【後編】あらゆるモノゴトを図解して整理する思考法『ダイアグラム思考』
髙野雄一です。
あらゆるモノゴトを図解して整理する思考法『ダイアグラム思考』について前編・後編の全2編でまとめてみました。
今回は【後編】となります。
まだ前編を読んでいない方は『ダイアグラム思考』の基礎を習得することができますのでこちらをご参照下さい。
【前編】あらゆるモノゴトを図解して整理する思考法『ダイアグラム思考』
書籍『ダイアグラム思考』
「ダイアグラム思考」が書籍になりました!
noteの前編・後編には書けなかったダイアグラムの魅力を幅広くかつ、濃密に232ページで描き切っています。さらに150を超える挿入図で徹底した理解のサポートをしています。
2024年3月、重版が決定しました!!
後編では実際に各フレームワークに沿って図を描きながら『ダイアグラム思考』を体感していきます。
事例も交えながら思考法を身に着けていきましょう。まずはおさらいから、ビジュアルカテゴリの一覧はこちらです。
第4章.各図解パターンの特長と使い方
分類:マトリクス図
マトリクス図は2つ以上のものを「分類」したいときに使うフレームワークです。情報を縦横の2次元を活用して配置する、いわゆる表です。マトリクス図は次の通り3STEPで描くことができます。
では次の例題を「マトリクス図」で図解してみます。
マトリクス図は7つの図解フレームワークの中で最も汎用性が高いフレームです。覚えておけば必ず役立ちます。
比較:2軸図
2軸図は2つの評価軸で直感的に「比較」したいときに使うフレームワークです。「高⇔低」「増⇔減」などの反対語など見つけたら図解のチャンス。2軸図は次の通り3STEPで描くことができます。
では次の例題を「2軸図」で図解してみます。
2軸図は素早くお手軽にモノゴトを俯瞰できるフレームです。比較はもちろん、意思決定にも役立ちます。
相関:モデル図
モデル図はステークホルダーの関係性やモノの交渉などの「相関」を図解したいときに使うフレームワークです。ビジネスモデルなど図解する際に最適です。モデル図は次の通り3STEPで描くことができます。
では次の例題を「モデル図」で図解してみます。
複雑なお金の流れや人間関係、システム構成などをシンプルにすることができるフレームがモデル図です。
推移:プロセス図
プロセス図は時系列の変化や順番といった「推移」を図解したいときに使うフレームワークです。「時間」「順番」「フロー」などがあれば図解のチャンスです。プロセス図は次の通り3STEPで描くことができます。
では次の例題を「プロセス図」で図解してみます。
プロセス図は他の図解フレームワークと組み合わせても使いやすいです。例えば「プロセス図×マトリクス図」や「プロセス図×ツリー図」などの組み合わせがあります。
階層:ピラミッド図
ピラミッド図は抽象度や組織の規模、レベルアップなどの「階層」を図解したいときに使うフレームワークです。能力・技術・技量・知識・等級などのレベルアップ図解する際に最適です。ピラミッド図は次の通り3STEPで描くことができます。
では次の例題を「ピラミッド図」で図解してみます。
ピラミッド図はビジュアルのインパクトが大きいフレームです。積極的にプレゼン資料に組み込みたい図解です。
構造:ツリー図
ツリー図は個々の要素が集まってできている「構造」のフレームワークです。要素と全体像を同時に把握しつつ、要素を抜け漏れなく揃えたいときはチャンスです。ツリー図は次の通り3STEPで描くことができます。
では次の例題を「ツリー図」で図解してみます。
ツリー図は論理思考を整理するために役立ちます。ロジカルシンキングとセットで図解することで『Diagram Thinking』の効果が最大化されます。
範囲:ベン図
ベン図は異なるモノゴトや集団の共通点など「範囲」を図解したいときのフレームワークです。複数条件の重なりやグループに関係する情報はベン図の図解チャンス。ベン図は次の通り3STEPで描くことができます。
では次の例題を「ベン図」で図解してみます。
「なんとなくわかるけど説明できない」ことが多いのが範囲に関する情報です。ベン図は的確に相手に伝えやすく図解してくれるフレームです。
第4章のまとめ
さて、第4章では図解フレームワークについて以下の3点を説明しました。
図解フレームワークは7種類あること
図解したい情報とメッセージによってフレームワークを使い分けること
フレームワークを使えば3つのSTEPで図解を描けること
第5章.新聞記事図解
ここまで読んでいただいたあなたは既に『Diagram Thinking』を理解して使えるようになっているのではないでしょうか。ただし、ロジカルシンキング同様、『Diagram Thinking』もトレーニングを行うことで使いこなすことができるようになります。
なぜ新聞記事を図解するのか
新聞記事は一般的情報であることと、ほどよい情報量であることから図解トレーニングに適した教材であると言えます。さらに毎日新しいネタが供給されるので『Diagram Thinking』にぴったりのトレーニング方法です。
トレーニング例題
それでは早速図解していきましょう!
早速ですが、「山口県の産業維新」を取り扱った記事について、新聞記事図解をやっていきましょう。
まずはキーワード抽出から。5W1Hをベースとして、必要そうなキーワードを赤線で囲っていきます。
次にコアメッセージを策定していきます。この新聞記事が最も伝えたいメッセージは何なのか。一文にまとめていきます。
コアメッセージが策定できたら、次はクリスタライズです。抽出したキーワードからコアメッセージと関係が少ないキーワードに斜線を引いて、情報を研ぎ澄ましていきます。
情報がブラッシュアップされたら、ビジュアル化のSTEPに進みます。コアメッセージに”3つの重なり”というポイントが含まれているので、最もイメージに近い図解フレームワークは「範囲・・・ベン図」となります。
あとはベン図のフレームワークに抽出したキーワードを配置するだけで図解が完成します。もし、描いてみて違和感があればすぐに描きなしてみましょう。何回も描きなおして修正できるのが図解の強みです。
最後に目的の振り返りを行います。完成した図解を俯瞰して疑い深くチェックしましょう。そうすることで、以下のような疑問が浮かび上がります。
・産業維新の目標・予算・スケジュールはあるのか
・他県でも同様の取り組みをしているのか?
・3つの産業施策の具体例は?
『Diagram Thinking』のプロセスに従って一つずつ進めることで新聞記事を図解することができたのではないでしょうか。
人によって異なるビジュアルカテゴリ
ちなみに同じ情報でも伝えたいコアメッセージによっては選択する図解フレームワークが異なることもあります。
コアメッセージに「分類」が含まれると、選択すべき図解フレームワークは「分類=マトリクス図」となり、完成する図解が先ほどと大きく異なる場合があります。
このように図解に正しい正解は存在しません。あなたがどのような目的で、誰に、何を伝えたいのかによって、同じ情報元でも図解のカタチは異なってくるポイントがおもしろいです、
新聞記事は毎日様々なジャンルで更新されますので、できるだけたくさん図解にチャレンジしてみてください。
第6章.まとめ
あらゆるモノゴトを図解する思考法『ダイアグラム思考』についてご理解いただけましたでしょうか。最後に全体をまとめておきましょう。
ダイアグラム思考の定義
図形や文字を使って「モノゴトを多視点から構造化して可視化する思考法」
ダイアグラム思考5つのメリット
複雑なモノゴトを視覚的に整理できる
認識の齟齬を減らすことができる
言葉の定義を明確にすることができる
相手が勝手に情報を補完してくれる
検索効率を高めることができる
ダイアグラム思考のプロセス
7つのビジュアルカテゴリ
図解のチャンスはどこにでもある
最後まで読んでいただきありがとうございます。新聞記事のように身近なシーンに図解チャンスは転がっています。
会議の議事録、プレゼン資料、上司への相談メモ、、、『ダイアグラム思考』はトレーニングすることで強化することができる思考法です。あなたも毎日図解してみて「モノゴトを多視点から構造化して可視化できる」楽しさを味わってみてください。
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