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「よそはよそ、うちはうち」でもええやん


「よそはよそ、うちはうち!」


 きっと誰もが人生で一度は言われたことがある、この言葉。

人によっては「だって、みんなが……」と応えた日にゃ「みんなって誰? 名前あげてみぃ!」と追及されたこともあるかもしれません。(え、もしかして、うちだけ?!?)

でも大人になってみると「この言葉って意外といい言葉なのかも?」と少しずつ思えるようになってきました。(なんとな~くね!)

 ちょこちょことお伝えしているので、もうご存知の方もいるかもしれませんが

私は「不随意運動運動症」という病気で毎日10時間近く両上下肢のふるえが止まらず、ふるえが起きる時間にもよりますが、最近は
歩くことも、立っていることも、座ることも
難しくなってきています
。(ひどい時には、目が開かないことも、声が出ないことも…)


進行性の病気かも不明で、現時点では特効薬もないため、医師の診断書には

「治る見込み無・悪くなる見込み有」

という絶望的な文言が書かれていたほど。
(ただ一番悪い状態で申告することで受けられる福祉サービスの限度が大きく変わるから主治医の優しさだと私は受け止めています)

実際、外出はおろか家の中での食事・排泄・入浴といった日常的なことでさえ、人の手を借りないと、ままらないことも少なくないです。(貞子バリの四つ這い移動&毎日が産まれたての子ヤギ状態。)


その一方で、同世代の友達や元同僚、親戚は
家庭を持ち、子どもを授かっていたり、仕事では中核を担う存在になっていたり……と着々とライフステージを上っていってます


そういった話を聞いて
おめでとう! よかったね! やったね!
という気持ちが全くないわけではないけれど

心のどこかで
これから私はそんな経験できるのかな……
と悔しくて、切なくて、やりきれない気持ちが沸き起こるのも事実です。

だって今の私は、毎日を怪我なく、事故なく
無事に生きているだけで精一杯
だから……
(自力で息してるだけで💮レベル)


そんな時にこそ、幼少期には理不尽にしか思えなかった、あの耳タコ🐙フレーズを唱えてみるのです。

「よそはよそ、うちはうち!」


この言葉に即効性があるかというと、素直に受け止められない日もきっとあると思います。いやむしろ、受け止められないことの方がきっと多いでしょう。(だってそう簡単に解決できたら、そもそも悩まないもん!!

でも、いつまでも誰かと比べて、ヘコんで、引きずるくらいなら、いっそ開き直ることで楽になることもなくもないかもしれない。(言い方まわりくど!)

ほら、コブクロと絢香さんも歌ってるやん。

(ごめん、こっちは曲がりくねった道の話やったわ……)


いつだって隣の芝生は青く見えるものです。

でもそれだって、遠くから見るから気づかないだけで、もしかしたら精巧に造られた芝生もどきかもしれません。

今は青い芝生がもてはやされる時代なだけで、いつか赤い芝生や黄色い芝生が主流になる日が来るかもしれません。(カラフルな芝生もありかも! でも目に痛そう……!)(そして、なぜか思い浮かぶ志茂田景樹さんとC-C-B……それ髪色な!)

外国人が日本に来ると少数派ですが
日本人が外国に行けば、少数派になります。

環境が変われば、立場が逆転することだって誰にでも起こり得ることです。

私の方が病気の重症度は高いけど、家族と比べると薬の数はどっこいどっこい、むしろ父と母の方が多いくらいです。(ちゃんと忘れずに薬飲んで治るものは治して~!)


 私自身に誇れるところはあまりないですが私は本当に周りの人に恵まれています。それだけは唯一の自慢と言ってもいいくらい!

喧嘩や八つ当たりしてしまうこともあるけれど、医師よりも早く病名を突き止め、病気を理解してくれ、今の私にも出来そうな仕事や住めそうなグループホームを探偵並みに調べてくれる母。(リハビリのプロやからな)

病気を理解してくれてるのかは怪しいけれど、救急車騒動になった時には飲み会を抜けて駆けつけ、勝手に暴れまわる私の手をずっと握ってくれ、実家をバリアフリーにリフォームしたる! 病院まで車飛ばしたる! と張り切っている父。(建築のプロやからな)


病気になったからこそ、出逢えた人もたっっくさんいます。

相談支援員さん、ヘルパーさん、訪問看護の看護師さん、就労移行支援で出逢ったスタッフさんや困り事を打ち明けられるメンバーさん、全く仕事が決まらず不採用続きの私を励ましてくれ、細かな情報まで調べて教えて下さる障がい者枠のハローワークの職員さん、職業訓練学校で出逢った優しくて憧れのお姉さん、車椅子用にスロープを設置してくれる駅員さんや、ボランティアの方々、たまたま公共交通機関で居合わせた親切な方々


とにかく仕事が速くて、この薬はちょっと…と相談すると臨機応変に対応して下さる主治医や、いつも親切な看護師さん、「体調いかがですか?」と聞いて下さったり、「しんどいですね」と優しい言葉をかけて下さったりする薬剤師さん……

見学を受け入れてくれ丁寧に説明してくれ、車椅子の試乗とレンタルに応じて下さった地域包括支援センターの職員さん……

家族だから、仕事だから、優しくて当たり前なんてことはないんです。(あれ、なんで泣いてんだろ、私……)

人様のお世話になってばかりで、社会に何の貢献も出来なくて、いつ見捨てられてもおかしくないような社会的弱者の私を排除しないで、受け入れてくれるだけで、ものすんごくありがたいことなんです。

「よそはよそ、うちはうち!」


精神で、同年代の人はまだ経験していないようなことを私は先駆者として道を開拓している途中です。

だから、今後身近な人が私と同じような立場になった時に、どこに助けを求めればいいのか、どんな支援を整えればいいのか、困り果てていたら私が持っている情報を伝えたり、

病状や痛みで心が折れそうな人に、そっと寄り添ったり、話を聞いたり、励ましたり、

一瞬でもいいからつらさを忘れられるような愉快なコンテンツを提供したり

日常的な自助具で「こんなものがあったら便利だろうな~」といったアイデアを当事者目線でどんどん打ち出して、試作品を自ら製作したりしていきたいです!


身体は不自由でも

発想や妄想は自由だから!!


きっとそういったことを考えて実践することが私自身を救うことにつながるんだろうな、とも思うのです。

「よその子はみんな持ってるものを
 私だけひとつも持ってない😭😭」


と、“今の自分にないもの”ばかりを比べるんじゃなくて

「あの子が持ってないものを
  私はいっぱい持ってるもん✊!」


「同世代の人がまだ経験していないようなことを、私は沢山経験してるんだぜ😏」


と、“今の自分にあるもの”をもっと誇ってみてもいいんじゃないかな? と気持ちを切り替えることにしました。(具体的なモノだけじゃなく知識や経験も立派な自分の財産だよ!


そして、いつか

「うち」で経験してきたことを
「よそ」に教え合えたら
 いいんじゃないかな? 


とも考えています。(何事も押し付けすぎは要注意だけどね! 全ての思想を否定するつもりはないけれど、弱者を鴨にするようなことはしたくないので……)

うーん……
私の思いはちゃんと伝わったんだろうか……

「よそ」=「うち」
である必要はないけれど

「よそ」↔️「うち」
って感じのイメージです。

隣の芝生が青くて羨ましいなら
うちの田んぼの稲穂を見せつけたれぃ!


という田舎風味盛り盛りでしめくくりたいと思います。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました🤗💕



田植え体験で植え過ぎた過去を持つ
一休さんより

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