記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

心に響いた、ほんの言葉。

先日ご紹介した
西加奈子さんの『漁港の肉子ちゃん

の中で、特に印象に残っている言葉を書きとめたものが見つかったので、改めてお伝えしたいと思います🙋<ネタバレにはならないかと思いますが、先に原作を読みたい! 映画を観たい! 人はスルーして下さいね🙏💦)



 単行本が手元にないので当初の私が記したものを参考に書いていきますね💁阪神・淡路大震災の日に読み終わったのは偶然なんですが、だからこそ感慨深かったこともよく覚えています。(これでもだいぶ大きく書けるようになったのですが、昔から意識しないとすぐ字が小さくなるので書き起こしています🙏)


「生きてる限りはな、迷惑かけるんがん、
びびってちゃだめら。」

『漁港の肉子ちゃん』西加奈子
(幻冬舎)291ページより抜粋


東日本大震災そのものは、作品には盛り込まれていなかったと思うのですが、東北を舞台に書かれていることもあり、この方言がまた沁みるんですよね。

陳腐だけれど、どんな環境にいても、どんな立場の人でも誰にも迷惑をかけることをなく生きられる人っていないと思うんです。

少なくとも、産まれるまでお母さんのお腹で育ってきたのは人類みな共通のはずなので。

その先の、実の親と性格が合う・合わない、苦労する・しないは人それぞれで実際に肉子ちゃんの娘は母親に振り回されています……(ただネットで検索すると、そういう面だけがネタバレとして書かれているのが残念にも感じます😢)

でもそんなお母さんの元で育ったしっかり者の子に向けられた言葉なんですよね。

これは個人的な考えで規模が全く違うので、人によっては不快に感じられるかもしれないけれど、親も被災も自分の意思では選べないという意味では同じなのかもしれません。

それと同じで、どうがんばっても誰かに迷惑をかけることは誰にでもあって、どうしたって避けられないこともあって……(この言葉を借りて言うなら“生きてる限りは”ですね)

だからこそ「これをしたら迷惑をかけるのでは?」と、先のことを考えて恐れるよりも、まず一歩でも前に進め、一回でもチャレンジしてみろ、という力強さに背中を押してもらったような気持ちに私はなったんだも思います。

 もう一文。ページ数からして続きなのかもしれないですね🤔


「生きてる限り、恥かくんら、怖がっちゃなんねぇ。子供らしくせぇ、とは言わね。子供らしさなんて、大人がこしらえた幻想らすけな。みんな、それぞれでいればいいんらて。ただな、それの同じように、ちゃんとした大人なんてのも、いねんら。だすけ、おめさんが、いっくら頑張っていい大人になろうとしても、つれえ思いやしょーしい思いは、絶対ぜってぇに、絶対に、することになる。それは避けられんねぇって。だすけの。そのときのために、備えておくんだ。子供のうちに、いーっぺ恥かいて、迷惑かけて、怒られたり、いちいち傷ついたりして、そんでまた、生きてくんらて。」

『漁港の肉子ちゃん』西加奈子
(幻冬舎)292ページより抜粋


ここではもう、おいおい泣きました😭😭

子ども時代に「大人になれば、こんな理不尽なことから逃げられるのに!」考えたことがある人には、グサグサ刺さるかと思います。

この言葉が心に響いたのは、子ども相手にも対等に向き合いながら

「大人になったからといって何かが大きく変わることはない。だからこそ、子どものうちにたくさん失敗を重ね、時には傷つくこともあるかもしれないけれど、その経験を積み重ねて、強く生きていくしかないんだ」

と感じたからかもしれません。

私は昔から、無邪気な面とやたら冷めた面があって自分の中でのギャップ、大人からの評価と自己評価の差に悩んでいたんですよね。


いい子に見せかけて、実はやんちゃガール
要領が良さそうに見えて、本当は不器用
真面目そうで、ボケまくりの変顔しまくり
用心深いようで、見切り発車のこと多し
大人しそうで、新しい環境に飛び込みたがる


などなど、大人に勝手につけられたレッテルに無理に合わそうとしたことも数知れず……
(母だけは全部お見通しみたいで、わかってるなら直しぃや! と言われてきたけども😂)

だから、“子供らしさなんて大人がこしらえた幻想”という部分に心が軽くなったんですよね。


といっても十年以上前の私と今の私でも変わらない部分、変わった部分がたくさんあるとも思うので、また読み返してみたら全然違う言葉が琴線を触れられるかもしれません🤭(映画版を見てから再読するか、悩むところだけども!)


 ってなわけで今週もお疲れさまでした!!
お仕事がある人も無理なさらぬよう。ほな!

最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。よろしければ、サポートいただけますと大変うれしいです。いただいたサポートは今後の創作活動に使わせていただきます!