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【認知症介護メモ】不思議なモノ 体から外します

くも膜下出血→水頭症、脳血管性認知症という経過の母。
家族としてはいつも「頭の中は大丈夫かな」と、
脳とか、脳内の血管の心配をしがちである。
ただ、年齢も70歳を超えると、いろんな所に不調が出てくる。

不整脈?

先日、不整脈が出ているかもという報告が、デイサービスから訪問看護師に入った。母自身に自覚はなく、私を含め家族も言われるまで気づかなかった。

早速、かかりつけ医で診断してもらうと
「様子見でも良さそうなレベルの不整脈」とのこと。
念のため24時間心電図をすることになった。
そのとき、ある出来事を思い出した。

真夜中、腕に刺さった管を・・・

3年前、水頭症改善のシャント手術を受け、入院していた病院へ様子を見に行ったときのこと。夜勤明けの担当看護師から「仕方が無いけど、なかなか大変でした」と苦笑いされた。
母は就寝時間中に、自分の腕に装着された点滴などの管をすべて抜き、自分の荷物をすべて持ってナースステーションにやって来て「お世話になりました」と言い、帰ろうとしたという。それも2度あったため、ベッドのまわりにセンサーマットを敷き、ベッドから下りたと分かったら駆けつけるという対応になったと説明を受けた。

その病院は、母が清掃スタッフとして働いていた場所で、看護師も顔なじみだった。
つまり、短期記憶ができない母の思考としては
手術後寝る→目が覚める→手術したことを覚えていない→なぜか職場で患者さんのベッドに寝ている。意味がわからずプチパニック→腕に何かついているが、こんなところで寝てはいけないと、管を抜いて身支度→荷物をまとめて帰るーという流れと想像できる。

予想

普通で考えたら「点滴を外すなんて考えられない」が、それをしてしまう母。今回の24時間心電図は、胸の周辺に電極などをつけて1日過ごし、心臓の動きを記録するタイプだったため「また訳が分からず電極を外すだろうなぁ」と予想した。
主治医にも過去の騒動を伝え「データを取れるところまでやってみよう。外したら外したで良いから」とつけてもらい、帰宅した。

「明日も電極を外しに病院に連れて行かなきゃなぁ」と、少し憂鬱(ゆううつ)になりつつ、コーヒーを飲んで一息ついていたら、母が私のもとにやってきて一言。

「これ、なに?」

母の手には、強めのテープでつけられていたはずの電極など(写真中央から左)があった。
つけていた時間はたった30分ほど。すぐに病院に連絡を入れ、逆戻り。
記録に残った30分間のデータを、とりあえず解析に出すことに決まった。

「もう一度(電極を)貼り直すこともできるけど・・・外しちゃうよね~」
と医師と私は苦笑い。母はなぜかペコペコと頭を下げていた。

完璧は求めず、期待しない。
忘れたことを忘れる母を、今後も温かいこころで接していく。

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