見出し画像

nope。立場の高低差。見ることの加害性。【映画新作rie】

夏にコロナウィルスに罹患しまして。その後ひといきついたタイミングで、評判がいいようなので、これを観に映画館へ。ちょっと前の話ですが。更新が途絶えていたので、リハビリがてら今回はnopeの覚書です。

IMAX推奨作なのは知りつつ、こちら熊本には ないため通常の映画館で。出来るだけ前の方の席に座るなど笑 出来ることはしたのですが。正直あまり のれないまま終わってしまった。環境のせいなのか、映画と私の相性だったのか。の割に、爪痕だけはしっかり残る映画。


見ることの加害性。

見下されている者も、時に他のなにかを見下し、意図せず加害しているという構図、歴史。それについて余韻を引きずっています。…チンパンジーのエピソードはアメリカでは有名な実話とのこと。(チンパンジーのトラビス事件)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%B9_(%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%BC)

立場の高低差、視線の高低差。
差別する、されるをどう乗り越えようかについて米国の作品は自覚的だと、いつもながら思わされる。

差別なんて表面上ない とされてきた日本(と私は思ってる)だと、映画でもテレビでも個人でも、私含め 差別に関するアンテナ、自覚がまだまだ薄く、様々な問題の温床に 無意識に加担しているのを感じる。

こればかりは、日々思い込みを外して、少しずつ目覚めて行くしかないなと思うし、「私は見えてるつもりでいるけど、実は見えていないのかもしれない」という、ある種の謙虚さが必要だとも思う。

などなど、前半のエピソードは 自分の行いを振り返ったり。共感する部分もかなり多かったけど。焦らしがちょっと長いわー。と思っていたらそのままラストに突入した感が個人的にはあった。映画のスピード感、テンポ感にチューニングが合わないまま終わり消化不良だった。

余談ですが気になったのは 冒頭に出てくる 主人公のお父さん役の俳優。ゼイリブで主人公の相棒やってた人に似ている。見る見ない。高低差。テーマ的にもつながる気が。知ってる人いたら教えてほしい!


調べ付きました。とりあえずビンゴ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%89


キース・デイヴィッド

ちなみに映画の冒頭に出てきた引用、旧約聖書ナホム書 第3章 6節を家に帰ってから調べる↓

3:5 見よ。わたしはあなたに立ち向かう。・・万軍の主の御告げ。・・わたしはあなたのすそを顔の上までまくり上げ、あなたの裸を諸国の民に見せ、あなたの恥を諸王国に見せる。3:6 わたしはあなたに汚物をかけ、あなたをはずかしめ、あなたを見せものとする。
http://www.logos-ministries.org/old_b/nah1-3.html

 訳:売春婦が、公衆の面前で自分の裸を露にしなければいけない辱めを受けています。これは当時の中東の女性にとっては、もっとも卑しめる方法でした。このようにアッシリヤがなるのだという説明です。しかも、彼女は汚物をかけられています。

http://www.logos-ministries.org/old_b/nah1-3.html

だとか。自分用に覚書。
チンパンジートラヴィスのエピソードにそのまま重なる。

"一方的に見られる側の気持ち"を想像したことがあるか?"見る側の優越感、特権"を自覚したことがあるか?という問い。男と女。有色人種と白人。カメラマンと被写体。人間と動物。などとても2022的テーマ。

ちなみに昨日は1980年の映画ハウリングを見たのですが、見ることの加害性・暴力性という意味で、ストーリーの展開こそ違えど似た視点を感じた。

切り口がホラーであり、カメラの前に立たされる者の心理的なストレス、という点も。こちらは主人公が女性なのもあるし、シャープな切り口と手際の良さ。テンポ感。特撮の高揚感など、チューニングが ぴたっと合って最後は泣いた。なんだかんだ100分くらいの映画が ちょうどいいみたい。


音楽はとても良かった。
最近の映画音楽は"みんなマーベルみたい"と感じることが多く、大作は雑に言えば全部同じ風に聞こえてしまう。映画館で予告を見ていても音楽は似たり寄ったりで かつ音量だけは爆音で、私には重い。胃もたれしてしまう。

けれどNOPEはジョーズだったりヒッチコックだったりを思わせる、クラシカルなサウンドトラックで好感。とかなんとか色々思った映画。

こんだけ余韻をひきずるのだから、なんだかんだいい映画だったのかな笑。

寒くなってみたり、暑くなってみたり。身体が追いつかない気候で、毎日ひいひい言いながらやり過ごしてます。みなさんも、どうにか お過ごしください。

謝謝

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?