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ライターって何書くの?スポーツを扱うジャナーリストの仕事を7つ紹介

 筆者は5年ほど前から、とあるスポーツを扱うウェブサイトのアルバイトをはじめ、現在はジャナーリストとして仕事をしている。この仕事をはじめる前はジャナーリストについて深く知らなかったが、記者としてほぼすべての仕事をやり遂げたので仕事内容を紹介したい。

ジャナーリストになった経緯


まず、筆者がこの仕事に就いた経緯を説明する。筆者は中学時代からとあるスポーツが本格的に好きになり、テレビで定期的に観戦をはじめた。最初はそれで満足していたが、そのスポーツを見終わると、選手のコメントや試合についての詳しい情報を知りたくなり携帯電話やパソコンで調べるようになる。また、TwitterなどのSNSが流行りだすとそれについての感想をつぶやくようになった。
そんななか出会ったのが、現在中の人として働いているウェブサイトだ。ある日そのサイトにアルバイトの募集ページができているのを見つけて応募。アルバイトを経て現在はジャナーリストとして、そのサイトのカテゴリーのひとつのボスとして記事を投稿したり管理している。

仕事内容1:情報ありからのスタート

では、どのような仕事、作業をこなしてきたのか紹介する。
スポーツのニュースは、いくつかの種類に分けることができる。

①まずはチームや選手からきた公式情報の掲載だ。なんでニュースサイトはそんなに早く、しかも一斉に同じ内容の記事を掲載できるのか疑問に思ったことはないだろうか?
これは『プレスリリース』というジャーナリストやメディア向けに、前もって文章やpdfファイルなどの情報を公開しているものがあるからだ。
プレスリリースはイベントの告知や、試合の振り返り、選手のコメント、契約更新の情報など公式情報として発信される。情報解禁日が設定されているものもあるが、送られてきた時間が情報解禁日なものがほとんどなので、ブログやTwitter同様にコピペして掲載するだけの作業となる。
プレスリリースママの記事掲載はコピペで済むので初心者でもできるが、記者としての文章でないので多数のニュースサイトの記事を集めたYahoo!ニュース、LINEニュースなどに配信はできないことが弱点だ。

②おわかりの方もいるかもしれないが、次はプレスリリースを使って記事化する作業だ。
先ほどの①の作業はまったく頭を使わずにできるが、ここからは文章力が必要となる。
プレスリリースには、文章としてではないが5W1H(いつ、どこで、誰がなど)を含む情報が入っているため、その情報を使って文章にする。
記事でもまず5W1Hを序文に書き、どのような情報なのかを読者にわかるようにする。その後はそれがどのような選手なのか、どのようなことなのかといった詳しい説明文を追加する。
例えば、プレスリリースに『このたび〇〇選手が★★に出場します。』とあるものを『昨年、突然の現役引退を発表した〇〇選手が、〇月〇日に〇〇県で開催される★★で電撃復帰を果たすことが発表された。』のように書き換える。
これは読者が知りたい情報かつ、どれだけすごいことか、ファンが読むと喜びが増すような書き方をすることなどのコツも必要となる。
最初は情報量がプレスリリースと変わらず、ただの紹介文章になると思うが、何度も記事化を繰り返すことによって上手くなっていくだろう。1年くらいで書けるようになるはずだ。

仕事内容2:情報ゼロから作成

③試合のレポート記事。ここからは自分で情報を見つけ出したり探す必要があり、ゼロからのスタートだ。まずは日付を書いて…となるが始めて書く場合はそれ以降の展開が思いつかないだろう。
レポートとはいえ起承転結をつけないといけないので、慣れないうちはとりあえず出来事を箇条書きメモ。それを使って肉付けをしていくことをオススメする。
慣れていけば、次の展開を予想して文章を書き進め、試合でトラブルが起きれば次の文章の繋ぎ方により書き方を変更。展開によっては″余分な″出来事はスルーして書かないなどの技量が問われる。
全部知りたい人は試合の映像も見ているはずなので、レポートら文章で試合展開を楽しく伝えることが役目となる。これが書けるようになるには3年かかると思う。

④レビュー、分析、まとめ記事。レポートはとりあえず出来事を文章にまとめることができれば合格だが、次は筆者の″色″が出る文章を仕上げる必要がある。
これは出来事のほかに、なぜそうなったのか、こうなるだろうといった、知識ある記者による分析が必要となる。
天候、選手と会場の相性、選手の気持ちや体調などといった長期的にデータをとっていないとわからない分野であり、それを知識としてアウトプットできないと記事は成立しない。
このような記事がとりあえず書けるの には4年以上必要となるが、読者を巻き込みしっかりとした読み物にするには5年必要だと感じた。

仕事内容3:次は現場で直接インタビュー

⑤選手を必要とするインタビュー系。①〜④は最悪テレビの前でもできてしまう作業だ。しかし、選手や関係者の言葉を交えて記事を書く場合は、現場に行き、取材の許可をもらいインタビューをする必要がある。
そこまでのハードルが高いが、ただコメントをそのまま掲載する場合は、聞くことができればあとは簡単な場合もある。とはいえ、コメントを交えて分析記事を書く場合は④の技術と聞いたコメントを交えてさらに詳しく説明する必要があるため難易度が高くなる。
それ以外で一番頭を抱えるところを紹介する。インタビューする時は記事の方針をなんとなく決めてからそれについて書くが、選手が質問の意図を汲み取ってくれなかったり、そもそも秘密で言ってもらえなかったり、結局聞きたいことが聞けていない時は記事の方向性を変える必要が出てくる。また、記事を書き進めると自分の思った方向性で書けず、コメントを活かしきれなかった時は最悪の結果(没or掲載してコメントで叩かれる)が待ち受けているだろうw

仕事内容4:番外編 物書き以外の作業

⑥写真撮影。これはライターにもよるが、文章も書き、写真も撮るという方法だ。記事は基本的にキャッチの画像が必要となるが、一般的に専属のカメラマンが撮ったものやチームなどがメディア専用に提供してくれる写真を使う。
しかし、写真も自分で撮るとなるとその記事のすべてがオリジナルとなるため写真撮影も兼任すると便利だ。わざわざ1枚の写真のためにお金を払って買うなら撮ってしまった方が楽かもしれない。とはいえ、記事はタイトルとキャッチ画像でクリックされるかが決まるので、素人が撮影した写真ではいけないので写真撮影の技量も時間をかけてしっかり磨く必要がある。あと、一眼を買う資金があるかどうかも重要です。

⑦そもそも他のライターに依頼しちゃうという…。ウェブサイトの中の人も兼任するライターという条件だが、自分で担当しなくてもよいと思うものはお金を払って書いてもらう方が良い。もちろんお金は発生するが、それ以上にアクセスが稼げるものは、依頼して掲載するだけでプラスになるのでお得となる。

まとめ

スポーツジャーナリストの仕事内容をざっくり7つ紹介したが、いかがだったでしょうか。
この仕事に携わっていない人は、ハードルが高いしよくある1000字以上の記事なんて書ける気がしないと思うことだろう。
しかし、ご安心を。あなたが詳しく情報を調べた時に見る記事は難しいかもしれませんが、Yahoo!ニュースのトップに載っている記事、LINEニュースのランキングに上がっている記事はTwitterと同じくらいの文字数ではないですか?
現代はいかに簡単な手段や短い時間で情報を得られるかということが好まれているため上記のノウハウは必要ないのかもしれません。
1記事で約20万アクセスを稼いだこともありますが、Twitterのインプレッションの方が多いことがザラにあります。
でも、しっかりと分析してタメになったり感動を与える記事を提供できた時にくるコメントは格別ですよ。

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