションの積極採用を行いました。
上にも書いた通り、給与形態や勤務体系などは特に(お母さん)にとって融通が効くものかと思います。また、1ヵ月のアルバイト雇用の契約を終えた後、業務委託契約となることで、働きや働く時間をオーナーに縛られることがなく、また報酬としても成功に対しての割合で渡すことも可能です。

僕は男ですが、日本において女性にもっと給料を渡すべきだと思っています。
これはフェミニスト的な考えではなく、論理的思考を使えばすぐにわかります。
女性は男性よりも食事にお金をかけます。男性はお腹にたまれば良いと言う理由で牛丼チェーンを選ぶ事は多々ありますが、女性は食べるものもそうですが、食べる状況や雰囲気やその飾り付けにも気を遣って食事のシーンを楽しみます。

女性に多く、お金を支払うと言う事はめぐりめぐって、それだけ社会が潤滑すると言うことです。

ChatGPTとSiriとの違いからわかってもらう。

はじめての勤務で、経営をそのまま委任するのは、相手にとってもストレスだし、全く何をしていいのかわからない状況に陥ります。そのため、初めての勤務時は、オーナーとして僕がどの方向に向かっていきたいのか、どんな思想を持ってどういうものをどのような割合で販売しているのかと言う点の引き継ぎになります。

この時にChatGPTに新しくチャットを作り、オーナーである僕がやっていることや、僕の未来展望を箇条書きにし、チャットにもオーナーがどんな人物であるかを覚えてもらいます。

今後ChatGPTと協力して、レストランやお菓子屋さんの経営を進めていく中で、人間や生成AIの双方のオーナーへの理解が最終的な問題解決を作ると思っています。

多くの人は生成AIとSiriの違いすらわかっていません。使っているチャットを見ていても、単発の答えしか聞かず、会話がキャッチボールになっていません。

Siriの場合は、基本的にチャットと言う以前に話している内容を試して、今後の解決策を導くと言うシステムがないため、単純な質疑応答しかできないのが現実です。
しかし、ChatGPT等の生成AIにおいては、今までの一連の会話を覚え、その物語の上で次の答えを導き出します。つまり、今までの会話に存在していない答えは、これから先も出ていないし、今までの会話で覚えた内容と言うのは、こちらが再度言わなくても前提と言う認識を持って接してくれます。

chatGPTに対してのスタッフの認識も当初このような状態でした。
実際にこれを理解するには、使い込んでみなきゃわかりません。

それには使う人間の質問力も大切だし、チャットに載せる情報と言うのは簡単ではない答えを導き出すと言うコンテンツがふさわしいです。

逆に言うと、ChatGPTを経営と言う道も、ゴールも不確かなものに対して使うと言うのはとても理理かなってるといえます。

6月の第4週目の月曜日と火曜日から始まった各2時間のアルバイト。
最初のうちはChatGPTを触り込み、ChatGPTに何ができるのかではなく、従来の音声AIと何が明らかに違うのかと言う点から理解してもらうと言う作業でした。

この作業を通じて、スタッフの生成AIへの理解度は、僕と働く前より180度以上変わったと端から見て思います。

ChatGPTを含めた生成AIは使ってみて、その今までとの違いを理解していない人と理解した人では見えている世界が全く違うし、その両者の間に端は存在していません。

例えるなら、幽霊を見たことがない人が幽霊を見たことがある人の視点に一生立てないのと同じです。

これから先経営に関わらなくても、生成AIに触れていくと言う事はとても必要だと思っています。

先にも申し上げました通り、女性にもっとお金を持たせるべきだ。能力値をもともと持っているけど、現在の日本の社会のせいで生まれてしまっているお母さんには、このタイミングでより高度な能力を身に付け、子供の病気やイベントで属しているコミュニティーを心配しなくても良いような独り立ちできる技術を身に付けておくべきだと私は思っています。

それは男でも女でも関係なく、子供の問題で、自身の周りの問題に結びつけてしまうと言う事は、逆に言うと、そのコミュニティーに依存しないと、自分たちの生活が成り行かないことを示しています。

それが悪いと言うわけではないけれども、現在の日本ではそれを女性に押し付けてると言う暗黙の了解でコミュニティーが成り立っています。

生成AIは現在ものすごいスピードで成長続けています。コミュニティーに依存し、自分の能力を磨かない人は、このタイミングで使いこなし新しい自分には何ができるのだろうと思うている人間には、一生かなわない社会がこれからやってくると私は思います。


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働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。