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☆ 猫の派遣社員 みぃこ(11) ☆

「みぃこ、お腹すいたでしょ。ご飯持ってきたよ。」

そういいながらお母さんが玄関から出てきました。いつものように、みやぁーというお返事をして、お母さんのあとをついて行きます。

ぶんぶんぶんぶん…
みぃこは勢いよくしっぽを振ります。

「お母さん!みぃこ、お母さんのことだーいすき!お母さんのこと怖くないよ!」

ぶんぶんぶんぶん…

「あら、みぃこ、今日はしっぽフリフリしてご機嫌さんね!」

みやぁー(はい!とってもご機嫌さんです!)

「かわいいわね」

みやぁー(かわいいなんて!嬉しいです!)

「みぃこは、たくさんお話しもしてくれるようになったし、スリスリもしてくれるようになって、だいぶ慣れてくれたのかな?もうナデナデしても大丈夫かな?怖くないかな?」

みやぁー(もちろんです!はやくナデナデして欲しいです。)

お母さんは、みぃこにおゆびを差し出して匂いを嗅がせたあと、タイミングをみてみぃこの頭をナデナデしはじめました。

「やったー!ナデナデしてくれた!みぃこしあわせ!」

「みぃこ、お利口さんね!ナデナデさせてくれてありがとう!またナデナデさせてね。ご飯もたくさん食べるんだよ!もっと大きくならないとね。」

みやぁー(もちろんです!毎日ナデナデしてほしいです!ご飯もたくさん食べて大きくなります!)

お母さんはおうちへ入って行きました。

みぃこがナデナデされている様子を、窓際で見ていた福が話しかけます。

「みぃこさん、よかったね!ナデナデしてもらえたね!しっぽぶんぶんの効果あったんじゃない?」

「福くん!そうなんです。ナデナデしてもらえたんです。しっぽぶんぶん、がんばったのがよかったみたいです。」

「ナデナデされてどうだった?」

「スリスリよりも、クンクンよりも、ずっとずっとしあわせな気持ちになれました!」

「それはよかったね。これからは毎回、ナデナデしてくれると思うよ!」
「それでね、みぃこさん。実は、今度の土曜日に、遠くに住んでいるお姉ちゃんの妹さんの祥子ちゃんが遊びに来ることになってるの。祥子ちゃんはね、ぼくたちの気持ちの言葉がわかる特別な人なの。この前、お母さんと祥子ちゃんが電話で話している時に、みぃこさんをおうちの子にしたいと相談してたんだ。お母さんはね、祥子ちゃんがぼくたちとお話しができるのはしらないの。この頃は、お姉ちゃんにも毎日のように、みぃこをおうちの子に迎えたいって話してるの。だから、祥子ちゃんがきたら、多分、みぃこさんのところに挨拶しに行くと思うので、その時に、おうちの子になりたいです!って祥子ちゃんに言ってみて!そしたら、おうちの子なれるはずだから。」

「そうなんですか!!祥子さんはわたしたちとお話しできる特別なすごい人なんですね!祥子さんに会ったらみぃこはおうちの子になりたいって伝えます!」

「あっ、けど…。ちょっと…聞きたいことがあるのですが…。福くんは、みぃこがおうちの子になることは賛成なのでしょうか…?福くんが嫌だったら、みぃこはおうちの子にはなりません。」

「ぼくはね、みぃこさんにおうちの子になってほしいと思ってるよ。ぼくの妹になってほしいな!」

「福くん、ありがとうございます!そう言ってもらえてすごく嬉しいし、安心しました。」

「早く土曜日来ないかなー!」

みぃこは、土曜日が来るのか待ち遠しく感じました。


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