見出し画像

博物館巡りの女ひとり旅① inハノイ

大学の休み期間に4泊5日(丸3日観光)の旅程でハノイに行ってきた。住んでいるタイ以外では、初めての海外ひとり旅である。この旅の中で私が学んだことを書きたい。

1日目


朝|道端バインミー

なんとなく博物館の方に歩いていた道中で見つけたバインミー屋さんで朝ごはんを食べることにした。笑顔が素敵なおじちゃんが一生懸命英語で会話をしてくれて、その優しさに心があったかくなる。既にハノイ旅の幸先、イイね!彼の甥だという流暢な英語を話す快活なお兄さんが「ここに座りな」とベトナム特有の低い椅子を用意してくれた。なぜベトナム人が道端で使っている椅子とテーブルはどれもこんなに低いんだろう。

目の前の道を朝から忙しなく行き交うバイクを見ながら、脂身たっぷりのジューシーなバインミーを頬張った。うまー!と心の中で叫びつつ外面は黙々と食べていても誰にも注視されることが無かったので、「あれ、私ベトナム社会に馴染めてるのかも」なんて思い始める。浮いていないだろうか、とかなり気にしている私はまだひとり旅初心者なのかも。

博物館①|ホアロー刑務所

チケットカウンターの表示がまず目に入る。「Contributer to the Revolution」つまり革命への貢献者は無料で入れるらしい。革命や戦争に関わった世代がこの国ではまだ現役で生活しているんだ。

100,000ドン(600円)で日本語音声ガイドを借りて刑務所内を巡る。幼い子どもも収容されていたことに驚いた。巨大で重い鉄の扉で閉め切られたこの部屋で、ときには拷問、処刑され、衛生環境も悪い中で何人もが時間を過ごしていた事実は、私の最大限の想像力を必要とさせる。戦争を経験していなくて、ろくに過酷な経験をしたことがない私にとって、人間、戦争の残虐性を理解することは、とても難しい。難しいけど、無理矢理でも想像していかなければいけないことだと思う。

この収容所は、日本人が看守として管理されていた時代がある。第二次世界大戦末期、日本軍がベトナムを占領していた期間のことだ。だから、私にも無関係な話ではない。展示内では少ない割合であるが囚人に欺かれて脱走を許してしまった日本人看守の話が書かれていた。旅をするにあたって、母国がこの国に対して何をしてきたのか、どう関わってきたのか、その歴史を知る責任があると常々感じている。

このホアロー刑務所では、ベトナム八月革命後はベトナム戦争時にアメリカ人捕虜が収容されていた。そのときのアメリカ人捕虜への丁寧な扱いが、フランス・日本軍のベトナム人囚人に対する扱いと対照的に展示されているのがとても面白い。ベトナムは戦争の勝者として、ある意味一段上の立場から自身の寛容な広い心を(プロパガンダ的に)示しているような気がした。

昼|フォーボー

刑務所近くのそれなりに賑わっている店に入ってみて、「これと同じのください」と隣に座る人の皿を指さして注文した。まあ、美味しい。ベトナム飯は最終日までそんな感じだった。それなりに美味しいけど、感動するほどうまいわけではない。安いのはうれしいし、クセが少ないから体調が良くなくても食べられるのは旅人向きかも。そういえば去年のインド帰り、よく分からない体調不良で1週間ろくに食事もできなかった旅の帰りにトランジットのハノイ・ノイバイ空港で食べたのもフォーだった。あのときは舌も敏感になっていてパクチーの匂いが強烈で少ししか食べられなかったけど、今回はそんなにパクチーを感じない。インドのことを思い出すとまだ食事がまずくなる。

博物館②|タンロン城

敷地が思っていたより広くて、周り方が分からなかった。というより、想像よりも暑い気温と湿気、PMSが重なって体調がめちゃくちゃ悪かった。とりあえず見かけた建物内には入ってみたけれど、展示内容も楽しみきれず、残念。地下施設なんかもあったらしく悔しい。唯一の収穫は、ベトナムの精神には龍の象徴が根付いているということ。後に知ったことだが、ベトナムの民族(キン族のこと?)は龍と仙女の子孫だという伝説があるそう。こういうことは水上人形劇を見に行くとざっくり学べた。

夜|麻婆豆腐

ハノイの下調べをしているときに日本人の方のブログで見つけた中華料理店。生粋の麻婆豆腐好きとしては絶対に行かなけれないけない!と、出発前から心をときめかせていた。この店は日本人が勧めているので期待も膨らむ。

念願のご対面。うまい!!生ニンニクが少し舌を痺れさせるけど、2人前くらいのボリュームをペロリと平らげてしまった。(でも次回があれば絶対生ニンニク抜きにする。)

ハノイに来ても(ベトナム料理ではなく)中華料理を気兼ねなく食べられるのも、ひとり旅ならではである。1日目にして、ひとり旅サイコー。「ひとり旅は移動式の引きこもり」だなんて言ってる人をXで見かけたが、まさに!食べたいものを食べ、見たいものを満足するまで見られる。いや、もう、本当に、これ以上の贅沢で幸せな時間はない。多分ない。この気づきだけで、ハノイに来てよかった21歳!

【ハノイ旅の記事】


ありがとうございます。いただいたサポートは旅行費に使わせていただきます!