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Osaka Shion定期演奏会:吹奏楽

Osaka Shion Wind Orchestra 第135回定期演奏会

指揮:西村 友

ピアノ:松永 貴志

プログラム

■R.ヴォーン=ウィリアムズ:イギリス民謡組曲
■G.ガーシュウィン(伊藤 康英 編曲):ラプソディ・イン・ブルー
■M.ラヴェル(西村 友 編曲):ラ・ヴァルス
■B.バルトーク(西村 友 編曲):中国の不思議な役人 Op.19

アンコール

ソリスト:神戸(松永 貴志)

行進曲「海の歌」(R.ヴォーン=ウィリアムズ)

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今回は、少々厳しい言葉が続くかもしれない。

その点ご了承いただいた上で、お読みいただけるとありがたい。


今回のプログラムのコンセプトは

2023年に創立100周年を迎える

オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラにちなんで

100年前の創立当時の名曲を取り上げた、とのこと。


先に、申し上げておこう。


ソリストの松永貴志が素晴らしかった!


センスの塊を感じさせるお洒落感!

ファッショナブル!


アンコールの「神戸」なんて

昔の演奏よりも大人の色気があり、

ラプソディ・イン・ブルーとのギャップに萌えた。

ラプソディ・イン・ブルーは

伊藤康英氏の編曲。

初演のジャズバンド版に基づく編曲で

オーケストラやその他の吹奏楽編曲とは

一味違う編曲で、この演奏は大変意義深い。

画像2

※公式写真より拝借。

クラリネットをはじめ、

各ソロも素晴らしい演奏だった!


ただ、他の曲は残念ながら期待に沿わず。


実は昔、西村友氏の指揮で

ドラゴンクエストの演奏会を聴いたことがあるのだが

感じたことは

「雑だな」と。


それが今回も同じように感じ、

今まで、下野氏・秋山氏・齊藤氏の名演の記憶があるだけに

細部の雑さが残った印象。

それは団員の方々も感じていたのか、

最後の拍手で立つときも、どうも雰囲気が良くないように感じた。



イギリス民謡組曲は、旋律を意識した演奏。

ラ・ヴァルスと中国の不思議な役人については

勢いに任せた感が否めない。


そして、この曲を西村氏の編曲でやる意味があったのか。


中国の不思議な役人でも

オーケストラでも取り上げられない舞台版からも抜粋した編曲

であれば、吹奏楽のプロが演奏する意義はあったのだろう。


ただ、どちらの曲も

オーケストラから吹奏楽への焼き直し。


吹奏楽のポテンシャルって何だろう。

オーケストラの編曲をするときは

それが問われる。


アンコール前、西村氏から挨拶があった。

それを聞いて思ったのは、

やはりミュージカル等の舞台音楽の方。

なので、もし吹奏楽を指揮するのであれば

福島弘和 作曲の「ごんぎつね」のような

音楽と語りがあったり、

清水大輔 作曲の「マン・オン・ザ・ムーン」や

樽屋雅徳 作曲の「絵のない絵本」とかのほうが

向いていると思う。

それらの曲をプロ吹奏楽団が取り上げるかどうかは別だが。


さて、次回は4月18日(日)の定期演奏会。

オール・チェザリーニ・プログラムで

チェザリーニ本人が指揮する予定が、

コロナの影響が続いているので

指揮もプログラムも変更。


指揮:渡邊 一正

プログラム

・楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より 第1幕への前奏曲 (R.ワーグナー作曲、木村吉宏編曲) ※変更 
・メトロポリス 1927 (P.グレイアム作曲) ※変更
・交響曲 第2番「江戸の情景」(F.チェザリーニ作曲) 


木村吉宏氏の編曲を取り上げるのは、追悼の意味もあるのだろう。


第129回定期演奏会(公演中止)で指揮するはずだった

渡邊一正氏が登場!

さてさて、どんな演奏になるのか。


作曲家の自作自演は大概不発に終わるので

逆に楽しみ。

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