ぼくらはみんな呪われている
「かわいそうに、妹は二重なのにあんた一重ね」「なにデブがめかしこんでんだよ」「男の子なんだから泣かないの」「お兄ちゃんなんだから弟に譲りなさい」「女の子は可愛くないと」
この世は実に呪いに満ちている。
こんな、口にした人間からはなんてことのない、正直よく聞く、ありふれた一言が、それを受けた人の価値観を大きく歪めたり、生涯にわたるコンプレックス、執着になったりする。
かくいうわたしもその一人。
今年30歳、機能不全家族で育ち、家族から離れた20代で病気をし、心の傷と向かい合う日々だった。
なんで生きてるんだろうと今でも思う。
やりたいこともあるはずだった。実際色々やってきた。習い事に、オンライン講座に、中国茶に、占い、オーラソーマ、天然石…それなりに楽しみを見出して、傷を抱えながらも受け入れて、どうにか立っているはずだった。
でも、やっと気付いた。
すべては傷の痛みをごまかすためにやっていた。
本当にわたしが求めていたのは、温かくわたしを抱きとめてくれるものだった。世界の承認、といったものだろうか。
この世界にいていいんだよ、と存在をゆるしてもらうこと。
今思えばそれが、徹底的にわたしには欠けている。
呪いは行き過ぎればそういうことをするのだ。
呪い呪われ生きているわたしたち、呪ったことも呪われたことも気づかないままで、いつの間にか苦しくなって生きているわたしたち。
わたしが受けて、どうにか生きている呪いの数々を、これから語っていこうと思う。
呪いは、気付いたらそこから解けていくものだから、わたしと同じような傷もつ誰かに、届けばいいと思って、願っている。
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