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これ、女性の当事者も同じだなと感じた〜発達障害の人がパートナーを見つける難しさ〜

さきほど、猫男STさんのこの記事を読んで、
「これ私じゃん!」
「女性も同じだよ!」
と思ったので紹介します↓

この記事の中に「月収は12万で、一人暮らしは困難、またはできたとしても貧困になる」とありますが、
 ぶっちゃけ12万は高いほうだと思います。
 フルタイムで働ける人がそもそも少ない。
 作業所とかだと就労時間は4時間程度という所も多く、医者から「短時間の就労なら可能だがフルタイムは難しい」と意見書に書かれている人もいます(私もそうなんです)。
 最低賃金で4時間。仮に900円で計算すると一日3600円。20日で72000円。
 これが自力で稼げる限界という人が多いわけです。
 自立できますか?
 無理です。
 親元にいるか、障害年金をもらえればもらうか、さもなくば生活保護しかありません。
 それが多くの当事者の現実です。


 ところで、今30代くらいのみなさん。
 月収が7万円の人と結婚できますか?
 しかも障害を抱えている人と。
 いろいろと気を使わなくてはならない人と。

 どんなに性格や見た目が良くても、
 やはり「う〜ん……」だと思うんです。

 当事者同士だとさらに厳しいです。
 7万が二人いても月14万。
 これで、二人で円満に暮らしていけるか。

 難しいんじゃないでしょうか。
 子供なんかできちゃったらなおさら大変です。


 私ね、小学校の頃から言われてました。
「結婚も出産も無理」と。
 自分の生活費すら稼げないのに、
 自分の面倒すら見られるか怪しいのに、
 子育てなんかできますか?

 だから、諦めている当事者が多いです。
 ですが、女性なので、
「どうしても結婚はしたい」
「子供が欲しい」
 という人はもちろん多いです。
 ただし、現実的に、その願いは、
 叶わないことが多い。



 実際に、
 昔、私と結婚したいと言っていた男性がいましたが、
 私が貧困でかつ障害がありそうだと察知するに従って離れていき、
 最後には音信不通になりました。

 そういうもんなんです。


 慰めるつもりなのか、安易に、
「そんなことないよ」
「発達障害でも結婚してる人いるよ」
 と、ものすごく恵まれた数%(たいてい何らかの才能がある人か、ものすごく運がいい人)を例にして言われると、本当に腹が立つというか、こちらの気持ちを無視されたような気分になってしまいます。


 まず、障害者を取り巻く制度や社会が、
「そもそも自立できるようにできていない」
 ということ。
 そして、
「世の中は自立できない大人に対して、極端に厳しい」
 ということ。

 それはわかっていてほしいと思います。
「自立」って、
 個人の努力だけでできるものじゃないんです。
 少なくとも発達障害の人にとっては。


 そういった経済的な問題に加えて、障害特性として「そもそも人間関係が苦手」「空気が読めない」「暗黙の了解がわからない」などの困難が加わります。
 パートナーを見つける以前に、周りの人との意思疎通でも苦労します。
 大変なんですよ。
 みんなが思ってるより、ずっとね。

 私にとって恋愛とは、
「恵まれた健常者の世界でしか起きないこと」
「ドラマや映画などのエンタメの中でしか起きない設定」
 です。
 恋愛映画とかロマンス小説は好きです。
 ただし、性表現は苦手なので避けていますが。
(これも異性と付き合えない原因かもしれないなあ。「感覚過敏で触られるのが苦手」とか、「そもそも異性の声とか足音とか気配がうるさくて耐えられない」というのもあるし。男の人って自分が出す音や声にものすごく無自覚ですよね。わざとバンバンドンドンやって人を怖がらせたりするでしょう、あれは聴覚過敏の人にとっては恐怖なんですよ)。



 あと、先ほど紹介した記事の中で、

「頭の悪い男性はだめ」
「身だしなみがきちんとしてない、不潔はダメ」

 というのもありましたが、
 これも女性も同じなんです。
 身だしなみに関しては女性のほうがきついかもしれません。

「女性はきちんとしているのが当たり前」
 というイメージがあるからです。

 私、服に興味がなくて、
 化粧が苦手なんです。
 リップ程度ならいいのですが、他の、
「顔に塗りたくる系」
 がどうしても嫌で、昔からポイントメイクしかしてません。いっそコスメなんかなくなればいいのにとすら思っています。(実はチクセントミハイが似たようなことを言ってたんですよ。見た目に使っている金を別なことに使えば、世界の材料問題の解決になると)。

 中学時代には毎日同じ服ばかり着てましたし、学校では「髪が汚い」「シャンプー使ってるの?」といじめに遭いました。

 そもそも月収10万以下で、服やコスメを買う余裕なんかありません。
(ただし、趣味にはお金を使ってしまうという、発達障害あるあるなことはしてしまってますが)。


 頭の良し悪しに関しても困ります。

 女性の場合、女性差別で、
「女は学歴が高いと結婚できない」
 とか、さすがに最近はなくなりましたが、
「女は自分より馬鹿のほうがいい」
 という男性、昔は多かったんです。
 地方では今でもそうです。

 しかし、
 特にアスペルガーには、
 知能だけは高い人が多い。

 女性らしい態度とか話し方ができずに、
 嫌われてしまうことが多い。

 これ、異性だけでなく同性の人と付き合うときも問題になるんです。
 いわゆる、
『ガールズトーク』
 ができないんです。
 ただでさえ世間話が苦手なのに、ガールズトークは話題もポンポン変わるし、結論はないし、下手すると内容もない。
 難しいです。
 同性の友達もできにくいんですよ。だから。

 発達障害の特性って、大半が『女らしさ』とは真逆なので、私は小さい頃から、

「男に生まれたかったなあ」
「そしたらメイクいらないし、多少だらしなくても許されたのになあ」
「男なら、無駄なおしとやかさとか求められずに、もっと自由に振る舞えたのになあ」

 と思っていました。

 ところが、今は男性もメイクする時代です。
 私が望んだ、
「誰もメイクなんかしないで済む社会」
 とは真逆に行ってます。
 インスタ映え、見た目重視。
 おそろしく生きにくいです。


 それから、女性特有の生理の問題。

 私、生理用品を上手く使えなくて、 
 血が漏れて服や床を汚しちゃったりするんです。
 女性なら一度は経験していると思いますが、私は特に頻度が高いです。
 なぜかというと、過集中する癖があって、
 何かに夢中になっていると、
 生理用品を替え忘れてしまうんです。

「しまった!」
 と思い出した時には、
 ギリギリ、または手遅れ。
 ヒヤヒヤすることが多い。
 
 ホルモンの関係で精神不安定にもなる。

 でも、そんなの人に相談しても、
「女はみんなそうだから」
 と言われるだけです。


 いや、そうだとしても、
 困ってんだから相談に乗ってよと思いますが、

「女は辛くても我慢するのが当たり前」

 という風潮があるのです。これ、生理だけでなく、家事とか仕事とか、賃金格差とか家族関係とか、あらゆる所に出てきます。


 あと女性の障害者にとってきついのは、
「女は家事ができて当たり前」
「料理ができて当たり前」

 という風潮。

 これ本当につらい。

 発達障害は、
 家事や料理が苦手な人が多いです。

 私も駄目です。
 たぶん、数学とスポーツ並みに困難です。
 動作が不器用なのもあるし、
 同時並行が苦手なのもある。

 一品だけならできなくもないけど、
 献立みたいな、
 いっぺんに2品以上は絶対に無理です。


 以前、NHKの『バリバラ』で、
『車椅子の女性が恋愛で抱える困難』について特集していたことがあります。
 そこで、自己紹介などの「得意なこと」に、
『料理』と書く女性が多いことについて、
 専門家の先生がこうおっしゃっていました。

障害があると、
料理するの難しいはずなんですよ。

なのにそう書く人が多いのは、
みんな『女性はこうあるべき』というイメージに無理に合わせようとしているのではないか。

 世の中の「女らしさ」に無理してでも合わせないと、パートナーができないと思っている人が多いということ。

 昔は、
「男は稼ぐべき」
「女は家事ができて当たり前」
 という風潮がありました。

 それは今も変わっておらず、むしろ、

「男女関係なく、生活費を稼いで家事もきちんとできるのが当たり前」

 になってきています。 
 今は男性も女性もそれ以外でも、
 収入がないと相手が見つからず、
 家事能力・共感能力も求められます。

 でも、無理なんですよ。
 生活費を稼ぐのも、
 家事(特に料理)をするのも、
 障害の当事者にとっては、
 かなりの困難を伴うんですよ。




 要するに。
 男に生まれようが、
 女に生まれようが、


 発達障害が自立して生きるのは困難。
 パートナーを見つけるのも困難。


 これが現実ということです。



 だから安易に「そんなことないよ!」とか言わないでください。
 そういう言葉で片付けないで、
 一人ひとりが「具体的に何を感じて、何に困っているのか」を聞いてほしい。

 一人一人が抱いている気持ちを、
 踏みにじらないでほしい。

 以上です。





 

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