私たちは何歳まで働くべきなのか?|『還暦からの底力―歴史・人・旅に学ぶ生き方』【読書日記】
「定年制も敬老の日もいらない!」
今年75歳でバリバリの実業家が
提言されてます。
どうも読書セラピストのタルイです。
さて、いつも突然ですが
「あなたは何歳まで働きますか?」
現在52歳の私のライフプランでは
(60歳までで引退したい…
それがダメなら65歳か…)
などとはっきりとはしない
ノープラン状態です。
そんな優柔不断な私に
一冊の本が衝撃を与えてくれました。
この本の著者は私にズバっと
切り込んでくるのです。
著者の結論はシンプルです。
「考えても意味がない」
この本は出口治明さんによる
人生指南書です。
ご存知の方も多いかもしれません。
出口治明さんと言えば
なんと、還暦(60歳)で
ライフネット生命を創業して
古希(70歳)で
APU(立命館アジア太平洋大学)の
学長をされていた
今年75歳のとっても元気な方です。
本書は、還暦を迎えた方々が、
人生100年時代を
パワフルに行動するための
ヒントを提供がコンセプトですが
還暦未満の方が読んでも
きっと役立つでしょう。
なぜなら、
私が本書を読んで
ふたたび若さを取り戻したかのように
興奮しているからです。
日本もまだ捨てたもんじゃない😤
出口さんが提唱する
還暦からの底力を発揮するためには、
⚫️色眼鏡をできるだけ外すこと
その人の価値観や人生観を
できるだけ外して
フラットに周囲の物事を
見ることが大切です。
⚫️エピソードではなくエビデンス(証拠)で世界を見ること
これで根拠のない不安で
心配することはなくなります。
根拠が明らかな問題は
原因が明確なので
打つべき手を打てるようになります。
「もう歳だから…」
と、年齢を隠れ蓑にして
自分にブレーキを
かけることもなくなります。
言い方を変えれば、
ものごとをできるだけフラットに
「数字・ファクト・ロジック」
でとらえて
「年齢フリー」で考えることが
還暦からの底力を
発揮するためには重要なのです。
「数字・ファクト・ロジック」
これは私の大好物です。
本書第一章では、
社会とどう向き合うかについて
以下の6つのヒントが
取り上げられています。
◆ヒント1. 「何歳まで働くのか」を考えても意味がない
定年制は、
日本社会の特殊な制度であり
世界中で通用するものではない。
1965年にWHO(世界保健機関)が
65歳以上の人口が
全人口の7%を超えると
高齢化社会と呼ぶ
との見解を発表しました。
これは今から半世紀も昔の定義です。
医学の進歩や栄養状態の改善により
今の75歳は昔の65歳と
相撲を取っても
負けないかも知れません。
ではそれを踏えて
「いつまで働くのか?」問題は
前述したとおり
「考えても意味がない」
人間も動物だから
前もって決めておくのは
ナンセンスなのです。
私ももっと働くことにします。
◆ヒント2. 高齢者が生かされる歴史的・生物学的意味
高齢者は
「次世代のために生きること」
に意味があり
なんだそうです。
例えば
ホモサピエンスの歴史でも
180万年前の原人は歯を失っても
仲間に食べさせられて生き延びた
そうです。
これは、
介護が行われていた証拠ですよね。
なぜ生かされていたのか?
おそらく高齢者の原人は、
知識や経験を持っているので
群れの生存に有益だったのです。
また、
赤ちゃんの世話や守番など
次世代の育成にも貢献していた
とも想像します。
これらをまとめると
高齢者が生きている理由は
「次の世代のためである」
と言えるでしょう。
ですから
「保育園が近くにできると
うるさくて昼寝できない」
とか吐かす老人に対して、
行政は「山奥で独りで暮らすように
説得すべき」と書いてます。
出口さん素晴らしい!
その通りですね。
◆ヒント3. 「敬老の日」を廃止せよ
なぜならば「敬老の日」は、
高齢者を敬う気持ちを
示す日ではあるが…
その一方で、
高齢者を特別視する風潮を
助長する面もあるからです。
そもそも
「敬老」という言葉自体が
「若者が高齢者の
面倒をみるのは当たり前だ」
という歪んだ考え方につながり
社会を歪めていると指摘されてます。
<Young Supporting Old>は
高度経済成長期だった
日本のように
若者が圧倒的に多い社会
でしか成立しないのです。
少子高齢化が先行した
ヨーロッパでは
もう30年以上も前から
<All Supporting All>
に変更されているそうです。
つまり、
年齢に関係なく
社会を構成している
みんなが負担をして
シングルマザーをはじめ
本当に困っている人に
給付を集中しようという考え方に
変わっているのです。
そのためには
税制や社会保障の在り方を
変える必要があります。
消費税とマイナンバーを活用して
本当に困っている人に
給付を集中するべき。
そして年齢に関係なく
働いている人は
年金保険料を納めて
そして働けなくなったら
年金を受けるのが理想なのです。
それでもどうしても
敬老の日を祝うのであれば
趣旨を以下のように
に変えるべきと提言されてます。
高齢者と若者が
対等に尊重し合う社会を
目指すためには
「敬老の日」を廃止し
年齢に関係なく
すべての人が活躍できる社会を
実現すべきなのです。
それは次の提案にも通じてます。
◆ヒント4. 「年齢フリー」の世の中に
いま日本では高齢者に
多くの資産や年金が集中し
経済的に困っている人たちには
十分に配分されていません。
年齢に関係なく能力や
意欲に応じて働ける社会を
目指すべきである。
そのためには、
過去の栄光にすがる年功序列や
敬老精神を捨てる必要がある。
つまり…
定年制度は廃止すべきである。
定年を廃止することによって
得られる
一石五鳥のメリットは
年齢に関係なく、
お互いに尊重し合って
働くことができれば
エイジフリーの社会が実現できます。
◆ヒント5.厚生年金の適用拡大で「貧困老人」を防ぐ
いまの日本では
パートやアルバイトなどの
短時間労働者は
国民年金保険に加入し
老後の年金が少なくなることが
問題となっています。
パート、アルバイトなど
およそ1500万人は
国民年金保険に
追いやられています。
本来ならば、一番立場の弱い
パート、アルバイトの人たちこそ
厚生年金保険で守られるべきなのに
そうなっていないのです。
ここに日本の一番大きな問題があり
「老後の貧困」という不安の根源は
ここからきています。
この問題を解決するためには
短時間労働者も厚生年金保険に
加入させることが必要です。
ですが、
中小企業の経営者が
社会保険料の負担を嫌がっている
のが現状なのです。
しかし、海外に目を向けると
2003年にドイツの
シュレーダー政権が
適用拡大を含めた
社会保険制度の
大構造改革を実施しています。
もちろんドイツでも
中小企業経営者が猛反対しました。
それでもシュレーダー元首相は
こう反論したのです。
人が元気なときだけ
安い賃金で働かせて
その人が弱ったら放り出すのは
ビスマルクの精神に反している
というのです。
ビスマルクとは、
労働者階級の安定化を図るために
世界初の社会保険制度を創設した
偉大な人物です。
この反論に対して、
ドイツの中小企業の経営者は
泣き落としに転じました。
すると
シュレーダー元首相は
さらに反論しました。
つまり、
社会保険料を均等負担ではなく
傾斜をつけて
企業負担分を増やす設計
にしたのです。
シュレーダーさんの考えは
至極まっとうではありますが…
これに怒った
中小企業の経営者たちによって
なんとシュレーダーは
選挙で敗れてしまいます。
ところが、
次に登場したメルケル元首相が
これまたカッコいい人なんです。
といって
シュレーダーの大改革を
引き継ぎました!
これによって
現在のドイツの強靱な経済システムは
出来上がったのです。
日本にもドイツのような
気骨ある政治家が現れないかな…
政治資金パーティーの話は
つまんないよ。
※ドイツの働き方にご興味のある方は
こちらをどうぞ。
◆ヒント6. 「飯・風呂・寝る」の生活から脱却せよ
還暦後の生活は
これまでのように
ただ飯を食い
風呂に入り
寝るだけの生活では、
充実した人生を送ることはできない。
新しいことに挑戦したり
社会に貢献したりするなど
人生の第2幕を
充実したものにするために
積極的に行動すべきである。
人生を豊かにするためには
人・本・旅
この3つから学ぶことが
大切だと言っています。
人とは、
さまざまな考え方や
価値観を持つ他人です。
人と出会うことで
自分の考え方や
価値観を客観的に
見つめ直すことができます。
また、
他人の経験や知識を学ぶことで
自分の視野を広げることもできます。
本とは、
過去の人々の考え方や
知識が詰まったものです。
本を読むことで、
過去の出来事や文化について
学ぶことができます。
また、
本から新しい考え方や
発想を得ることもできます。
旅とは、
自分の住んでいる
場所以外の場所を訪れることです。
旅をすることで、
さまざまな文化や
風習に触れることができます。
また、
旅から新しい視点や
発想を得ることもできます。
世界1200都市を訪れ、
1万冊超を読破した
“現代の知の巨人”である
出口さんの言葉は説得力が違います。
これは私に刺さりました。
なぜなら最近の私は
「飯・風呂・寝る」を
極めることばかり
考えていたからです。
酵素玄米をたべて
サウナと銭湯で温冷交代浴し
一日8時間寝ることで
すっかりと
ミニマムな生活に慣れちゃった私
まさに出口さんがおっしゃるように
自分の考え方の偏りや
欠点を認識することができました。
そんな私は
もっと旅をしよう!
もっとたくさんの人と出会おう!
と思えたのです。
ちょうど孤独対策にもなるかも
しれない。
◆まとめ.
いかがだったでしょうか?
出口さんはパワフルな方ですよね。
今年75歳なんですよ。
さて、第一章では、
還暦後の社会との関わり方について
以下のようなメッセージを
発していました。
最後に、私が本書を読んで
とても気に入った
ファクト(事実)を紹介します。
世界では西洋でも東洋でも
船の沈没の際に脱出する順番は
決まっているそうです。
子供→女性→男性、
そして最後に高齢者です。
この理由はシンプルです。
この順番にしないと、
群れが死滅してしまうからなんです。
私は社会全体の秩序も
そうあってほしいと願います。
社会の秩序が、
子供、女性、男性、高齢者の順に
大切にされる世の中は
ある意味、
理想的な社会と
言えるのではないでしょうか。
子供は未来を担う大切な存在です。
女性は社会の半分以上を占める
重要な存在です。
また、
男性は社会の基盤を支える存在であり
そして高齢者は
社会の経験や知恵を蓄えた存在です。
これらの存在が、
それぞれの役割を果たしながら
社会を支えていくことができる社会は
持続可能な社会と言えるでしょう。
しかし、
現実的にはこの秩序を実現することは
なかなか容易ではありません。
子供や女性は
男性や高齢者に比べて
社会的な地位や権利が
低いことが多いです。
そのため、
子供や女性が大切にされるためには
社会の意識や制度を
変えていく必要があります。
子供や女性が大切にされる社会
を実現するためには
子供や女性の権利を
保障するための法律や
制度を整備することが重要です。
また、
子供や女性に対する偏見や
差別をなくすための
教育や啓発活動を行うことも必要です。
さらに、
子供や女性が活躍できる社会を
構築するために
仕事や教育などの機会を
平等に提供することも重要です。
そのために努力を続けることは
持続可能な社会を実現するためにも
重要なことです。
本書には
持続可能な社会になるための
提案が詰まっています。
今回は、
第一章しか紹介してませんが
他にも沢山の提案や提言が
書いてあります。
ざっくりと紹介しておきます。
もしも私と同じように
ちょっと現実社会に
疲れてきていたら
読むだけで滋養強壮になる本です。
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
感想はスキとコメントで
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いつもXやsnsで
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感謝しております。
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