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「人が辞めていく残念な職場」には共通する時代遅れな文化や慣習がある 【読書日記】組織の体質を現場から変える100の方法

もしもあなたが、
離職者の多い職場で
働いているとしたら…

今回の内容は共感しかないと思います。


どうも読書セラピストのタルイです。


突然ですが質問です。

あなたの職場は
「行きたくない職場」
だったりしませんか?

そしてあなたは組織に対して、

「もう、うんざりだ!」

と、感じていることは
ないでしょうか?


例えば、こんなことで↓

画像出典:Amazon


今回ご紹介する書籍は

このような
「閉鎖的」「管理重視」「横並び」
といった体質が

色濃く残る古い組織文化こそが
問題の根源であると提言してます


そして、このような古い組織文化を
現場レベルから変えるための
100の具体的な方法を紹介しています。


抽象論ではなく、具体論が100個です。


経営コンサルをしている
私の経験から申しますと

多くの社長は
社員のモチベーション低下や
離職の原因を

「やりがい」
「仕事内容」
「給料」


に求めがちなんです。


ところが、この本を読めば

本質的な問題は
そこではなかったことに
気づくことができます。


本著の著者は経験から

多くの離職者は

「やり方が時代遅れ」
「価値観が古い」
「硬直的な思考」

といった組織の「体質」
不満を感じていたことがわかりました。


今の若い世代の方は、
ネットやSNSを通じて

常に知識や価値観を
アップデートしています。

デジタルツールの活用は当然のこと

他者を尊重し
多様性を重視し
変化と成長の必要性を
認識しています。


しかし一方で、
多くの日本の組織は
どうでしょうか?

未だに「紙」を主体とした情報共有

画一的な働き方しか認めない風潮

失敗を避けることに
重点を置いた業務の進め方


などが根付いています。

この「古さ」…

つまり「時代遅れ感」に
耐えられないために

若い世代は組織を離れているのです。

逆にいうと、
この時代遅れ感を改善することで

組織の離職率は変わりそうです。


つまり本書の結論は
古臭い組織の体質を変えるための提案。

そして本書のタイトル通り
組織の体質は、
あなたの半径5m以内の変化から変えられる

とされています。

100個も書いてあります。

◆文化度が高い組織の「10の体質」


あなたはここまでを読んで
自分の働く組織の体質が
時代遅れかどうか気になったかもしれません。

本書の序章では統制管理型組織を「レガシー」

オープン型組織を「モダン」とし

10項目で体質の違いを比較されてます。

この図はかなり役に立ちました

本書より引用



ではここから先は
読んで私に気づきがあった事例を
ピックアップいたしました。


⚫️誰も管理職になりたがらない組織


本書によると、
なりたくないのは管理職ではなく
「自社の管理職」でした。


最近、管理職になりたがる人が減っていますよね。

よく聞かれる理由は
「大変そう」「割に合わない」といった声です。

まぁ要は
「しんどそうだからやりたくない」
と思われているわけです。

これでは、
組織の中で管理職の顔ぶれが変わらず
仕事のやり方が古いまま停滞してしまいます。

若手が管理職になりたがらないのは
「管理職」という役職そのものではなく
「今の管理職のあり方」のようです。

実際、管理職の仕事が見えづらく
「何をしているのかよくわからないが、
ただ忙しそう」
という印象を与えると
誰もその役割を担いたいとは思わなくなるのです。

そこで本書では
まずはマネジメント業務を
一部メンバーに任せてみることが有効とのことです。

いわゆる権限委譲ですね。

責任を少しずつ共有することで
管理職の役割を具体的に理解させ
興味を持たせることができます。

マネジメントは誰かに任せられることで、

ただの「しんどい仕事」ではなく
やりがいや楽しさがあると気づかれるでしょう。


⚫️職場での呼び方は「役職」か「さん」づけか?

職場での呼び方は大きく分けて
役職で呼ぶか「さん」づけで呼ぶかの2種類があります。


本書における
それぞれのメリットとデメリットを
簡単に整理すると


役職で呼ぶメリット
組織の中で誰が責任者かが明確になり
特に緊急時に指揮系統が
はっきりして動きやすいことです。

デメリットは役職に基づいた
上下関係が強調され
場合によっては
コミュニケーションが
堅くなること。

また、役職が変わるたびに
呼び方を変える手間もあります。

一方で「さん」づけにも
メリット・デメリットあります。

メリットは、
フラットで誰に対しても平等な関係を築け
より協力的な雰囲気が生まれることです。

デメリットとしては
責任者がわかりにくくなり
トラブル時の対応が遅れる可能性があります。


役職で呼ぶか「さん」づけにするか問題は

職場の文化や
チームの特性に合わせて
決めるのが大切でしょう。


ただ本書とは別の意見として
私の経験ではハラスメントとも呼べない
「ずるい攻撃」が蔓延する職場は
役職で呼ぶ組織に多い印象があります。



⚫️電話以外での欠席連絡が許されない組織

本書を読んでびっくりしたのは
突然の体調不良で会社を休むときに

いまだに電話での連絡が必須

という組織が
まだ存在するということです!

体調が悪いときに電話をかけるのは
思っている以上に辛いものです。

痛む体を引きずりながら
何度もかけ直し
ようやくつながった先で

「本当に具合が悪いのか?」

と追及される—
その苦しさを理解している人は少ないでしょう。

一方で、
チャットやメールなら
場所や時間に縛られず
自分のペースで連絡ができます。

体調が優れないときに
少しでも負担を軽くするために
これらのツールはとても優れた選択肢です。

今やビジネスのコミュニケーションとして
広く受け入れられているこれらの方法を
積極的に使っていくべきです。

「電話での連絡がしんどくて
チャットで連絡しました」

と理由を添えることで
理解を得やすくなります。

自分自身や家族の体調を守るためには
まずは自分から一歩踏み出し
合理的な方法を選ぶ勇気が必要ですよね。


⚫️情報を共有しない秘密主義の組織


世の中には情報を共有せず、
担当者が自分の仕事だけを抱え込む
秘密主義の組織があります。

情報は一部の上司やベテランのみ共有し
他のメンバーには伝わらないまま
意思決定が行われることも。

さらに、
セキュリティ意識が強すぎて
同じ社内でもチームや部署が異なると
情報にアクセスできないこともあります。

で結局、
飲みの場やタバコ部屋などの非公式の場で
管理職やベテランだけで情報共有がされ
ものごとが決まってしまう。

なんでしょう、このクソ組織は。


このような組織では
情報を独占することで

自分の立場を強固にしよう
とする人が現れることもあり

最悪の場合
ハラスメントやコンプライアンス違反が横行し
組織のモラルが崩壊してしまいます。

また、
情報の閉鎖性は
新たなアイデアや議論を妨げ
組織の成長を停滞させます。

一方で、
情報を積極的に共有する
オープンな文化を持つ組織は、

全員が公平に情報へアクセスでき、
コラボレーションを通じて
新たな価値を生み出すことができます。

外部とのつながりも生まれ
意欲的な人材が集まりやすくなります。

まずは小さな一歩として
チーム内で積極的に情報を共有し

閉鎖的な文化を変えていくことが
健全で成長する組織づくりの鍵となります。


⚫️「合理性」ばかりで「面白さ」に対する感度がない組織


本書には仕事を選ぶ基準として
「面白さ」を取り入れることは
意外と重要と書いてあります。

私もそう思います。

ところで職場で面白さに対する感度を
持っている人たちがどれだけいるでしょうか?

面白さを主張できる空気はありますか?

もちろん、
仕事には効率や客観性が重要で
感情を排除することで
成功している職場もあるでしょう。

しかし、
面白さや楽しさを無視することは
メンバーの好奇心やチャレンジ精神を抑制し
仕事への意欲を低下させかねません。

人は面白いと感じることで
モチベーションが上がり
自発的に仕事に取り組むようになります。

「ジョブ・クラフティング」
という考え方では

個々が自分の仕事を工夫し
主体的に取り組むことが推奨されています。


面白さを感じることで
仕事に対するオーナーシップが生まれ
創意工夫が引き出されるのです。

選択肢が複数あるとき、
たまには「どれが一番面白いか?」
という視点で決めてみるのも一つの手と
アドバイスが書いてありました。

筆者が以前、
企業で業務改善を検討していた際
マネージャーが「どれが面白い?」
と問いかけた瞬間
議論が一気に進展したそうです。

面白さを基準に選ぶと
仕事への熱意が高まり
結果的に良い成果を生むことが多いのです。

面白さを大切にすることで
仕事はもっと楽しくなり
より良い結果を生み出すでしょう。


⚫️休み明けに「お土産」を配る組織

休み明けにお土産を職場で配る習慣には、
メリットとデメリットがあるとされます。

お土産はカジュアルなコミュニケーションの
きっかけを作り

職場でのリフレッシュの手助けにもなります。

しかし、
これが「ルール化」すると義務感が生じ
プレッシャーになりますよね。

リモートワークの普及や
体調不良での休暇後には
配ることが負担になる場合もあります。

本書の対策としては
無理に配らないことや

負担を軽減できる
「ご自由にどうぞ」スタイルを
導入するのが有効とあります。

気軽に楽しめる職場の空気を作ることが大切です。


気遣いを強要する文化は
ルール遵守の体質を助長してしまう

これが古臭い組織文化の特長ですよね。



◆〈私の考察〉オープン型組織はティール型組織への前段階ではないのか?


本書の説明の蛇足にはなりますが、
ちょっと気になったので書き残しておきます。

もう一度、こちらの図をご覧ください

私はレガシーな統制管理型組織と
モダンなオープン型組織を比較した時に
ある一冊の本を思い出しました。

「ティール組織」です。

ティール型組織は、
フレデリック・ラルーの著書で
紹介された先進的な組織モデルです

以下がティール組織の主な特徴です

セルフマネジメント
上司やマネージャーが存在せず
メンバー全員が自律的に意思決定を行います。


ホールネス(全体性)
メンバーが自分らしさを活かせる環境を重視し、
心理的安全性を確保します。

エボリューショナリーパーパス
組織の存在目的を明確にし、
全員がその目的に向かって行動します。

セルフマネジメントや
全体性の重視
組織の存在目的に基づいた行動などが
強調されています。

そしてこちらの図は
ティール型組織を説明する時に用いられる
有名な5つの進化モデルです。

https://bizhint.jp/keyword/113325

ご覧いただいてわかるように
誰がみても「レッド」や「アンバー」な組織は
レガシーな組織と言えるのではないでしょうか。

では「オレンジ」と「グリーン」の
比較ではどうでしょうか?

本書の「統制型組織」と「オープン型組織」と
見比べてみてください。

よってこのオープン型組織とは
来たる未来の組織像とされる
「ティール組織」への発展する
前段階にあたるのかもしれません。



◆まとめ:誰もが気持ちよく働ける文化的な組織に変えていく


最後に本書を読んだ感想として
箇条書きですがまとめてみました。

⚫️ みんなが話しやすい環境

どんな人でも、気軽に自分の意見や考えを言える雰囲気が必要です。情報を隠さずに共有し、上司や同僚ともオープンに話せる場があると、信頼が深まります。

⚫️安心して発言できる雰囲気

「これを言ったら怒られるかも」と思わずに、自由に意見を言えることが大事です。みんなが安心して意見を出せれば、新しいアイデアが生まれやすくなります。

⚫️柔軟な働き方

人それぞれ生活や状況が違うので、リモートワークやフレックスタイムのように、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができると、仕事もプライベートも充実します。

⚫️多様性を大切にする

年齢や性別、国籍などが違っても、みんながお互いを尊重することが大切です。多様な人たちが集まると、いろんな視点やアイデアが生まれます。

⚫️感謝の気持ちを伝える

お互いに「ありがとう」と言い合うことで、職場の雰囲気が良くなります。小さなことでも感謝の気持ちを伝えることが大切です。

⚫️働きやすい環境を整える

快適なデスクや休憩スペースなど、物理的な環境も大切です。働きやすい環境があると、仕事の効率も上がります。

⚫️成長をサポートする

従業員がスキルアップできる機会や、学ぶ場を提供することで、個人のやる気や会社への貢献度が高まります。


本書の内容をまとめると、
文化的な会社組織を作るためには
目の前にいる「半径5mの人の喜び」
目を向けることが大切と感じました。

毎日接する同僚やチームメンバーに
ちょっとした気遣いや
感謝の気持ちを伝えることで、
小さな喜びが生まれます。

その積み重ねが
職場全体の雰囲気をポジティブに変え
自然と文化的で温かい組織が
形作られていくのです。

結局のところ、
会社の文化を変えるのは
大きな改革ではなく
日々の小さなアクションの積み重ね。

まずは、
自分の周りの5mの人たちを
喜ばせることから始めてみませんか?


その小さな一歩が、
組織全体に広がる
大きな変化につながっていくはずです。

きっと本書はその手助けになるでしょう。
だって100個も提案が書いてあるので




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