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長い目で見れば、僕等はみんな死んでいる
2023年3月22日(水)朝の6:00になりました。
未来は僕等の手の中。未来は俺等の手の中。
どうも、高倉大希です。
自分らしく生きよう。
自己肯定感を高めよう。
ここ数年で、随分と広まった考え方です。
大抵の苦悩は、この「自分を大切にしすぎること」から生じます。
こんなことを言ったら、こう思われてしまうのではないか。
こんなことをしたら、キャラクター的に変なのではないか。
このように、「唯一の本当の自分」が揺らぐことに対して、大きな不安を抱きます。
人間は、誰かとの関係の中で、その人のための分人を常に生み出している。お互いにです。相手の中には、あなたのための分人が生じる。一対のセットとして、言葉や感情のやりとりをしている。個性というのは、だから、唯一不変の核のようなものじゃないんです。
誰もがポケットの中に、孤独を隠しもっています。
作家は、そんな孤独を物語に乗せ、紙にペンを走らせます。
ミュージシャンは、そんな孤独を曲に乗せ、大声で歌います。
わたしたちは、そんな孤独に憧れを抱きます。
そしてますます「唯一の本当の自分」を大切にしようとするわけです。
禅の教えによると、人の苦しみはすべて、現実を認めたくないという気持ちから生じるのだという。「こんなはずではなかった」「どうして思い通りにいかないんだ」という気持ちこそが、苦しみの根源なのだ。自分は万能ではない。ただの無力な人間で、それはどうしようもない。その事実を受け入れたとき、苦しみはふいに軽くなり、地に足のついた開放感が得られるだろう。
自分を大切にしていないから、苦しんでいるのではありません。
自分を大切にしすぎているから、苦しんでいるのです。
自分というひとりの人間にできることなんて、せいぜい限られています。
体調が崩れるたびに停止し、寿命と共にすべてが失われます。
46億年の歴史を考えれば、ひとりの人生なんて、ほとんどないようなものです。
長い目で見れば、僕等はみんな死んでいます。
一個の「私」なんてどうでもいいじゃないか。
だからといって、小さな存在であることに、落ち込む必要はありません。
むしろ、小さな存在だからこそ、わたしたちは自由になれます。
「唯一の本当の自分」なんてものは存在しない。
一個の「私」なんてどうでもいい。
この先に、新しい世界が広がります。
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— 高倉大希|インク (@firesign_ink) January 1, 2023
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