じゃぐ

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▼食を科学する研究者 ▼食品の栄養や機能性に少しだけ詳しい理系の企業人 ▼デザイン思考×研究が好き ▼元商品開発職 ▼主戦場はTwitterです

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  • 研究員がデザイン思考はじめて見た

    最近よく耳にするデザイン思考。教科書的なことよりも、研究員ならどう活かしていくべきか、実践的に考えてみた。

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    徒然なるままに食と健康について思うことを綴る場所。

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理系研究員がデザイン思考を始めた理由

ついにnoteを始めてしまいました。Twitterでお世話になってる方々、いつもありがとうございます。私はとある食品企業で研究開発に携わっている理系人間です。 このnoteの場では、普段私がどんなことを考えて研究に取り組んでいるかという混沌とした頭の中身を吐き散らかして、それが積み重ねればおそらく整理されてる感が醸し出されてくるだろう、という一縷の望みにかけてみたいと思っています。 なかでもデザイン思考について書き記していきたいのですが、なぜ理系がデザイン思考なのか。その

    • 八か月の子供が初めて認識した単語が「Alexa」だった件を科学的に検証する

      背景(background)可愛すぎて幼少期の橋本環奈を彷彿とさせるレベルのうちの子も、生まれてからまもなく九か月になろうしています。 ハイハイしたり、つかまり立ちしたり、体が成長して目が離せないお年頃になってきたわけですが、どうも言語の発達、つまりこちらの話す単語も理解するくらいの月齢でもあるそうな。 そんな折、とある重大な現象に妻が気付きます。 「なんか、アレクサが喋ってる時に必ずアレクサの方を見てる」 ふむふむ、確かに音が鳴る方はよく見てるし、会話に興味を持ち

      • その日僕はマスコミを信じるのをやめた

        私らしくないタイトルですが、今日は私の人生のターニングポイントの一つとも言える、とあるお話をさせていただきます。 遡ること10年前の今日。2014年の8月20日。 覚えている人も少ないでしょうが、この日私の故郷は大規模土砂災害の被害を受け、死者70人超という当時としては最大級の災害となりました。 線状降水帯という単語はこの災害あたりから、よく使われるようになったと記憶しています。 私の実家自体に被害はなかったものの、敷地内が泥(真砂土)だらけになったり、親戚の家は床上

        • デジタルヘルス設計のPdM経験を語り尽くす

          食品科学の研究者である私ですが、最近リアルな世界のお仕事としては、むしろ食品科学の知識を活かして、ヘルスケア、特にデジタルヘルスに関する仕事をしています。 そんな中研究部門発の新規事業としてデジタルヘルスのサービスを実際に市場に出すという、かなり珍しい成果を昨年出すことができました。 しかもそれがイノベーターに贈られるとある賞(後述)を受賞することになりまして、そのおかげで2023年は私個人として様々な講演に呼ばれたり、ネット記事や雑誌、テレビに取り上げられたり、技術誌に

          ¥400〜
          割引あり
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          自己紹介

          Twitter(X)を初めてもうすぐ5年 今更ではあるのですが、あまり私自身のことを語ったことがなかったので、自己紹介も兼ねてどう言う気持ちで私が情報発信をしているのか、まとめました。 何かしらのツイートなどをきっかけに私を見つけてくださった方へ、こんな人だよ!というご挨拶も兼ねて、ぜひ読んでみてください。 私はこんな人まずは簡単なプロフィールから。 【出身】 広島。人生の半分は広島で、広島愛は人一倍強い。 【経歴】 某大学院修士卒。大学院では特に薬理学をメインに学

          自己紹介

          ロングセラー商品をみんなに聞いたらso longだった

          私の国にこんな言葉があります。 推しは推せるときに推せ と。 大好きなものがずっとあるとも限りません。推せる間に推しておきましょう。 また、私の国にはこんな言葉もあります。 終売になる前に普段から買え と。 店頭に並んでいるロングセラー商品から滲み出る安心感。そんな日常に突然の別れを告げる終売の二文字。悲しいことです。急いでスーパーに買いに行っても後の祭りです。 ・・・・と言うわけで今回はロングセラー商品の話。無くなるまでにちゃんと買って応援しようじゃないかと

          ロングセラー商品をみんなに聞いたらso longだった

          生であるべきか加熱すべきか、それが問題だ

          日本人は生がすき。 どれくらい好きかというと 読み方多すぎぃぃぃ! それくらいみんな大好き、生、生、生。 食品でも『生』がつくものは多く、代表的なものとして ☑︎生ビール ☑︎生野菜 ☑︎生卵 とか色々あるよね。別にビール、野菜、卵だっていいわけで、なぜかみんな生がお好き。 まだまだあります、生八つ橋、生もみじ、生牡蠣、生魚、生肉、生食パン、生クリーム、生チョコ、生ハム、生キャラメル、生醤油、生茶・・・ しかしてその実態はなんなのか? 今回色々調べながら感じた

          生であるべきか加熱すべきか、それが問題だ

          尿酸対策サプリを一年飲んだら、尿酸値が下がったお話

          タイトルを読んで「どのサプリメントを摂っていたのか知りたい!」という方。 ちょっと一旦落ち着いて最後まで読んでほしい。 そして先に伝えておくと、私はPR系のインフルエンサーではないので、残念ながら最後まで読んでもその健康食品の商品名まで明かすことはない。 ただ、健康食品の正体よりももっと大事なものを持って帰ってもらえるはずなので、ぜひ読み進めていただきたい。 一食品研究者が尿酸と向き合った一年間の記録である。 時は遡り2023年私も年頃になってきて血液検査の結果で境

          尿酸対策サプリを一年飲んだら、尿酸値が下がったお話

          食品の健康効果を確かめる(応用編)

          前半はこちらから さて、食品の健康効果を確かめる、と言うより医薬品をはじめとした世間一般的な効果の確かめ方を前回はお話ししました。 今回は食品に特化して、効果を確かめるときに注意すべきポイントを整理してみたので、色んな情報に惑わされる前にぜひ読んでみてほしい。 食品はそもそも食べられているこれ結構大きな落とし穴なんですが、とある食品の効果を謳う場合はそもそもその食品がどれだけ摂られているかの前情報は必須。 例えば、ビタミンCの効果を見たくてビタミンCの介入実験を行った

          食品の健康効果を確かめる(応用編)

          食品の健康効果を確かめる(入門編)

          コラーゲンは美肌に良い ビタミンCは風邪に効く プロテインは運動後に摂ったほうが良い 食品の効果効能の情報は巷にたくさん溢れています。それら一つ一つ正しいか正しくないかを確かめるのも大変ですし、日進月歩のこの世の中全てを知っている人なんていません。 じゃあどうすれば良いの?? 今回のお題は食品の効果ってそもそもどうやって確かめているのか、その方法を知ることで対策をとりましょうと言うお話しです。 もしあなたが効果を確かめる方法をあまりよく知らないのであれば、その方法がど

          食品の健康効果を確かめる(入門編)

          なぜ栄養と機能性では盛り上がりの格差があるのか

          現在新幹線で移動中の私。 暇な2時間の持て余し方として、ネットサーフィンするくらいなら食と健康について言語化してみよう!ということでタイトルのお題について考えてみる。 まず、栄養と機能性の違いについては、以下のコラムを参照にされたし。 これを理解した上で、じゃあ何がこの二つの格差を生んでいるのか? 格差とは?そもそも格差があるというのもあくまで私の印象なのでそこはご容赦いただくとして、私の中では以下のような格差を感じています。 ・産業界の盛り上がり 機能性表示食品が

          なぜ栄養と機能性では盛り上がりの格差があるのか

          バズ図解のすゝめ

          ありがたいことに、先日Twitter(現X)にて私の図解(マッピング)が大変ご好評をいただきました。 今回はこの図解の詳細を解説・・するわけではありません。解説はこのポストにぶら下げる形でたっぷりコメントしてますので、このツリーを読んでね。 今回は図解自体の説明ではなく、「バズる図解をどうやって作っているか?」という私の頭の中の解説に挑戦します。 思えばこういった図解は三作目なのですが、三作ともYahoo!のリアルタイムの話題ツイートとして取り上げていただいていて、今の

          バズ図解のすゝめ

          発酵はなぜ人を魅了するのか(後編)

          前回のあらすじ 発酵は微生物の働きで何かが何かに変わるのだ。 ※五ヶ月も前に書いた前編を見てない方はこちらをあらかじめみることをお勧めします。 というわけで、後編のはじまり。 発酵で何が起きているのか発酵において必ず起きているのは、成分に変化が起きているということ。 例えば、糖→アルコールになることで、ただの甘い液体がお酒という魅力的な液体になり、人々の生活を豊かに(そして破滅的にも)します。 ほかにも、 たんぱく質が分解されてアミノ酸になり、旨み成分が増強された

          発酵はなぜ人を魅了するのか(後編)

          健康の定義

          「朝ごはんを抜くと健康によくない」 そんな話を聞いた頃ありませんか。他方 「朝ごはんは胃がもたれて不快だから健康に悪い」 こんな声も聞いたことがあります。結局朝ごはんは良いの?悪いの?どっちなの?! この二つの見解の違いを観察するに個人差はもちろんありますが、それ以外にも「健康」という言葉の捉え方の違いからきてるんじゃないかと、私は思うわけです。 健康食品というジャンルについて『健康食品は疾病の治療や予防目的ではなく、健康を増進するもの』だと説明されることが多いです

          健康の定義

          腎臓結石の疑いがあって念のため紅茶を控えるように言われたそのとき、食品研究者の私の頭に思い浮かんだ一抹の不安と疑念を言葉に残しておく

          プロローグ先日の人間ドックで、エコーの結果腎結石の疑いというという、絶対その先の尿路結石に進みたくないという状況に追い込まれ、泌尿器科に駆け込んだのですが、再確認したらなんら問題ないとのこと。ふー。 医「でも小さいのが見えなくもないので、普段から水分摂取を意識するのと、シュウ酸を多く含むほうれん草とか紅茶は摂りすぎないようにしてくださいね。」 ほー、シュウ酸ですか。気をつけよう、うんうん。 しかし、私の中である疑問が生まれます。 なんで紅茶なん?? 紅茶がダメって言

          腎臓結石の疑いがあって念のため紅茶を控えるように言われたそのとき、食品研究者の私の頭に思い浮かんだ一抹の不安と疑念を言葉に残しておく

          「食品添加物は体に悪いんですか?」という質問に対する回答を直感と論理の枠に当てはめて考える

          これに対して、いろんな方から意見をいただき、私色々頭を巡らせておりました。 直感に訴える方法と論理に訴える方法の2パターンあるなと。伝える相手の心に響かせ行動を促すことを考える際にはおそらく両方のバランスが重要。 ということで、「食品添加物が心配なんですけど大丈夫なんですか?どうやって避けたらいいですか?」という質問への答えを直感バージョンと論理バージョンで考えてみます。 皆様からの意見もふくめここにまとめていきます! 本題に入る前に直感と論理 こちらの書物で有名な

          「食品添加物は体に悪いんですか?」という質問に対する回答を直感と論理の枠に当てはめて考える