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ひかり青かるひとときに (短歌)


明け方のひかり青かるひとときに
我のこゝろに触れたまふ神


こゝろにも真北定まるわが磁石
狂ひしときに正したまへる


ただひとつ虚しからざるものわれは
汝のうちに見いだせるなり


Jesusとこゝろに唱ふ幾たびも
甘き思ひの溢れだすまで


彼のひとキリストの抱擁感じつ明け方に
目には見えざるよろこび歌ふ


わが神に求められたるその奇跡
感じつ朝日昇りゆくなり




時はきわどく、わたしは一時でも主から思いを離したら、じわじわと逸れてしまうような感覚がしている。方位磁石は、常に真北を指していなくてはならない。

そうでなくては、わたしもこの世界を覆っているこの虚しさに、蝕まれてしまう気がする。それは指先に、画面のなかに、電車のなかに、迫っている。

時がきわどい。ニュースを見て、「大変なことになった!」と叫んだわたしに、三才児が「なにがたいへんなの!? なにが!? どこ!?」というので、「政治が」と答えると、彼は「せいじってどこ!?」と言いながら玄関を確かめに階段を降りていった。

この虚しい、秩序のない、救いのない、詰んだ世界の片隅に生きているのだからこそ、わたしはせいいっぱい水晶のように透明に、キリストの光を拡散させる灯火でいられるようになりたい。だから、キリストは明け方に目覚めたとき、わたしの心を正してくださったのだ。わたしがsincereに生きることができますように。

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