サイボーグ双角

五十路のおぢさんです。カタギ会社員です。元SE、プログラマー。社会科学の学問を専攻する…

サイボーグ双角

五十路のおぢさんです。カタギ会社員です。元SE、プログラマー。社会科学の学問を専攻するも趣味はクルマやバイクなど内燃機関と機械が大好き。

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  • オトナの恋

    なんとなく、体験らしいことを脚色しまくりで書いています。でも事実ベース

  • 母からの昭和聞き語り

    母から聞いた昭和の話

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人は恋をする、何があっても #40

情事の実際の時間は長いのか短いのかよくわからない。自分にとってはずいぶん久しぶりだったので少しぎこちなかった、というか余裕がなかった。

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    • 人は恋をする、何があっても #39

      お風呂をでた。浴衣で夕涼みをしながら、氷を落としたワインをちびちび。饒舌でもなく、寡黙でもなく、普段みたいになんとはない会話が続く。非日常でくつろぐなんてハマるね。お金持ちがやりたがるわけだ。自分はお金持ちではないけれど。 「チカちゃん、そろそろ休まない?」 「礼ちゃん、ホントに休まないでしょ?」 「わかってるくせに。愚問ね」 「愚問でも聞くさ。ルビコンを超えるからね」 「この旅行に出た時にルビコンは超えたのよ。アハハ」 「アハハ、そうだ。キミの方が正しいね。休も

      • 人は恋をする、何があっても #38

        お風呂は露天風呂。お湯に入れば心地よい。彼女は向かい側にこっちを向いて入っていた。かけ湯をして体を洗って湯船に入る。彼女のむかいだ。 「チカちゃん、お風呂気持ちいいね」 「礼ちゃん、温度丁度いいよ。リラックスできそう。ワイン回り始めたけど」 「ほんのり赤くなってるわね」 「あまり君は赤くならないね。体質かな」 「そうかもしれない。でもあまりたくさん飲まなかったのよ。そっち行くから」 「オケ。ウェールカム!」 ふたりならんで湯船に入る。肩に手を回してみた。嫌がらな

        • 人は恋をする、何があっても #37

          夕食タイムがやってきた。お部屋ではなく個室に出向いて食べるのだ。二人で浴衣姿でリラックスして個室で創作懐石をいただく。あまり堅苦しく解析ではなく、なかなかユニークなつくりのお料理も多い。眺めて、味わって、とてもおいしかった。お酒はあらかじめ今日買ったワインを冷やしてもらっていたので美味しくいただけた。 食事も終わり、部屋に引き上げる。ほろ酔い気分が心地よい。 「一休みしてお風呂入ろう」 「そうね、今はいると一気に回っちゃうよね」 「お部屋のお風呂はありがたいね。とても

        人は恋をする、何があっても #40

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          人は恋をする、何があっても #36

          夕方、日もだいぶ傾いてきた。涼風もたち、いったん、部屋に戻ることにした。部屋は和室でかけ流しの温泉がついている。竹林と竹編みの壁で外界と隣の部屋を仕切っている。うっそうとしているわけではなく、上空が開けているから明るい。もちろん、2階はない。 「いい部屋のセレクトだね、礼ちゃんナイス!」 「チカちゃんなら気に入ってくれると思っていたの。よかったー」 「会社さぼって、よいね。罪悪感を覚えないくらい突き抜けてよいよ」 彼女は笑った。とてもリラックスしたいい顔だった。 「

          人は恋をする、何があっても #36

          人は恋をする、何があっても #35

          ワイナリーの屋上で手を繋いで黙って景色見てるなんてオヂサンには大変な心の変化が生まれた。もはや遊んでない。こいつは真剣勝負になった。思い込み、馬鹿といっても過言ではない舞い上がりぶりである。 お昼はなぜかロードサイドのファミレスで軽く食べて夜のごちそうに備えることになった。宿には3時過ぎに着いた。チェックインをして荷物を置くのもそこそこに、まずは別々に大浴場に行きひと風呂浴びてくる。あまりに人がいないから貸し切りの大浴場。しばし、ぼーっと湯船につかる。 大浴場を出て、浴衣

          人は恋をする、何があっても #35

          人は恋をする、何があっても #34

          筆者よりお詫び: 7月月初はあまりにも忙しくて更新できずすみません。話はこれから佳境です。 旅行に行く日がやってきた。彼女のとの集合場所は飛田給の駅。出かける方向付近まで彼女がクルマを出してくれたのだ。晴天の平日遅い時間の駅前はガランとしている。通る車も人もいない。待つことしばし。彼女の車はやってきた。少し型落ちのクラウンで高速警察隊みたいなシルバーメタリックだ。 「チカちゃん、ごめんね。遅れちゃったけど待った?」 「お迎えありがとう。車出してもらってるのに遅れたりす

          人は恋をする、何があっても #34

          人は恋をする、何があっても #33

           旅行に行くまでにはまだ少し間がある。その間にウチに新しいファミリー用の車が納車された。珍しい、新車だ。これにはワケがあり、好き者の自分は中古のフィアットに乗っていた。そう、FFになった今の500である。しかし、定員にはジジババ入れると一人足りないし、高齢の父母の病院送り迎えには不評であった。仕方がないので、国産のSUVハッチバックを購入したのだ。 たまたまその週、妻は息子を連れて里帰りしていて、1週間ほどいなかったので、納車されたばかりのクルマでナイトドライブに出ようと思

          人は恋をする、何があっても #33

          人は恋をする、何があっても #32

          さて、実行の日には何を口実にするか?これは意外と簡単であった。毎月、必ず出張するような仕事をしているから、「今度はXX行ってくるよ。帰りはYY日ね」で終了。ただし、一つだけ真実を混合する。バレにくいウソは真実を含むのだ。すべてが虚構のウソは必ず崩壊する。 というわけで、今回の出張先は「甲府」である。会社の小さい出先と顧客もあり、その意味ではいく可能性はある。ただし限りなくゼロに近い。なぜなら自分の会社といえどもよその部署に仕事にはいかないからね。 カレンダーに予定を書いて

          人は恋をする、何があっても #32

          人は恋をする、何があっても #31

          「チカちゃん、この宿、どう?」 「うわ、いい値段だね」 「2食付き、離れで露天風呂付きだよ。お得だと思うんだけどな」 「ナイス解説。それならリーズナブルだね。決定!ドンドン!!」 「やったー。すぐ決まってよかった。ここ行きたかったのよ、ここ糸柳別館。」 「日程は?」 「平日にしようよ。道も宿も空いてるよ?」 「オケ。出張をこしらえることになるね」 「そうそう。有給消化付きの出張ね」 「よしよし。日程も今決めちゃおう」 ということで5月半ば、連休明けに行くこ

          人は恋をする、何があっても #31

          人は恋をする、何があっても #30

          「チカちゃん、石和温泉調べたけど、最近リニューアルしてるところ多くてきれいなお風呂付の離れ付き宿多いよ。選んでいい?」 「礼ちゃん、早いね。のんびりできるところがいいよね。個室でお風呂付なんてすばらしすぎる」 「だよね。いくつか絞ってみるー。また連絡するね」 「さーんくす!期待してるよ」 翌日のSNSでの会話である。まあ、出張が定期的にある仕事だから出かけるは訳ないね。世間でいうところの不倫ってやつには赤丸印付きで該当だね。でも、行かないなんてチキンだと思う。なぜなら

          人は恋をする、何があっても #30

          人は恋をする、何があっても #29

          松風でデートする日が来た。告ったんだからもはや一線は超えた。だからデートだ。少し遅れてやってきた彼女はおもむろに言った。ご飯も食べてお酒が回って人心地ついてからだ。 「暖かくなってきたね」 「そうだね、梅は散ったし桜はこれからだよね。もう少しでいい季節が来る」 「ところでさ、チカちゃってさ、温泉好き?」 「ああ、好きだよ。温泉でのんびりしたいねえ。」 「チカちゃんさ、一緒に泊りがけで温泉行かない?クルマ出すからさ」 おおっと、いきなりローブロー攻撃、キターッ。

          人は恋をする、何があっても #29

          人は恋をする、何があっても #番外編1

          大人になって家庭もできて、子供もできて、日々忙しく働いていても本能というものはどこからかこちらをうかがっていると思う。 「あの女の子かわいいな」とか 「いいお尻してるなあ」とか 「いい女だなあ」とか オトコって枯れることがないのかもしれない。聞けば介護施設でも介護や看護の女性に対するセクハラは絶えないのだ、とか。女性から見れば身勝手に見えるのかもしれないと思いつつ、無駄とわかっても突撃するか、相手を巧みな話術で引き込むか、関係構築に努力をするオトコは多いのではないかと

          人は恋をする、何があっても #番外編1

          人は恋をする、何があっても #28

          「チカちゃん、和食食べたいんだけど、この間の池袋のお店に行かない?」 彼女からSNSがやってきた。うひゃうひゃ、とかいう感じはないね。ああ、話したいのかな、スケ調整しなきゃ、という自然な思考。高揚しないけど嬉しい柔らかい気持になる。 「礼ちゃん、いつ行こうか。ご予定はいかが」 「明日。これは冗談、ははは。ウソウソ。週末のハナキン、どうなん?」 「ああ、いいよ。予約入れておくよ。なんであそこなのさ。オッサン臭の居酒屋やんか」 「汚いないけど居心地いいのよ。お願い。オサ

          人は恋をする、何があっても #28

          人は恋をする、何があっても #27

          不思議なものだ。告白してしまえば焦りはなくなる。ケアしないとな、とか何か言ってこないかな、とかドキドキしない。彼女からメッセージが来れば嬉しいし、返事もする。こっちから好きにメッセージを彼女に送る。ただし、電話だけは用心してメッセージで電話してよいか、確認してから電話をかけるし、電話を受ける。SNSの通知は非通知にした。これは彼女も同様で、暴走してお互いの家庭を壊さない暗黙の了解だ。でも恋人でいることになっているのだ。 呼び方も変わった。苗字ではなく名前で呼び合うようになっ

          人は恋をする、何があっても #27

          人は恋をする、何があっても #26

          突破してしまった。これは恋愛と言い張ることもできるが、「横恋慕(古いな)、いや不倫」というやつに分類されるだろう。しかし、今更なかったことにはしない。行くところまで行っちまえ、と腹をくくった。 SNSで毎晩、彼女とお休みのあいさつを交わすようになった。もちろんLINEなんかは使わない。その筋も御用達の秘匿性が高いSNSを使っている。一定時間が過ぎるとメッセージは消えていくようにした。そんな思い出造りは要らない。今を生きるんだ、と思っているから。 しばらくは仕事がピークなん

          人は恋をする、何があっても #26