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【財務諸表分析(第七版)】メモ&感想


【財務諸表分析(第七版)】

▼ポイント&まとめ(※個人的なoutputメモと感想です)
①本書は一部(財務諸表の見方)・二部(分析手法)・三部(投資意思決定への応用)から成る三部構成
②内容は主に財務諸表の見方とその応用に重点を置いている
③これから金融業界へ就職する方や一般事業会社の経理や財務に携わろうとしている方におすすめ
④既に上記環境に身を置いている方かつプレイヤー層はリファレンス目的で活用が期待される

各構成の詳細内容は以下の通りです。


第一部

【一部】では、主にPL・BS・ CFの入手方法から見方について詳細に解説されています。また、実在する企業の財務諸表と照らし合わせて解説されている為イメージがつきやすいでしょう。
また、特筆すべきは細かな会計法規まで解説されている点です。

例えば、2010年4月以降における「セグメント情報の開示」に関する会計基準の適用指針の変更や、2014年3月以降の「単体開示の簡素化」を目的とした、連結財務諸表において、セグメント情報を注記している場合の製造原価明細書の作成免除などが本書では取り上げられています。

第二部

【二部】では投資者の視点から、財務諸表分析の基礎について書かれています。
分析手法は以下の三つを捉え、

・目標値との比較
・時系列比較
・企業間比較(cross section分析)

会計方針の企業間差異(有価証券の評価基準/評価方法,固定資産の減価償却方法等)と会計方針の変更に留意しつつ分析を行う方法が紹介されています。

分析の対象は以下の五つに大別されます。
※内訳は例
▼収益性
-ROE(デュポン分解)
-ROA

▼生産性
-一人当たり売上高
-付加価値率

▼安全性
-流動性
-当座比率

▼不確実性によるリスク
-損益分岐点比率
-営業レバレッジ

▼成長性
-PER

各指標をの計算ロジックを深く掘り下げて解説しています。

第三部

【三部】では、証券投資意思決定における財務諸表の有用性の解説になります。

キーワード
・ポートフォリオ理論
・資本資産評価モデル(CAPM)
・積極的投資戦略(市場平均を超えるような投資成果を求めて行う戦略)
・消極的投資戦略(市場平均に見合った収益率の獲得を目指す戦略、INDEX等)

特筆項目
・ROEと株価の変化が連動していることの証明
・ROEの変化幅と株価変化率の連動に有意結果

三つの株式価値評価モデル
①割引配当モデル
②割引キャッシュフローモデル(DCF)
③残余利益モデル

上記モデルの評価に関する考察が書かれております。例えば①、②については適用が不可能なケース(配当性向0%の企業、キャッシュフローがマイナスになる場合)があるということなどから最も妥当性のあるモデルについて解説されています。


○総まとめ
所感としては、簿記二級の知識をより発展させる内容となっており本書の理解には上記検定レベルの知識があるとスムーズかと思われます。(私も完璧に理解できたとは言い難いので何度も読み込んで理解を深めて行こうと思います。)

本書の導入として、より初歩的な財務知識の本には「ざっくりわかるファイナンス」(オントラックの石野 雄一社長の本)などがおすすめです。

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リファレンス:​財務諸表分析(第七版)