『ほんの一部スイカ~2口目~』 #毎週ショートショートnote
※先にこちらを読むとわかりやすいですよ~
部屋に戻ると、スイカを前に穂果がある物を振りかざしていた。
「人のギターを何だと思ってんだよ!」
「ちょうどいい鈍器」
「はァ?」
ふざけたことを抜かすコイツの頭を、ほんの一部スイカ割りしなかった俺を誰か褒めてほしい。
「包丁使えよ、危ねぇだろ」
「それならそうと早く教えてくれよ」
先にスイカ割り始めたのはそっちだろ!
やっすいスチールベッドに横並びに座り、ほぼ水になったバケツに片足ずつ突っ込んでスイカを噛る。
隣を見れば口の周りがスイカの汁でべとべとになっている穂果。
おい!人のタオルケットで手を拭くな!
シャクシャクシャク
ぽつりぽつりと交わす会話の合間にスイカを咀嚼する音が響く。
「見て!あごひげ!」
やけに静かだと思えば、あごに黒い種を貼りつけ、誇らしげに見せてきた。小学生かよ…
「あれ?恭太郎ホクロ増えた?」
スッと人指し指を伸ばして俺の頬を撫でながら笑う穂果に
「…人の顔に種つけんなよ」
一瞬ドキッとしたなんて絶対言わねぇ…!
(つづく)
2口目ですが、お口に合っていますでしょうか? 「その後の展開やいかに!」と言うほどでもないですが、続きはまた明日🙋
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