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行きつけの畑、持ちませんか?

 こんにちは、FOODBOXインターン生のWです!

 コロナ禍で外食の機会が減り、自宅で食と向き合う時間が増えました。そんな今だからこそ、旬の食材を楽しむ、季節感を大事にする生活で、食事の時間をさらに楽しくしませんか。そう思ったときに、ふらっと気軽に収穫に行ける、「行きつけの畑」があったら面白くないですか?!

 今回はそんな夢を実現できる、神奈川県は藤沢市の「農家レストラン いぶき」さんをご紹介します。ここは、関東で初めて国家戦略特区(※)の承認を得てレストランを農地に建設しています。地元の農作物を使ったレストランの運営のほか、一年を通して様々な収穫体験とオーナー体験を行っています。

国家戦略特区とは、地域発展のために農業用施設以外の建物を農地に建てられるようにするなど、規制改革を推進し、産業の国際競争力の強化、国際的な経済活動の拠点の形成の促進を図る制度です。

 お父様と一緒にいぶきの運営、経営を一手に担われている、里崇(さと たかし)さんにインタビューを行いました。

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ー藤沢にこんなに農地が広がっていることに驚きました。
ここは、藤沢市が農地にしなければいけないと定めた調整区域に相当する場所です。そのため、里山も多く残っていて、自然豊かです。ずっと農地として使われているだけあって、土も環境もいいですよ。


ー収穫体験やオーナー体験はどのようなきっかけで始められたのですか?
都市部の農地は、北海道などと比べたらとても狭いです。大規模農場のように大きな機械でまとめて収穫するわけにはいかないですね。そうすると、野菜を植えたとして、手作業で収穫をして、袋詰めして、大きさを選別して、出荷して…、とすごく手間がかかります。それなのに値段は大規模農家さんと同じで勝負しなければいけません。

そうではなくて、都市部の農家は、都市ならではの戦い方をした方がいいんです。そうして私たちが始めたのが収穫体験です。お客様にもすごく好評で、今では、毎シーズンの収穫に来てくださる方もいらっしゃいます。


ー確かに、自分で収穫した野菜の大きさのばらつきなんて気になりませんよね!こういう場所が身近にあるのはすごくありがたいです(笑)。
私も収穫体験を始めてから、一般の方の農業に関する関心って実は結構あることを知りました。一年中、様々な体験を用意しているので、ぜひ「行きつけの畑」として来ていただきたいです。

ーちなみに、どんなお野菜を育てているんですか?
なんでもありますよ(笑)。旬の野菜はだいたい植えています。もう少ししたらジャガイモで、その次が夏野菜だから、トマト、なす、きゅうり、ピーマン、オクラ、モロヘイヤ……(と次々と出てくる)。

ーすごい種類ですね!これらの野菜は全て収穫体験ができるのでしょうか?
育ちを見て判断しています。気候の影響もありますし、無農薬で育てているものは収穫量が安定せず、残念ながら体験会が開催できないこともあります。(※ジャガイモの収穫体験は開催が決定しています!6月中旬~7月上旬)


ー畑仕事の面白さを教えてください!
結局、畑作業ってすごく楽しいんですよね。「ジャガイモってこうやってなるんだ!」「里芋の葉っぱってこんなに大きいんだ!トトロみたいに傘にできるね!」とか、子どもはもちろん大人もたくさんの発見があります。それに、土に触るということは微生物に触るということで、それもまた健康にすごくいいと思います。

収穫や畑仕事で軽く運動した後は、レストランで地産地消の美味しいご飯も食べられます。

1日中遊べる、農業テーマパークを目指しています。

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今回、筆者は梅の収穫体験&梅ジュース作りに参加しました。大ぶりの梅がごろごろ収穫出来ました。爪楊枝で軽く穴をあけて氷砂糖と一緒に瓶に詰めます。冷暗所で3週間程度置けば、フレッシュな梅ジュースの完成です!


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ワークショップ後にレストランで食べた、「黒酢あんかけ醤唐揚げプレート」。発酵調味料を使った野菜たっぷりの定食は身も心も満たされます。ちなみにここで使われている食材の70%以上は地元藤沢産だそうです!


ー今日も本当に楽しかったです!

それは良かったです!
最初はうちで収穫だけでもしてみて、それが楽しいと思われた方は、植えるところから始めるオーナー体験、さらにレベルが上がったら、貸農園に挑戦してみるのもいいかもしれません。

―貸農園までできるんですか?!都市部に住んでいても自分の畑が持てるのはうれしいですね。
それか、何度も来るのが難しいということでしたら、「コンポスター環(たまき)」といういぶき特製の栄養たっぷりの土を使って、ご自宅で家庭菜園を楽しんでもらうこともできます。

ー「コンポスター環」とはどんな商品ですか?
たい肥をどなたでも簡単に作れるキットです。毎日もしくは数日おきに、野菜くずなどの生ごみを投入しながらかき混ぜると、微生物の力で生ごみが分解されて土に還っていくんです。出来たたい肥は普通の土と混ぜて家庭菜園などに使っていただくと、無農薬でもぐんぐん育ちます。

「コンポスター環」は最近まで試作をしていましたが、今年の4月に完成しました。この箱一つで、1日あたり200~300gの生ごみを取り込むことができます。お陰で、レストランでこれまで出ていた生ごみも、今ではほとんど捨てなくなりました。

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ー嫌な匂いは全然しません。この中に10㎏の生ごみが入っているとは…微生物、すごいです。
生ごみを入れると土があったかくなったりするんですよ。ほんとかわいいです。微生物やSDGs、家庭菜園の基礎知識が身につくので、自由研究などにも使ってほしいです!私としては、「コンポスター」を今年の流行語にしたいほどです(笑)。

facebookにオフ会のグループも作っているとか…!月に一回、お店でおすすめの野菜や育て方を紹介する講座を開くかたわら、オンラインでも情報交換ができるんですね。お客さんが無理なく継続できる仕組みも用意しているのはさすがです。
コンポスター環のワークショップの詳しい日程はfacebook、instagramをご覧ください!

―では最後に、「農家レストランいぶき」の将来の夢を教えてください!
農地をもっと広くして、いつお越しいただいてもたくさんのスタッフがいて、収穫や作業ができる、そんな「みんなの行きつけの畑」を作りたいです。それと、「コンポスター環」をみんなで使うことで、生ごみを減らしたり、日本中の人みんなが小さなスペースでもいいので農業をやる、そんな未来にしていきたいです!

―里さん、たくさんの貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。


取材を終えて
 公園に行ったり山に登ったり、人はどこかで自然を求めてしまうものだと思います。それと同じ感覚で、”畑に行く”という選択肢があってもいい気がしました。それに、畑に行けば、作物という”美味しいお土産”がついてきます。

 今回、私は梅を収穫しジュースを作りました。数週間寝かせてから味見をしたところ、シロップには酸っぱいけれど桃のようにみずみずしい梅の果汁が溶け込んでいて、本当に美味しかったです。

 是非、「農家レストラン いぶき」さんで収穫体験をしたり、美味しいお食事を召し上がってみてください!

農家レストランいぶき
HP:地元の新鮮食材と発酵調味料を組み合わせた健康料理
   農家レストランいぶき   ibuki-farm-restaurant.com
facebook: https://www.facebook.com/ibuki.farm.restaurant/
instagram:https://www.instagram.com/ibuki_farm_restaurant/
住所:〒252-0816 神奈川県藤沢市遠藤3889-1
アクセス:慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスから車で1分

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