見出し画像

神、海、我はひとつになりぬ (短歌)

(辻堂海岸)

うつくしき海はおほきな帆布広げ
迫れるやうにわが主映せる

青灰の波の砕けて襲ひ来る
神、海、我はひとつになりぬ



「暗闇の灯」というクリスチャン小説を、紙の本に纏めて、いま周辺のひとたちに貰っていただいている。それはわたしの背中に、かたく結びつけられた十字架のようになっている。

道で十字架を背負うひとを見掛けたなら、そのひとは生きて帰っては来ないことを意味していた、そうだ。日本で例えるなら、といまぱっとは出てこないのだが。

「各々の十字架を背負い、わたしに従いなさい」とキリストは言った。十字架を背負った以上、わたしという自我は、死に定められている。自分の名誉を守りたかったなら、クリスチャン小説など出版するべきではなかった。ましてひとびとに送るなど、恥さらしであった。

けれどわたしはとうに、キリストの愚か者になると決めていた。「じぶんの命を保とうとするものは失い、じぶんの命を神のために捨てるものはそれを見いだす」。いま井深八重の一粒の麦を思い出していた。


↓ひっそりとやっている本の通販


この記事が参加している募集

今日の短歌

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?