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☆ 猫の派遣社員 みぃこ(10)☆

夕方、お母さんがみぃこのご飯を持ってテラスに来ました。
お母さんがみぃこに話しかけます。 

「みぃこー、今日はお天気がよかったから、お昼寝、たくさんできたんじゃない?でも、この頃クロちゃんがいなくて、みぃこがひとりでお昼寝すること多いからさみしいよね。」

みやぁー(さみしい時もあるけど、福くんもいるし、お母さんもお話ししてくれるから大丈夫です。)

「みぃこ、もうちょっとお母さんに慣れてくれたら、みぃこのことナデナデできそうなのになー。まだ難しいかな?」
そう言いながら、お母さんは、いつものようにみぃこにおゆびを差し出しました。

「あっ、お母さんがおゆび出してくれた!今日はがんばっておゆびの匂いクンクンしなきゃ!」

クンクン
「うわぁー、なんだかとても落ち着く!みぃこ、とてもしあわせ!そうだ、福くんが言ってた頬スリしよう!」

スリスリ…

「あら、みぃこ、おゆびにほっぺをスリスリしてくれたの?大サービスじゃない!」

「お母さん、嬉しそう!みぃこ、がんばってよかった!」

「またしてね。」

みやぁー(はい、わかりました!)

「お母さんのおゆびの匂いをクンクンすると、落ち着くなぁー。なんだか心がほんわかする。今日はしあわせな気分だからいい夢みれそう!」

みぃこは、お母さんのおゆびの匂いをクンクンして、ほっぺにスリスリすると、とてもしあわせな気持ちになれることを実感しました。

そして、その日から毎日、玄関でお出迎えをし、足元スリスリをして、おゆびの匂いをクンクンする。これが、みぃこの日課になりました。
でも、みぃこがこんなに慣れたのに、お母さんはまだナデナデしてくれません。

「お母さん、いつ、みぃこのことナデナデしてくれるのかな…。みぃこは、お母さんのこと、もう怖くないんだけどなぁ…。みぃこの好きな気持ちをもっと伝えないといけないのかも!どうしたらいいかな…?」
「そうだ!お母さんが来たら、しっぽをぶんぶんしてみよう。みぃこは嬉しいんだよ!お母さん大好きだよ!って言うのを伝えてみようかな。」

そんなことを考えていたら、福くんが声をかけてきました。
「みぃこさん、なに考えてたの?」

「福くん。お母さんが、なかなかみぃこのことナデナデしてくれないから、みぃこが、もうお母さんのこと怖くないんだよ、お母さんのこと大好きなんだよ!という気持ちを、どうやったら伝わるのか考えていたんです。それで、お母さんに会ったらスリスリとか、お返事だけでなく、しっぽをぶんぶん振って、みぃこはお母さんと一緒にいられてとてもしあわせなんだよ、嬉しいよ、大好きだよ、おかあさんのこと怖くないから!と言うのを伝えようと思ってるんです。どう思いますか?」

「いいんじゃない?ぼくはしっぽぶんぶんしたことないけど…やってみたらいいと思うよ。」

「あとでお母さんがご飯を持ってきたら、みぃこやってみます!絶対にみぃこの気持ちを伝えます!」

みぃこは、お母さんに気持ちを伝えるために、また新たな挑戦をしようと心に決めました。


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