あなたは何も悪くない! 【読書日記】生物学的に、しょうがない
本書の結論は、
全部ポジティブに諦める!
…だって人間の本能だもの。
どうも
安全・安心と絆でつながる
キャリアコンサルタントのタルイです。
いきなりですが、
人間だって動物です!
犬や猿が特別な訓練をしない限り
空腹を我慢できないように、
人間にもできないことや、
ついやってしまうことが
たくさんあります。
と・こ・ろ・が、
人間だけはなぜか
「できないこと」や
「ついやってしまうこと」が
許されない社会を形成しています。
イライラ、不安、ダラダラ、
暴飲暴食、依存、孤独…
これらは生物学的に
しょうがないことだったのです。
▼本書を読んで理解しました。
著者は人生は大きく2つのことに分けてます。
1つ目は
「頑張ればなんとかなること」
そして2つ目は
「がんばってもしょうがないこと」です!
あなたがこうありたいと思う
理想の自分も
努力したって
しょうがないこともあります。
他人にできることで
あなたができないことが
あるのは当然です。
同様に、
あなたにはできるけど
他人にはできないことも、
必ずあるはずです。
それなのに
「同じ人間なのだから、
きっとできるはずだ!」
「努力を重ねれば
誰でも絶対達成できる!」
とか言う人がいます。
著者はこのような人たちに
「やめてくれ!」
と強く思うそうです。
何かができることも、
できないことも個性なのです。
前世紀までは、
体格や身体的能力などの「外面」は
遺伝子に依存しているが、
計算能力や性格などの「内面」は
遺伝子とは関係ないとされてきました。
そのため教育によって
いかようにも作り替えられると
信じられてきたのです。
ところが最近の生物学の研究により、
それらは誤りと判明しました。
つまり人間の数学や音楽などの
諸能力や性格には
遺伝子が大きく影響しており
作り替えるには
大きな努力が必要だということが
わかったのです!
私たちは幸福な人生を送るために
まずやるべきことそれは
一人の人間として
どれを頑張るべきで、
どれをあきらめるべきかを
見極めることだと私は考えます。
本書では生物学的に
がんばってもしょうがない
その代表的な51項目を
紹介しています。
51項目もです!
では本編の解説をスタートです。
◆著者の石川幹人さんは進化心理学者
私が本書を手にしたきっかけは
最近の私の読書テーマが「諦め」だからです。
キャリアコンサルタント的に
頑張ってもどうしようもないことは
知っておこうと思ったのですね。
本書の目次を見ていただくとわかりますが
著者の石川幹人先生は
多岐にわたって「諦め」を
教えてくれます。
しかし、本書の面白いところは
「生物学的に、しょうがない!」を
解説しつつも
「生物学的に、しょうがなくない!」
ことも教えてくれてます。
この違いは
本書の4つのキーワードで
説明されてます。
「狩猟採取時代」「文明社会」
「ホットハート」「クールマインド」
脳が「狩猟採取社会」vs「文明社会」の
二項対立な状態。
心が「ホットハート」vs「クールマインド」の
二律背反な状態。
この違いと作用を意識してまとめてみました。
ところで
二項対立と二律背反の使い方あってるかな😅
よくわかってません。
◆生物学的にしょうがないこと51項目
私も苦手です😅
なぜならば生物学的には
「狼などの捕食者が入るかもしれない」
と感じてしまうからなのです。
つまり人前で話すのは
警戒心が先行して難しいからです。
生物学的に言うと
死にそうな恐怖が減ってしまったがために
不安が膨らむ状態でした。
例えば大災害が起きて
それを生き延びれば、
危険を出したと認識できて
不安が去ります。
ところが、安全な文明社会では
「恐怖がやってきてそれを解消する」
という
自然界で普通に起きている循環が
なくなったがために不安が興じるのです。
なるほど🤔
生物学的に言うと
動物はみな遺伝子の指令によって
子孫繁栄につながる行為をするように
流されています。
よって、おいしいものを食べる事は
生き延びることに有効な行為なので
生物学的に招聘されています。
私たちの祖先は
狩猟採取の暮らしをしていました。
その生活では
十分な食料を確保するのが
難しかったのです。
しかし、現代は人類の歴史上、
食料が豊富にある状態が
あまりなかったので
「歯止め」が
進化しなかったことにあります。
つまり人間が太りすぎるのは、
個人が悪いのではなく、
太りすぎるようにできている社会に
原因があるのです。
生物学的に言うと
「人間はまだ勉強好きに進化できていない」
だからしょうがないのです😅
勉強が大切になったのは、
ここわずか数千年前で
文明が発展してきてからです。
そして
みんなが勉強するようになったのは
ここ100年か200年の話です。
狩猟採集の時代も、農耕の時代も
将来うまく仕事を行うには
よく遊んでいたほうがよかったのです。
ところが社会が複雑化して、
科学技術が高度化してきた現代では
勉強を重ねて、
知識集約型の仕事を
目指さなければならなくなりました。
ですが、もうちょっと我慢すれば
AIを搭載したロボットが
人間の代わりに仕事してくれる未来が
待ってます。
それまでの辛抱です。
これは私のことだ😅
生物学的に言うと
人間はお金よりも
現実の物に価値があると感じるのです。
そもそも 一万円札は
単なる紙切れであり
その価値は将来買い物ができると言う
交換価値でしかないのです。
動物の立場になって考えてみれば
将来価値のあるものと
交換できる紙幣よりも
今ほしいものに価値を感じるでしょう。
経済的に考えても衝動買いで
経済がよりよく回るので
社会としては
衝動買い=推奨される行為となります。
生物学的にいうと
人間の幼児は思い通りにならないと
物を投げたりして駄々をこねます。
が、しばらくするとケロッとしてます。
動物も幼児と同じような感じだそうです。
人間の大人がイライラしがちなのは
幼児のように物を投げたり
暴れたりできない
からなんです。
なるほど🤔
ちなみにイライラを止めるには
活性化した脳を沈静化するのに
ため息が効果的だそうです。
今日ではSNSを通じて
仲間でない誰かの成功談に
「いいね」したりして応援してると
自分勝手に仲間意識を持ちます。
で、その人が成功したとなると
嫉妬心が生まれてしまうのです。
人類の祖先は
100人くらいの小集団で生活してたが
文明社会になって
個人で生活するようになった。
心は個人化にまだ順応しておらず
仲間がいない夜は
孤独を感じやすいのでした。
太古の時代から片づけるという
作業をしてこなかったのだから
それに伴う能力が
進化していないだけです。
散らからないように
なるべく物を持たないようにしましょう。
注意散漫な状態とは、
もっと大事なことに気づいた時に
そちらに思考を切り替えるための
自然な仕組みです。
人間は忘れる動物です😅
「対立しないことこそが
職場を守ることになる」
と無意識に判断しているから。
そもそも報告したくないからです🤣
そもそも上意下達は
ビジネスを戦いになぞった
旧来型のやり方。
現代は階層関係の戦闘集団から
民主的な組織に移り変わる過渡期です。
「コミットメント」を
上手に活用しましょう。
動物は衣食住が足りていれば
現状維持になってしまい
やる気が出ない性質を持ってます。
転職できないのは
冒険の損失感の方が大きいからです。
天気に左右されないで
元気に仕事に出かける集団より
雨の日は静かにしている集団の方が
生き残りやすかった。
そして私たちはその末裔です。
本来、
後悔は過去の選択を気にして
反省している状態
よって
後悔する方が
未来の行動の成功率は上がります。
そのため
嫌な感じの方が過去の体験を覚えていられるからです。
人間って合理的にできてますね🤔
気になってしまうのは
狩猟採取時代から
食糧の分配にズルがないように
仲間の目が防止の役目になっていた
名残りです。
現代の社会構造で
いい状態で生活してる人たちが
現状に満足せずに
ネガティブになって
心配しながら頑張るという社会
になっているからです。
狩猟採取時代は
100人ほどの親密集団だったので
個人と個人の諍いは
あとあと尾を引くものでした。
つらいのは、
その当時の感情の遺物だからです。
ご近所づきあいは、
狩猟採取時代の仲間を
維持する心理によって
伝統的に守られてきました。
ところが
現代のご近所づきあいは
経済的格差への懸念から
ただの「気遣いの関係」に
なってしまったのです。
対面コミュニケーションの時間や
ひとりでじっくり考える時間が
SNSによって奪われているからです。
人口が増えて
多くの人と関わる現代では
嫌でも外見によって人の取捨選択が
数秒でなされるためです。
人間の睾丸が他の動物に比べて
「一夫一妻制+ちょっと乱婚」に
ふさわしい大きさの睾丸に
なってるからです。
こんな理由で
浮気が許させる訳はないでしょう🤣🤣🤣
男性は子供を産みやすい女性と
生殖行為をした方が
子孫を残しやすいからです。
もちろん私も
おっぱいやお尻が大きい女性は
嫌いではないですが…
それよりも
「そろそろ現役引退」という
生物学的にしょうがない状態です。
狩猟採取時代は、
女性が男性に求める条件が
「強さ」であった。
ところが
文明社会では男性の
「優しさ」が重要になってきた。
つまり、
狩猟採取時代では
優しい男性はだめんずでしたが
文明社会に入り、
需要が生まれたのですね😅
人は、狩猟採取時代から
狩猟や採取のノウハウを学び
技能や知識を
集団で継承していく文化があった。
文明社会になり
学ぶべき技能や知識が膨大になり
子供を早めに独立させるよりも
親の保護下で力をつけさせると考える。
過保護は必然の結果のようです🤔
これは狩猟採取時代からの集団活動が影響してか
笑顔の店員さんを協力集団の仲間だと
錯覚しまうからでした。
占いに頼る傾向は女性が多いです。
それは男性が「精子ばら撒き戦略」の
勝手な動物であるのに対し😅
女性は自分の子供を産んで育てないと
子孫を引き継げないので
未来を考えて自然と行動が慎重になるためです。
日本人は酵素に強い・弱いの
遺伝情報を持っているからです。
いつ死んで失われるかもわからない未来
よりも
今が大事なのだから当たり前です。
人間は他の動物と同じように
ご褒美を目指しますが
「自分へのご褒美」を用意して
鼓舞できるのは人間だけです。
狩猟採取時代に一夫一婦制度が導入され
結婚競争が激しくなり
男性は「強さ」を、
女性は「美しさ」をアピールしました。
さらに文明社会ではプラスして
「財産」が加わり
強さと美しさのアピールに
ブランド品が必要になったのです。
チンパンジーも階層社会があるように
ヒトも狩猟採取時代の間に
階層社会を形成した時代が
長く続きました。
企業も適度に階層を導入して、
他人より優位でいたい心理を
刺激するのも理由の一つであります。
狩猟採取時代は平等な社会であったが
「能力の格差」もありました。
その各自の得意な能力を
十分に発揮してもらうために
「ちやほや」が有効だったのです。
SNSで気軽に多くの人に
メッセージを発信できる社会となり
知ったかぶりが溢れ、
嘘が渦巻く不信社会になったからです。
基本、兄弟は相互に助け合う関係だが
自分に来る利益が兄弟にいってしまうと
「利益が半分になった」と感じるように
生物学的に進化したからです。
カリスマとは
チンパンジーにおける
階層社会のボスです。
私たちは、
カリスマに支配されているわけではなく
自ら進んでカリスマに従っているのです。
集団社会には不可欠な忠誠心から
忖度するのは当たり前です。
むしろ
立派なコミュニケーション能力です。
悪事に手を染めなければOKですよね。
人に頼れないのは
「優しい人」の特徴です。
人に頼った時の「負債感」を
気にしてしまうからですね。
階層社会では
上に立って他者を支配すれば嬉しい人と
下に隷属していれば安心だから
という人がいるからです。
協力社会においては
メンバーとして承認されるために
分業が必要でした。
その仕事の割り当てに対し
責任ある一貫した態度がある人が
必要なのです。
ところが
現代はさまざまな状況に対応せねばならず
とてもモノゴトの一貫性にこだわってはいられない。
よって
私たちは「自分の揺らぎ」に対して
不安になるように進化しているのです。
ドキドキの興奮は、体力を奪うので
脳が防御反応を働らかせて
醒めるようになっているようです。
チンパンジーは毛づくろいによって
友好関係や上下関係を確認します。
体毛がなくなったヒトは
それに代わって発展したのが、
肌のふれあいだったのです。
病気は生物進化の副作用です。
環境に適応するメカニズムにおいては
遺伝情報の突然変異がその原動力でした。
その突然変異が病気をもたらすのです。
生物は次の世代をより多くの残すように
遺伝情報が進化するので
生殖可能かを判断するために
シワが必要だったのです。
シワが否定的にとられる理由は
生殖年齢を過ぎているというサインに
なってしまうからでした。
仙人のような老賢人にとっては
シワはむしろ年齢を刻んだステイタスです。
老化により感情のコントロール機能が
弱まるからです。
老化すると
前頭前野の機能(クールマインド)が
低下し始めます。
その兆候として、
感情を代表とする
古い脳の働き(ホットハート)が
日常的に表面化するようです。
死の苦悩をやわらげる手段だからでした。
次の世代に足跡を残したくなるからだそうです🤔
ヒトを人生の過ごし方で
大きく分けると2タイプでした。
●マキシマイザー(Maximizer)
何事も最大化を目指す人
●サティスファイサー(Satis Fighter)
適度に満足する人
で、
人生が虚しくなるのは
マキシマイザーだそうです。
寿命を家に例えると
耐久期間を超えた部品を修繕するより
建て直した方が安上がり。
つまり寿命は
身体の建て替え戦略だそうです😅
諦めましょう。
はぁ〜、まとめるの疲れた😅
いかがでしたか?
生物学的にしょうがないことは
狩猟採取の時代のままの旧脳が
文明社会に対応しきれていない現状が
明らかになりました。
さて、ここであなたに質問です。
いくら生物的にしょうがないことでも
現代社会で全て許されることと思いますか?
質問するまでもないですが
ほとんど許されないのが
文明社会なんですよね。
私たちはどうやっても
狩猟採取時代には戻れません。
そこで
「生物学的にしょうがなくない」
ように考えるためには
この後に説明する
「ホットハート」と「クールマインド」が
重要なキーワードなのでした。
◆生物学的に、しょうがなくない!
●ホットハートを訓練しよう
著者は、
遺伝子の指令のもとに作動する
感情や欲求、
無意識の思考や
反射的な行動の大部分を
ホットハートと名付けました。
ホットハートの機能は
生まれながらに身についた
「生物学的にしょうがない」機能ですが
互いに矛盾している機能もありました。
例えば、浮気心と貞操感
浮気心は
森で生活していた乱婚の時期に進化し
貞操感は
草原で協力集団を形成していた時期に
進化しました。
これら相反するホットハートは
環境からの刺激により
どちらかが作動するようになっています。
これはつまり、
おネエちゃんのお店に行かなければ
浮気心も芽生えない
ということですね。
ごもっともです。
ホットハートに対して
脳の前頭前野を中心とした意識的な働きを
クールマインドと呼んでいます。
私たちが他者から見た自分を意識して
自分の振る舞いが一貫しているかどうか
考えることができます。
こうして意識してよく考えることが
クールマインドの機能なのです。
クールマインドを適切に働かせる方法は
以下の2点です。
●適度な想像力が助けになる
人間が文明を気付けた能力の一つは
「想像力」です。
動物の中で唯一人間だけが、
過去を想起したり未来を予想したりと、
見えない現実を想像できるのです。
よって、
「人間だからしょうがない」も
想像によって
少しは解消できる面があります。
例えば前述しました
「人前で話すの苦手なの、しょうがない」
この問題は
「観客をかぼちゃと想像できればあがり症防止になる」
といった対処ができます。
ただ反対に、
想像し過ぎて
ストーカー行為をしてしまう
とかは大問題です。
私たちの感情や欲求は
なかなか理性でコントロールできません。
しかし
理性で適度な想像をするのは
比較的やさしいのです。
●社会性がうまく刺激される環境を探そう
人類が文明社会を築けた要因は
想像力のほかに
『社会性』があります。
長かった狩猟採取時代に
「他者のために」と思うと
やる気が出るように進化してきました。
動物の中で唯一人間だけが、
他者を率先して助けようとします。
例えば、ジムに通って
みんなが運動しているのをみて
自分も運動を促されるように
生物学的にしょうがないことは
自分の社会性をうまく刺激する環境を
探し当てれば改善が期待できます。
社会性といえばSNSですが
これも適切な距離で接することができれば
現代では必要なツールですね。
解決策は
ホットハートとクールマインドの
バランスを取ろうです!
ホットハートの
生物学的にしょうがない部分を残しつつ
クールマインドによる工夫を少し発揮して
社会に適度に合わせるといった姿勢が良いそうです。
●「心のメガネ」が作られるのを期待
心の構造も
狩猟採取時代の協力生活に由来してます。
文明の時代になり、
人口が増え、見知らぬ人とも
協力するようになりました。
大勢の人の顔が識別できないので、
人を信頼するよりお金を信頼するほうが
手っ取り早く便利になりました。
でも今度は
「お金で解決するのは人情に欠ける」
と思ってしまうのです。
著者が提唱する「心のメガネ」とは
社会が複雑化し
科学技術が発展するにしたがって
その身に付けるべき知識や能力が
膨大になっている問題に対し
あたかもメガネで近視や
紫外線を克服したように
テクノロジーで
解決しようということです。
生物学的な限界を、
テクノロジーがブレイクスルーする
そういう時代の到来を期待しています。
最後に本書のあとがきに書かれている
著者のメッセージを引用します。
著者のメッセージに応えるべく
私もいつもより細かく
内容をまとめてみました。
著者のメッセージにご賛同の方は
Twitterやnoteで紹介してほしいです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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