若月房恵

自分の言葉で、イエス・キリストと暮らす現実について書きたいと思っている、本の虫なクリス…

若月房恵

自分の言葉で、イエス・キリストと暮らす現実について書きたいと思っている、本の虫なクリスチャン。海辺に住んでいる信州マニア。

マガジン

  • 日本語訳

    日本語に訳したメッセージなど

  • キリストと生きる日常について (散文)

    ただイエス・キリストと生きているわたしの日々を、誠実に、飾ることなく、じぶんの言葉で書くことが出来たなら。

  • 読書録

    本棚を見せることは、わたしにとって自己紹介のようなこと

  • 本の虫12カ月

    2024年、今年こそは読んだ本をぜんぶ記録する(たぶん)

  • お寺の国のクリスチャン (小説)

    留学先のアメリカでイエスキリストに出会い、人生を変えられてしまった真木さんは、じつは信州の旧家の跡取りだった。故郷で彼を待ちかまえている、封建的な家制度から逃亡すること二十年。ついに帰国を余儀なくされた真木さんは、まわりからの冷たい視線に曝されながらも、苦しみながらキリストに従う道を選んだ。じぶんの屋敷を伝道所として開放した真木さんと、その教会のひとびとについての一連の連作小説。ふふふ。

最近の記事

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All is well

 いつの頃からだろうか。どんな愚痴を牧師に宛てて書いても、「All is well」としか返ってこないようになった。  牧師に愚痴を言うなんて、ですって?  そう、わたしも愚痴という形で書いていたわけではない。でも「何々について祈ってくださいますか」と言いながら、クリスチャンは愚痴を語りがちなのだ。  祈りのリクエストという名の愚痴、またはゴシップ、それから自慢話。  All is well「ぜんぶ大丈夫だよ」  どれだけ長い文章を送り付けても、答えはそれっきりだっ

    • 幻を書き記せ スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) ②

      アメリカ、アラバマ州にある New Hope Revival Ministries の スティーヴン・シェリー牧師が 1990年代に出版した手記です。 二回目の今回は、 『あなたがそんな環境でも 神に仕えられるのなら、 ぼくだって神に 仕えられるかもしれない』 と他人に言わせた、 彼の壮絶な幼少時代についてです。 『神さまがいなければ、 心を病んでいただろう』 とみずから語る過去は、 ほんとうに心を抉られるような つらい辛い体験です。 『これらのことを話すのは、 読

      • しなやかに、

         朝から降りだした雨は、もう嵐となり果てていた。しずかな湖とみまごう相模湾は、そんなときでも波は高くない。「割れて砕けて裂けて散るかも」なんてふうになることはほとんどなくって、実朝はどこで詠んだのかしら、とふしぎに思う。  (太宰治の「右大臣実朝」は、三浦岬に行ったときだと言う。確かにあそこは波が高い)  助手席で夫が眠っている。ほんとうは出来るだけ、助手席には乗りたくないらしい。だって怖いでしょ、と言う。たしかにわたしの運転は怖いだろう。でもよっぽど疲れているのか、

        • 幻を書き記せ スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) ①

          アメリカ、アラバマ州にある New Hope Revival Ministriesの スティーヴン・シェリー牧師が 1990年代に出版した手記です。 十年以上前に訳したものですが、 家族にだけ見せて、死蔵させていたので、 ネット上で公開してみようと思います。 シェリー牧師は、わたしのアメリカの 牧師で、預言の賜物のある、 とても霊的で、ふしぎなひとです。 その彼がみずからの奇特な人生と 神さまとの体験を語る本を、 何回かに分けて、投稿してみます。 まず一回目は、導入部

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        マガジン

        • 日本語訳
          7本
        • キリストと生きる日常について (散文)
          62本
        • 本の虫12カ月
          4本
        • 読書録
          15本
        • お寺の国のクリスチャン (小説)
          39本
        • クリスチャン短歌
          30本

        記事

          本の虫12カ月 4月

          ↓先月の分 Dear me 本屋に寄るたびに 積ん読を増やすのを、 当分止めてくださると 助かります。

          本の虫12カ月 4月

          信州松本、PARCOと南松本のヨーカドーと井上百貨店(←new)が撤退になって、駅前のアルピコプラザは生きながら死にかけていて、どうなるのだ。やはりイオンのせいか。ふと気がついたら、なにかの局面に立っていたような。とおくからどきどき眺めている信州マニアです。

          信州松本、PARCOと南松本のヨーカドーと井上百貨店(←new)が撤退になって、駅前のアルピコプラザは生きながら死にかけていて、どうなるのだ。やはりイオンのせいか。ふと気がついたら、なにかの局面に立っていたような。とおくからどきどき眺めている信州マニアです。

          「癒されるために」 ウィリアム・ブランハム

           これはウィリアム・ブランハム(1909-1965、米)の説教から、癒しに関しての言葉を抜粋した本、 ”Healing thoughts”を日本語に訳したものです。  何年前に訳したのかも覚えておらず、しかも未完です。元の本をひとに贈ってしまったので、もう終わらせることも出来ません。そんな中途半端な文章ですが、眠らせておくのも勿体ないというだけで、ここに上げてみます。どなたか必要とされている方に届きますように。 「癒しの祈り」  身体のどこが悪かろうとも、いまこそ癒

          「癒されるために」 ウィリアム・ブランハム

          はるかに大きな、 大きな

           「あなたはわたしに  悪事を企みましたが、  神はそれを善に  変えてくださいました。」  ヨセフはそう言った。じぶんに嫉妬し、憎しんで、挙げ句の果てに奴隷商人に売り飛ばした、みずからの血肉、血の繋がった兄弟たちに。  -あなたがわたしを憎んで、苦しめてやろうとしたことを、神さまは良い結果のために 用いてくださったのです。わたしが売り飛ばされたおかげで、多くの民の命が救われました。  簡単に言える言葉ではなかった。苦しみと葛藤であがなった、一世一代の赦しのことば、

          はるかに大きな、 大きな

          もう半分の痛み ―アレクシエーヴィチを読みながら―

          子どもを上手く寝かしつけられなくて、 何も書けない日が続いている。 この記事は、下書きに眠っていた。 去年の夏に書いたらしい。 なんで投稿しなかったかは、 もう覚えていない。 三冊目のアレクシェーヴィチである、 「チェルノブイリの祈り」を まだ最後まで読みおわっていなかったなあ、 と罪悪感を覚えながら。 *  わたしは痛みを知らないらしい。  十代の頃のこと、毎年夏を過ごしたアメリカの教会に、介護を必要とする、ひとりの高齢のおばあちゃんがいた。彼女が淋しくならないよう

          もう半分の痛み ―アレクシエーヴィチを読みながら―

          「愛」 ジョージ・ハーバート (日本語訳)

           シモーヌ・ヴェイユの本に出てきた 彼女が愛した詩、 ジョージ・ハーバート (1593-1633) の 「愛」  さっき岩波のイギリス名詩選を 読み返していたら見つけたので、 友だちに見せようと、 じぶんでも訳してみることにした。 愛がわたしを迎えてくれた。けれど罪と塵で埃まみれのわが魂は後ずさりした。  一歩踏み入れて怯んでしまったわたしを、愛は目ざとく見つけると、 近寄って、やさしく訊ねた、 「なにか足りないものでもあるのかね」 「お客さまが、ここにふさわしいお

          「愛」 ジョージ・ハーバート (日本語訳)

          本の虫12ヵ月 3月

          ↓2月の分 大量消費みたいな、 いまのじぶんの読み方に疑問を感じて、 すこしペースを落としている (またはさぼっている)。 図書館で借りてきた本を、 期限内に読みきるのは良いことだけど、 こう首狩り族みたいに、 大切に読むべき本を読み飛ばすのは、 じぶんの為にならない。   ……と思っていたのに、 後半に結構追い上げて、 今月もかなりの数を読んだ。 ↓next month

          本の虫12ヵ月 3月

          砕かれる (短編小説)

          これを二年前に書いたとき、 「今回のは素晴らしいよ!」 と牧師が初めて褒めてくれました。 「心砕かれるための学校」について、 その学校の先輩である彼と 話し合ったことがあった からかもしれません。 その学校に入ったつもりでいて、 わたしはまだまだ塊のままです。 わたしもあんなふうに、 柔和に、キリストを映せるように なりたいのですけれど。 そのことを思い出して、 未熟な文章を整え、 すこし書き直してみることにしました。 「これは頭脳だけの宗教じゃないんだ。 じぶんの身

          砕かれる (短編小説)

          安房を旅して

           関八州をひとつずつ数えてみると、千葉県だけ三つに分かれているのに気付く。  どこまでが上総で、どこから安房なのだろう、とつぶやきつつ、房総半島を旅した。  鴨川シーワールドのシャチショーは、3月16日14:00の回を最後に、当分のあいだ「動物の事情により」中止になったらしい。  その最後の回を見た。  水族館好きの夫と、海の生き物好きの息子にとって、待望のシャチショーだった。  ショーが終わったあと、「ぼくは恐竜よりもいちばん、シャチが好きになったよお」と息子は

          安房を旅して

          ちいさな証し

           どんなにちいさくとも、神さまのしてくださったことには、感謝して、証しをしなさいと、いつか誰かの言葉を思いだしながら書いてみる。  じぶんのことばかり語りたくない、と最近思う。語りたいのは、キリストのことだけ。言葉が表面的にならないように、じぶんが生きて、体験したことばを書きたい。けれどすべての行き着く先がキリストでなくては、書くことなど虚しい、とコヘレトの書みたいに思う。  だからいまから書くのは、わたしの話というよりも、わたしの暮らしを恵みによって保ってくださって

          ちいさな証し

          メアリが信じていたもの

           「神を信じる人と、頭のおかしい人との違いは紙一重だ」  そうナイジェリア人のKさんの台詞を訳し終えたとたんに、背後からくすくす笑いがした。分かってる、これは中国人のFさんだ。元の英語では誰も笑わなかったのだから、わたしの訳が飛んでいたのだろう。意訳と誤訳の違いだって紙一重だ、とこのハチャメチャな通訳は思う。    でも確かにそうだ、と思う。おかしいかもしれない、と思ったことはある。この前、わたしは聖書のすべてを、神のみことばとして信頼しています、と人に言ったとき。本を

          メアリが信じていたもの

          本の虫12か月 2月

          ↓1月の分  ↓next month

          本の虫12か月 2月