![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90366372/rectangle_large_type_2_ad8a5862cb35366861da75ea96055160.png?width=1200)
これ、女性の当事者も同じだなと感じた〜発達障害の人がパートナーを見つける難しさ〜
さきほど、猫男STさんのこの記事を読んで、
「これ私じゃん!」
「女性も同じだよ!」
と思ったので紹介します↓
この記事の中に「月収は12万で、一人暮らしは困難、またはできたとしても貧困になる」とありますが、
ぶっちゃけ12万は高いほうだと思います。
フルタイムで働ける人がそもそも少ない。
作業所とかだと就労時間は4時間程度という所も多く、医者から「短時間の就労なら可能だがフルタイムは難しい」と意見書に書かれている人もいます(私もそうなんです)。
最低賃金で4時間。仮に900円で計算すると一日3600円。20日で72000円。
これが自力で稼げる限界という人が多いわけです。
自立できますか?
無理です。
親元にいるか、障害年金をもらえればもらうか、さもなくば生活保護しかありません。
それが多くの当事者の現実です。
ところで、今30代くらいのみなさん。
月収が7万円の人と結婚できますか?
しかも障害を抱えている人と。
いろいろと気を使わなくてはならない人と。
どんなに性格や見た目が良くても、
やはり「う〜ん……」だと思うんです。
当事者同士だとさらに厳しいです。
7万が二人いても月14万。
これで、二人で円満に暮らしていけるか。
難しいんじゃないでしょうか。
子供なんかできちゃったらなおさら大変です。
私ね、小学校の頃から言われてました。
「結婚も出産も無理」と。
自分の生活費すら稼げないのに、
自分の面倒すら見られるか怪しいのに、
子育てなんかできますか?
だから、諦めている当事者が多いです。
ですが、女性なので、
「どうしても結婚はしたい」
「子供が欲しい」
という人はもちろん多いです。
ただし、現実的に、その願いは、
叶わないことが多い。
実際に、
昔、私と結婚したいと言っていた男性がいましたが、
私が貧困でかつ障害がありそうだと察知するに従って離れていき、
最後には音信不通になりました。
そういうもんなんです。
慰めるつもりなのか、安易に、
「そんなことないよ」
「発達障害でも結婚してる人いるよ」
と、ものすごく恵まれた数%(たいてい何らかの才能がある人か、ものすごく運がいい人)を例にして言われると、本当に腹が立つというか、こちらの気持ちを無視されたような気分になってしまいます。
まず、障害者を取り巻く制度や社会が、
「そもそも自立できるようにできていない」
ということ。
そして、
「世の中は自立できない大人に対して、極端に厳しい」
ということ。
それはわかっていてほしいと思います。
「自立」って、
個人の努力だけでできるものじゃないんです。
少なくとも発達障害の人にとっては。
そういった経済的な問題に加えて、障害特性として「そもそも人間関係が苦手」「空気が読めない」「暗黙の了解がわからない」などの困難が加わります。
パートナーを見つける以前に、周りの人との意思疎通でも苦労します。
大変なんですよ。
みんなが思ってるより、ずっとね。
私にとって恋愛とは、
「恵まれた健常者の世界でしか起きないこと」
「ドラマや映画などのエンタメの中でしか起きない設定」
です。
恋愛映画とかロマンス小説は好きです。
ただし、性表現は苦手なので避けていますが。
(これも異性と付き合えない原因かもしれないなあ。「感覚過敏で触られるのが苦手」とか、「そもそも異性の声とか足音とか気配がうるさくて耐えられない」というのもあるし。男の人って自分が出す音や声にものすごく無自覚ですよね。わざとバンバンドンドンやって人を怖がらせたりするでしょう、あれは聴覚過敏の人にとっては恐怖なんですよ)。
あと、先ほど紹介した記事の中で、
「頭の悪い男性はだめ」
「身だしなみがきちんとしてない、不潔はダメ」
というのもありましたが、
これも女性も同じなんです。
身だしなみに関しては女性のほうがきついかもしれません。
「女性はきちんとしているのが当たり前」
というイメージがあるからです。
私、服に興味がなくて、
化粧が苦手なんです。
リップ程度ならいいのですが、他の、
「顔に塗りたくる系」
がどうしても嫌で、昔からポイントメイクしかしてません。いっそコスメなんかなくなればいいのにとすら思っています。(実はチクセントミハイが似たようなことを言ってたんですよ。見た目に使っている金を別なことに使えば、世界の材料問題の解決になると)。
中学時代には毎日同じ服ばかり着てましたし、学校では「髪が汚い」「シャンプー使ってるの?」といじめに遭いました。
そもそも月収10万以下で、服やコスメを買う余裕なんかありません。
(ただし、趣味にはお金を使ってしまうという、発達障害あるあるなことはしてしまってますが)。
頭の良し悪しに関しても困ります。
女性の場合、女性差別で、
「女は学歴が高いと結婚できない」
とか、さすがに最近はなくなりましたが、
「女は自分より馬鹿のほうがいい」
という男性、昔は多かったんです。
地方では今でもそうです。
しかし、
特にアスペルガーには、
知能だけは高い人が多い。
女性らしい態度とか話し方ができずに、
嫌われてしまうことが多い。
これ、異性だけでなく同性の人と付き合うときも問題になるんです。
いわゆる、
『ガールズトーク』
ができないんです。
ただでさえ世間話が苦手なのに、ガールズトークは話題もポンポン変わるし、結論はないし、下手すると内容もない。
難しいです。
同性の友達もできにくいんですよ。だから。
発達障害の特性って、大半が『女らしさ』とは真逆なので、私は小さい頃から、
「男に生まれたかったなあ」
「そしたらメイクいらないし、多少だらしなくても許されたのになあ」
「男なら、無駄なおしとやかさとか求められずに、もっと自由に振る舞えたのになあ」
と思っていました。
ところが、今は男性もメイクする時代です。
私が望んだ、
「誰もメイクなんかしないで済む社会」
とは真逆に行ってます。
インスタ映え、見た目重視。
おそろしく生きにくいです。
それから、女性特有の生理の問題。
私、生理用品を上手く使えなくて、
血が漏れて服や床を汚しちゃったりするんです。
女性なら一度は経験していると思いますが、私は特に頻度が高いです。
なぜかというと、過集中する癖があって、
何かに夢中になっていると、
生理用品を替え忘れてしまうんです。
「しまった!」
と思い出した時には、
ギリギリ、または手遅れ。
ヒヤヒヤすることが多い。
ホルモンの関係で精神不安定にもなる。
でも、そんなの人に相談しても、
「女はみんなそうだから」
と言われるだけです。
いや、そうだとしても、
困ってんだから相談に乗ってよと思いますが、
「女は辛くても我慢するのが当たり前」
という風潮があるのです。これ、生理だけでなく、家事とか仕事とか、賃金格差とか家族関係とか、あらゆる所に出てきます。
あと女性の障害者にとってきついのは、
「女は家事ができて当たり前」
「料理ができて当たり前」
という風潮。
これ本当につらい。
発達障害は、
家事や料理が苦手な人が多いです。
私も駄目です。
たぶん、数学とスポーツ並みに困難です。
動作が不器用なのもあるし、
同時並行が苦手なのもある。
一品だけならできなくもないけど、
献立みたいな、
いっぺんに2品以上は絶対に無理です。
以前、NHKの『バリバラ』で、
『車椅子の女性が恋愛で抱える困難』について特集していたことがあります。
そこで、自己紹介などの「得意なこと」に、
『料理』と書く女性が多いことについて、
専門家の先生がこうおっしゃっていました。
障害があると、
料理するの難しいはずなんですよ。
なのにそう書く人が多いのは、
みんな『女性はこうあるべき』というイメージに無理に合わせようとしているのではないか。
世の中の「女らしさ」に無理してでも合わせないと、パートナーができないと思っている人が多いということ。
昔は、
「男は稼ぐべき」
「女は家事ができて当たり前」
という風潮がありました。
それは今も変わっておらず、むしろ、
「男女関係なく、生活費を稼いで家事もきちんとできるのが当たり前」
になってきています。
今は男性も女性もそれ以外でも、
収入がないと相手が見つからず、
家事能力・共感能力も求められます。
でも、無理なんですよ。
生活費を稼ぐのも、
家事(特に料理)をするのも、
障害の当事者にとっては、
かなりの困難を伴うんですよ。
要するに。
男に生まれようが、
女に生まれようが、
発達障害が自立して生きるのは困難。
パートナーを見つけるのも困難。
これが現実ということです。
だから安易に「そんなことないよ!」とか言わないでください。
そういう言葉で片付けないで、
一人ひとりが「具体的に何を感じて、何に困っているのか」を聞いてほしい。
一人一人が抱いている気持ちを、
踏みにじらないでほしい。
以上です。
お読みいただきありがとうございます。 いただいたサポートは、学習・創作のための資料、趣味、生活費などに使わせていただきます。