見出し画像

『褒める・叱る』が職場で嫉妬を生む原因!|人類超人化計画 アドラー哲学に学ぶ、これからの「ヨコ社会」に必要な『勇気づけ』

結論から

褒める」と「叱る」が
 職場で嫉妬を生む原因の一つ
です。


どうも
安全・安心と絆でつながる
キャリアコンサルタント
のタルイです。


今回の内容は前々回から続くテーマ

「職場で嫉妬に振り回されずに
 上手に活用していく方法」

の最終章です。


ちょっとここで
前々回から内容を振り返ります


嫉妬とは他人と比較する習慣から生まれる

●嫉妬には7つの嫉妬がある
(やっかみ、ねたみ、そねみ、
 いやみ、ひがみ、うらみ、つらみ)

●嫉妬の感情はなくすことができない



さて、
私たちは昇進にしろ昇給にしろ
どうやっても
他人との比較することを避けられない
『職場』という環境で働いてます。

他人との比較で
相手を妬んだり恨んだり

あるいは
自分を僻んだり嫉みを感じたりと

こんな感情はなくなれば
楽になれるかもと思うかも知れません。


ところが、
他人との比較は人が生きる上で
必要不可欠なものなんです。



所得(お金)や貯蓄額、社会的地位、
さらにクルマやマイホームなどの
地位財


他人と比較して
優位によって
価値が生じるものです。

地位財は、手に入れると
その時は幸福感を得られるが

長続きしない「幸せ」であることは
自明の理です。

ですが、これがなくなると
誰もお金を使わなくなり
経済が回りません。


また会社は
社員を正当に評価するために
組織内で他者との比較をします。

そして働く人も
他人と比較しやすい
給料額、役職、評価点数、
等々で優位がなければ

正直、幸せを感じづらいし、
満足を得られづらいからです。


他人との比較で感じる幸せは
長続きしないが、
無いと幸せも感じづらくなる。


この相反する事実が
実に悩ましいのです。


つまり
嫉妬の感情がなくなることも
難しいのです。




ただ、嫉妬というのは
必要不可欠なものなのでもあり
同時に苦しい感情でもあるのも事実。




では私たちは、
この嫉妬をどのように
コントロールしていくべき
なのでしょうか?


嫉妬が人として必要ならば
人を超えればコントロール出来る


つまり
嫉妬をコントロールする能力を
身に付けるために『超人』
目指すのです。

超人化



仰々しいですが、
アニメやSFの世界の話ではありません。


19世紀に哲学者ニーチェは
嫉妬によって終わっている人にならない
方法として『超人』化を提唱しました。


ただ、ニーチェ型の超人の絶対条件は
個の能力が高い、
天才と呼ばれる人のみです。


あるいは
狩猟民族型で
個人プレー重視の方には
ぴったりの考え方です。



ところが日本人の多くは
農耕民族型でチームプレー重視



これは職場だけではありません。



日本は野球にしろサッカーにしろ
世界戦において欧米と比較すると

周りの選手を活かして
自分を活かすスタイルです。



そこで今回の提案は
そんな日本人に合った
嫉妬コントロール方法
『アドラー型の超人』についてです。


ここから詳しく説明していきます。



▶︎「褒める」と「叱る」が職場で嫉妬を産む原因

まず最初に
アドラー型超人を目指す上で
とても重要なことを
お伝えしたいと思います。

褒めると叱る。



従来は職場の上司の
コミュニケーションにおける
基本スキルのようにも
考えられてきました。



ですが、
ここで認識を改める時が来たのです。


もうこれからは、
「褒める」と「叱る」が
通用しなくなる時代が来ます。



これは会社の中だけではありません。

家庭での親子関係
においても

学校での教師と生徒の関係
においてもです。

その理由は
社会全体がタテ社会からヨコ社会に
変化しているからです。

これからの時代は
タテ社会ではなく
ヨコ社会になっていきます。


例えば、
これからの会社組織の形態
と呼ばれるティール組織がそうです。

これには会社において
タテの階層ピラミッドは
存在しなくなります。



また最近特に話題の
「WEB3の時代」になれば

資本家と労働者のタテ関係も
崩壊しそうです。


そんなこれからの時代にあって
褒めると叱るは
もはや時代遅れになるのです。




そればかりではありません。


同時にこれが職場に嫉妬を
生み出す原因でもあったのです。


この事実は昨今の働き方の変化で
露呈してきたのでした。


●自己肯定感ブーム


例えば
仕事ができる若手をヘタに褒める
他の方から嫉妬の対象にされ、
チームのまとまりが崩れてしまう
場合があります。

そればかりか
褒められた本人にも悪影響が出ます。

昨今の自己肯定感ブームの影響から
自己肯定感を高めることを追いすぎて
他人よりも自分を優先する思考に
なります。


目的が自己肯定感を
高めることになってしまうと

他者から褒められる行動をしたり
世間の目を気にしすぎる

傾向になります。

結果、隣の芝生が
やたらと青くて眩しく映り

【ねたみ】【そねみ】
止まらなくなります。



●年功序列崩壊の影響


日本のタテ社会の象徴だった
「年功序列」

この上下関係のヒエラルキーは
もう崩壊してます。

この理由はシンプルです。

おじさん社員のパフォーマンスが
落ちたからです。


かつて、
日本のほとんどの企業は
上の立場の人ほど
豊富な知識経験
仕事に成果を出せる時代がありました。

そんなすごい上司に褒められれば
「憧れの上司に認めてもらえた!」
と嬉しいものでした。

もし仮に叱られても
「認めてもらえるように頑張ろう!」
と思えます。


ところが今や…
その「働き方の常識」は
変わってしまったのです。


ぶっちゃけると
若くて仕事のできる方にしてみれば
仕事の質と給与が見合ってない
働かないおじさん
に褒められても
大して嬉しくもないのです。

「お前がもっと働けよ!」
【いやみ】
毒づかれるかもしれません。


働かないおじさんに叱られた日には
「何もできないくせに偉そうに!」
【うらみ】を買うのが
まぁ…普通かもしれません。


私も働かないおじさん世代なので
この現実は受け入れ難い
辛いものがあります…


ここで話を元に戻します。


では私たちは、
「褒める・叱る」の代わりに
何を学び直すべきなのか?


それは「勇気づけ」です。



あなたもご存じかもしれません。
勇気づけはアドラー心理学における
主要な技法の一つです。


しかし、
この「勇気づけ」もまた

「褒めるとの違いがよくわからない」

という声が多いのも事実です。


勇気づけは
職場から家庭での子育てで説明すると
分かりやすいかもしれません。


Q.「ママー、自分で着られたよー」

A. (自分で着替えができた幼稚園児に
「勇気づけ」で答えてください)


ここでちょっとお考えください。
ヒントは『上から目線』ではなく
『横から目線』です。


「どうしてそれをいつもやらないの!」

出典:アドラー心理学×幸福学でつかむ! 幸せに生きる方法


残念。これは上から目線のタテの意見。
つまり『勇気くじき』ですから
もちろん違います。


「自分で着替えられたね、偉かったねー」

出典:アドラー心理学×幸福学でつかむ! 幸せに生きる方法


これは「褒める」行為です。
上から目線のタテ関係ですね。


では勇気づけの答えはというと

「ありがとう。着替えてくれたおかげで、
 お母さん(先生)助かったよ」

出典:アドラー心理学×幸福学でつかむ! 幸せに生きる方法


勇気づけでは感謝を伝える
「ありがとう」なのです。



タテではなくヨコの関係。

この違いのポイントが
「共同体感覚」なのです。


勘の良い方は
もうお気づきかもしれません。

この『共同体感覚』
「職場で嫉妬に振り回されずに
 上手にコントロールする方法」
です。



▶︎アドラーは心理学者というよりは哲学者

共同体感覚をご説明する前に

まずはアドラーについて
書いておきます。


アルフレッド・アドラーは
オーストラリアの精神科医でした。


欧米ではフロイトやユングと共に
「心理学の三大巨頭」と呼ばれています。

同時期を生きた
フロイトやフランクルとともに
心理療法のウィーン学派三大潮流
にも挙げられています。


アドラー心理学は
正式には「個人心理学」と呼ばれます。


部下指導、子育て、
カウンセリングなど、
聞くことや話すことなど


人間関係に
非常に効果のある心理学だと
言われています。


その中身は
「人はひとりでは生きていけない」
個人よりは仲間との関係性を説いた
コミュニティー論とも言えます。


そして
その完成までの道のりは時代によって
前・中・後と3期に分かれるのです。

□ アドラー前期「劣等感の補償」です。


アドラーは

「人間であるとは
 劣等感を持つことである」

と述べます。

ここから先は

4,246字 / 7画像
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,545件

記事がお役に立てたら100円サポート願います。 noteで頂いたサポートとAmazonアフィリエイトは児童養護施設を退所する子どもたちの就労支援団体ブリジッフォースマイルさんに毎月寄付させていただきます。https://www.b4s.jp/action/contribution