心にロマンの花が咲く映画3選(花作品:フラワーアート)
1.ロマンを感じる映画&フラワーアート
「年も明け、はや1ヵ月……」
心新たに、時の風に流されながらも
これから訪れる運を味方に、
力強く進んでいきたい!と、願う。
でも、その想いは、油断すると
あたりまえの日常の中へと風化していく。
せめて、ホットなうちに、
深く胸に刻んでおきたい!
今回は、そんな時に観たくなる映画を
選んでみました。
といっても、
「タイタニック」のように号泣するでもない
どちらかというと、ロマン(夢や希望)を感じる
明るく、心晴れやかになるような作品を。
そして、
映画の中で印象に残ったシーン、言葉をイメージした
「フラワーアート」をお届けします!
(生花で制作)
好きな作品ということもあり、「談話」スタイルで、
もっとオシャレに言うなら、「Movie Café」のように
自由に語っています。
あくまで個人的な感想ですので、ご了承ください。
2.はじまりのうた<ネタバレ注意>
タイトルどおり、歌がテーマの作品 ※原題は「Begin Again」
歌(音楽)をきっかけに人が出会い、つながり、別れ……と
ストーリーが展開していく。
各シーン合間には、心の内を語るような歌が挿入され、
歌づくし!の音楽映画でもある。
ストーリーは、
恋人の浮気で悲しむグレタを励まそうとする
友人の計らいで、ライブハウス檀上で歌うシーンから始まる。
そこで、たまたま居合わせた音楽プロデューサー
ダンの目に留まり、運命が動きだす。
ダンはクビを宣告され、酔いつぶれながらも、
余程、グレタの歌を気に入ったのか、アルバム製作の話をもちかけ、
メンバーを募り、NYの街のあちこちでレコーディングをしていく。
そう、この作品は
どん底から新たなスタートを切る二人の姿を描いた
ヒューマンストーリー。
人と人が音楽でつながり、それぞれの関係が
微笑ましく、同時並行的に描かれる。
ちょっとカオスのような印象も。
その中で、音楽と重なりあうように、見えない心と心が奏であう。
歌で出会ったグレタとダンは、同じ目標に向かっていく。
一方で、それぞれに信念があり、それゆえに周囲とすれ違い、
上手くいかない、そんな現実も。
特に、グレタと恋人との関係は、スムーズにいかない。
恋人が手掛けた曲が、映画の挿入歌に採用されたことで、
レーベルのあるNYに越してきた二人。
でも、自分のために曲を作っているというグレタはあくまでサポート役。
LAから戻った彼の新曲を聴くシーンでは、
グレタは、その歌(歌詞)だけで浮気を察してしまう。
皮肉にも、二人をつなげた歌が、二人の芯(真)のベクトルを突きつけ、
グレタは友人に泣きつくことに。
ダンも、仕事のパートナー、離婚した妻や娘と色々あったり、
様々な人間模様の中で、ストーリーは展開していく。
それでも、この映画は、
明るくユーモアにあふれていて、どこか初々しい。
それは音楽だけでなく、キャストの力もあると思う。
本物の歌手、Maroon5のアダム・レーヴィンが映画に初出演。
グレタ役、キーラ・ナイトレイの笑顔とハツラツな演技。
何と言っても、
ダン役のマーク・ラファロの味のある演技に、惹きつけられる。
元は輝かしい栄華を誇るプロデューサーの貫禄、
今はみずぼらしく落ちぶれた浮浪者のよう、
その両面が、全身から伝わってくるところが凄い!
特に印象的なのは、
グレタとダンが、お互いのプレイリストを聞きながら、
イヤホンとヘッドホンで、恋人同士のように街中を歩くシーン。
夜のベンチで二人語らう場面も、キラキラしている。
ダンが、音楽を愛する気持ちを語る言葉は、
まるで子供のように初々しい。
(ここでは、すべてを開示するのは控えます)
音楽とユーモアと、ハートフルな映像に包まれながら、
人と人とのつながりの中で、
それぞれの心模様が、歌のように静かに流れている。
グレタも恋人も、相手への感情(気持ち)はあっただろう。
ただ、心の中で何かがすれ違っていた。
(さまざまな捉え方ができる寛容な作品なのですが)
個人的には、個々の捉えどころない価値観について、
シビアな現実も見え隠れ、さりげなく描かれているように思う。
そのかわり、ラストはサラッとして、
鑑賞者の視点にすべてを委ねるような、温かな結末。
明日は明日の風が吹く ケセラセラ きっと人の心も……
そんな風に、心に軽やかなメロディーが流れるような
爽やかな気分に☘
3.プラダを着た悪魔<ネタバレ注意>
この映画のイメージは、
舞台が華やかなファッション業界だけに
ファッショナブルでお洒落!
そう感じる人が多いかもしれない。
何と言ってもキャストが凄い!
主演はアン・ハサウェイ
上司のミランダ役にはメリルストリープ
二大巨頭が率いる映画なのだから。
時代を遡れば、
そんな大女優を看板にした映画は乙女心を捉える。
オードリー・ヘップバーンの「ローマの休日」~
ジュリア・ロバーツ「プリティーウーマン」~
レネー・ゼルウィガー「ブリジット・ジョーンズの日記」
ほとんどの作品テーマがロマンス。
でも、この映画はひと味違う。
大学卒業後、ジャーナリストを目指すアンドレアが
厳しい社会の中で、
夢に向かって奮闘する「キャリア」がテーマ。
何百万人もの女性の憧れ、NYファッション雑誌「ランウェイ」の
アシスタントに採用されるアンドレア。
でも、実際の仕事は、悪魔のようなミランダの要求に振り回され、
夢とは程遠い、奴隷のような日々を送る。
だから、激しい競争社会で奮闘する戦士たちなら、
性別関係なく共感できるのではないかと思う。
なんといっても、ミランダの冷酷な?あのセリフを聞いたら
背筋が凍るけど、シャキッと前を向かずにはいられない。
それに、ストーリーは、ちょっと大げさでユーモラスだけど、
とてもリアルでもある。
職場で出会う上司や同僚、仕事でぶつかる壁……と、
あるあるな出来事が散りばめられている。
アンドレアは、新人特有の怖いもの知らずの大物ぶりを発揮し、
やる気をみせるも、ジャーナリストへの足掛かりの仕事だからと、
その世界に染まらず、ファッションにも興味なし。
だから服装を同僚にからかわれ、どこか外れ者。
そう、社会の厳しさを甘く見ていた。
(身に覚えが…)
必死にくらいついても、
なかなか認めてくれないミランダに理不尽だと嘆く。
それでも、アートディレクターの力を借りて、
一流ファッションに身を包み、壁を乗り切ろうと奮闘する。
(あるある…)
憧れの仕事のためのチャンスと、
次第にその煌びやかな世界に楽しさを見出していくのだが、
夢への信念とは裏腹に、順調にいくほど、
空回りしていることに気づけなくなる。
そしてその違和感を否定して、
逆に本当の自分を見失い、流され、飲まれていく。
心と体がちぐはぐなままに。
(はい、これも…)
恋人との関係は悪化していく。
憧れのライターに巡りあう幸運も、
幾度とない甘い誘惑に口説かれそうになる。
ミランダからようやく認められたかと思えば、
パリコレクションへの同行は、あなたを連れて行くと言われ、
(第一アシスタントのエミリーが人生をかけていた仕事)
人間関係の亀裂に悩まされる。
(うっ、苦しい…)
もう限界! とうとうその違和感に、目覚めるときがくる
もうこれ以上進めないという心のブレーキがかかる日が…
そう、あのミランダの流し目と、留めの一言で
ハッとする
「You choose!」
あなたが(それを)選んだのよ
アンドレアがある疑問を投げかけたとき、
(その前後のセリフ含め)ものすごく含蓄を感じる言葉が放たれる。
何か自分が言われたようで怖い
(局さまに叱られ、奮闘していた日が蘇る…)
そして、この映画が秀逸と思うことは、これだけではない。
ミランダのキャラクターには、
悪魔的ダークな側面だけでなく、
(天使ではないが)光があてられていること。
人間らしさ、有能さとかっこよさも、同時に描かれている。
一刀両断、分かりやすいキャラクター。
これが陰湿な人だったら、だいぶ映画の印象が変わっていただろう。
ロマンスだって忘れてない
ところどころに、(恋人に、色男にと)お洒落に挿入されている。
特に、夜道に立つ、ファッショナブルに変身したミランダを、
恋人が振り返るシーン。
アンドレアの「見返したでしょ!」っていう、
ワンシーンが素敵すぎる。
そう、とっても爽やかに、カタルシスを感じられる。
心が解き放たれ、前向きな気持ちになる。
(個人的には)何度見ても飽きることがない。
4. ショーシャンクに空に<ネタバレ注意>
この映画、希望がテーマでも、舞台は薄暗い刑務所。
作業着 or 硬い制服を着た男たちの労働、
そして、容赦ない懲罰が延々と続く。
女性がでてくるのは、囚人達が楽しむポスター写真とスクリーンくらい。
冒頭から、暗い鼠色の風景と、決して綺麗でない事柄と、
汚職にまみれた卑劣なシーンが描かれている。
それでも、一番好きな映画は?と聞かれたら、
この作品が浮かぶのはなぜだろう。
キャスト皆が皆、はまり役すぎて驚く。
当然だと思うかもしれないが、あまりにリアルで怖くなる。
それだけの名演技が映画を支えていることが分かる。
でも、その理由だけではない。
ストーリーやセリフに、ジンジンと心打たれるから。
主人公のアンディは、妻と愛人を射殺した罪で終身刑となり、
無実を訴えるも、ショーシャンク刑務所へ送還される。
ノートン所長は、私は聖書と規律を愛していると、
新人の囚人たちに高らかに語るも、
所内は、執拗で卑劣な懲罰、囚人から強姦なども絶えず、
地獄のような日々を耐え続けることに。
シーンの合間で流れる、古株の囚人レッドの言葉(ナレーション)
厳しい監視に為す術もない奴隷生活の出口は見えない。
だからといって、娑婆に出ても適応できず、もっと惨めで絶望的。
廃人のように生きるしかないという、囚人目線で語られる。
ある日、アンディはレッドにロックハンマーを注文。
囚人仲間たちとも、徐々に交友を深めていく。
映画は音楽、キャストの演技、映像などがトータルに奏であってほしい。
ストーリーだけなら、本でもいいと思ってしまう。
特に映像や音楽を楽しみたい方だから……。
もちろん、この作品も十二分に奏であっていて惹きつけられる。
でも、映像はドキュメンタリーのように、飾り気がない。
目をそむけたくなるシーンもある。
それなのに
総合的に「美しい」とまで感じてしまう不思議。
なぜそう思うか?
人生につながる壮大なテーマということもある。
希望、そして裏側の不条理も同時に、リアルに語られている。
永遠と続く出口のない地獄から這いあがり、
光へと導くような奇跡のようなストーリーだから?
確かにアンディはヒーローのよう。
元銀行員としての手腕を買われて、経理に抜擢。
刑務官の税務処理などを代行するようにもなる。
様々な知恵で刑務官や囚人仲間の力になり、
尊敬されるようになった矢先、アンディは独房から忽然と消えてしまう。
(壁に貼ったポスターの裏には、大きな穴が…。)
でも、それだけではない。
絶望的な環境と、重みのある壮大なメッセージ。
それに対比するように、
浮き彫りになる美しく輝く光のコントラストがある。
それは、一瞬のラストの映像に限らない。
アンディーが粘り強く手紙で交渉したことで、
ある日、州議会から寄付金と古書が届く。
その箱に入っていた「フィガロの結婚」のレコードを
許可なく所内に流してしまうシーン。
懲罰を恐れず、それを断行したアンディの姿、
そして、初めて聞く音楽の調べは、
囚人たちの心に、どれだけ美しい輝きをもたらしたことか。
きっとそれは、私たちが日常で聴くそれとは、
比べものにならないほどだったことだろう。
そして普段、語られず、気づかずに、
忘れているのかもしれない。
哲学のような重みがあるメッセージは、涙さえ超える。
アンディが希望について語ると、
レッドはすかさず言い返す。
「希望は、ここでは危険だ!」と。
それでも、アンディは闇からの道筋、光を目指して、
「2つの選択しかない……」と言う。
(この2つについて、ここでの開示は控えます)
その答えは、そのまま、娑婆に出たレッドに投げかけられる。
そして、私たちにも。
汚くて避けたい……。美しくて眩しい……。
色々な意味で、眼をそむけたくなるそれは、
押し隠され、風化していく。
でも、それこそがリアル(真実)だとしたら。
そして、普段見ていたいあたりまえの世界が、幻想だったらと。
人間らしさとは、人生とは……。
この映画は最後まで、ありがたいほどに、それを静かに問いかける。
多くは鼠色の世界を見せながら、
わずかなすき間に、光を放つように、真のテーマを伝える。
鼠色の汚れた世界を見続けた後のラストの映像で、
眩い輝きの後味を残して。
それが、じわじわ、
心に刻まれ、沁みこんでいく。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
以上、「Calla's Movie Cafe」をお届けしました。
ぜひ、フラワーアートとともに
心に花を咲かせて☘ 一年のスタートを。
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