『ほんの一部スイカ~1口目~』 #毎週ショートショートnote
ボロアパートのドアが乱暴にノックされ、パンツ一丁で氷水を張ったバケツに足をつけて涼んでいた俺は手近にあったTシャツを頭から被る。
短パンに足を通しながらドアを開けると、そこに佇む、ほんの一部スイカ頭人。
「恭太郎。スイカ食べない?」
緑色の玉の奥からひょこっと顔を出したのは友人の穂果だ。
「どうしたんそれ」
「実家から届いたの。食べるの手伝って」
俺の返事も待たずにスイカを抱えて、ズカズカと部屋に上がる。
「ちょうどいいところに氷水あるじゃん!」
と勝手にバケツにスイカ押し込む。
「それさっきまで俺が足つけてたんだけど」
「気にしない、気にしない」
「ちっとは気にしろ!」
「器がちっさいヤツだなぁ」
俺とバケツに文句を言いながら穂果は少しだけ氷水に浸かったスイカをくるくると回す。
「しばらくしたら少しは冷えるかな?」
「さあ?俺、トイレ行ってくるわ」
「いってらー」
アホの相手をするのが面倒になった俺は一旦部屋を抜けて共用トイレに向かった。
(つづく)
昔、書いた作品を再利用してみようかと。
(すみません💦バタバタしておりまして🙏)
ちなみに、スイカ頭人は、笑い飯さんの鳥人から拝借いたしました🙇
つつぎはこちら🍉🙋✨
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