冒険譚 『洞窟の奥はお子様ランチ』 #毎週ショートショートnote【第一陣】
「隊長、今夜は狙い目ですね」
「そう慌てるな」
と隊員を窘めながらも、私自身も逸る気持ちは抑えられない。しかし、ここで取り乱してはならない。このミッションが無事に遂行できなければ、全てが水の泡になる恐れもあるからだ。
我々は天辺が赤い炎の如く染められた黄色い山の麓近くで待機する。
「今日はまた一段と立派ですね」
「うむ。これは二組に分けた方がいいかもしれんな」
私は六人の隊員を三人ずつに分け、自分は指揮官として残ることにした。
敵は銀色のシャベルのようなもので山を切り崩そうとしているため、その裏から回り込めと第一陣に指示する。
黄色いヘルメットを被った隊員達は素早く山の裏側に向かい、敵に見つからないようにシャベルで山を崩し、片手に持ったバケツへと移していく。中から熱気と赤い溶岩のようなものが見え、待機している側も思わず唾を呑む。頼む、見つからないでくれ…
「あら、悟くん…」
私はその声を合図に第一陣にすぐ戻るよう、召集をかけた。
(なんとなーく察してる方もいるかもしれませんが、後半へつづく!>🙋
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