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経済的自立を実現するための考え方の癖(全14回シリーズ)

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経済的自立を実現するための考え方の癖を全14回シリーズでお伝えいたします。
経済的自立を実現するためには、根本的な考え方を変えることが必要になります。14個の視点でどう変える…
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経済的自立に向けた考え方の癖

ものの考え方は重要である。考え方1つで人生は変わる。 そしてその考え方には人それぞれの癖がある。 癖はやっかいだ。そう簡単になおせない。 私は小さい時、つめをかむ癖があって、それがどうしてもなおせなかった。 親からは「つめに唐辛子塗るぞ」と言われるくらいであったが、それでもなおらなかった。別につめをかみたいと思ってかんでいないので、やっかいである。癖は理由が説明できない非論理の世界であり、論理的な人間には対応困難な事項である。 一方、それがいい癖だったらそれは人生を明る

【経済的自立に向けた考え方の癖】その1 「目の前のものを積み上げていく世界」から『ゴールから逆算する世界』へ

戦略コンサルティングの現場では、シニアな怖いマネージャーが    「積み上げで考えんなよ。ゴールから考えろよ。」 と若手に説教しているシーンがよく見られる。 説教しているとだんだんエスカレートしてきて、 「積み上げで考えてたら、10年かかるんだよ。プロジェクト期間は3カ月しかないんだぞ。」 10年は言い過ぎである。 「何が達成できたらこのプロジェクトは成功と言えるのか?ちょっと言ってみろよ。」 この質問が一番怖い。分かっているようで、言語化しようとすると、「あれっ、な

【経済的自立に向けた考え方の癖】その2 「コピペの世界」から『一歩先のものを自ら創り出す世界』へ

コピー&ペースト、いわゆるコピペは楽である。 なにせ、考える必要がない。 自分が過去考えて作ったものをコピペするのは、仕事の生産性を上げるためには必須となる。過去作り上げた様々なものを、用途に合わせて組み合わせることで、掛け算方式でアウトプットは増えていく。 一方人が作ったものをコピペするのは問題が多い。 著作権の問題に引っかかるケースは論外として、著作とまで言わないものであっても、それを拝借する癖がつくとよろしくない。 なにせ、考えない癖がついてしまう。 戦略コンサル

【経済的自立に向けた考え方の癖】その 3 「答えを探す世界」から『問題を自分で作る世界』へ

我々は、小学から中学までの9年間、そして人によってはその先の高校、大学と、長ければ合計16年間、「問題は出されるもので、その答えを探す世界」で生きていた。 例えば、県庁所在地の問題。多くの人が九州は、県名と県庁所在地が同じだということを知っている。 例えば、11,982,345,678,240が3で割れるかという問題。多くの人が、実際に計算しなくても、全ての桁の数を足したものが3で割れれば、3で割れるということを知っている。(ちなみに、この11兆を超える数字は3で割りきれ

【経済的自立に向けた考え方の癖】その 4 「専門家に盲目の世界」から『自ら分析し、考えたものを信じる世界』へ

専門家の意見は尊重すべきである。 それが時間を買うことになる。 私は若かりし頃、ドクターと呼ばれるダンスの先生に巡り合った。そしてその教えをこい、ドクターのおかげでごく短い期間でダンスの日本ランカーに登りつめることができた。ドクターがいなかったら、同じ頂に登るのに膨大な時間がかかったことであろう。 また、会社では、仙人と(勝手に)呼んでいるメンターに出会った。ことあるごとに仙人から意見をもらって、ごく短い期間に論文で賞をとりまくった。仙人がいなかったら、同じ賞をとるのに膨

【経済的自立に向けた考え方の癖】その 5 「既存のルールに従う世界」から、『自分でルールを作る世界』へ

ここでいうルールとは、憲法や法律等きちんと定められたものを指さない。 いわゆる暗黙の了解として、暗示的に従っているルールを指す。 ある企業では、外部の人との会議の際に、自分よりも職位が上の人がいる場合は発言していけないという暗黙のルールがある。 部長がいる場では、課長は本当に一言も話さない。そしてこちらから課長に話をふるのもご法度である。 会議が終わると、課長から声をかけられる。 「部長はさっき、今月中に発注しますと言ってましたが、あれは無理です。まだ社内の根回しが終

【経済的自立に向けた考え方の癖】その 6「他責の評論家」から、『自責の実践者』へ

他責の評論家で有名なのは、過去に出てきたS氏である。 S氏「今年の1月に、A証券会社にすすめられて投資信託買ったんすよ。絶対上がるっていうから」 N氏「おーいいね! 上がるんなら俺も買いたいよ。どういうやつ?」 S氏「中身よくわからないっすけど、とにかく過去の実績はすごかったんすよ。年の利回り、たしか30%くらいとかいってた」 N氏「30%って超すごくねー。ちょっと待ってよ、暗算するから。おーこれ10年たったら、10倍以上になるぞ。これでやっと親孝行できるな」 S氏「マジっ

【経済的自立に向けた考え方の癖】その 7「先送り思考」から、『前倒し思考』へ

先送りは楽である。とりあえず面倒なことは、今判断せずに、先に延ばせばよい。 「日本の借金はどうするの?」 「とりあえず、その話はおいとこう。それより今は貯蓄から投資へだ」 「わが社のメインフレーム(旧型の大型コンピューター)はどうするの?」 「とりあえず、その話はおいとこう。それより今はDX(デジタル変革)だ」 「私との結婚はどうするの?」 「とりあえず、その話はおいとこう。それより今は、仕事をがんばらないと」 楽なだけに、ついつい先送りに頼ってしまう。 しかも、よく

【経済的自立に向けた考え方の癖】その 8「同調圧力に流される自分」から、『おかしいことには、おかしいと言う自分』へ 

企業向けの戦略コンサルティングは、同調圧力との闘いである。 会社を変えていくことに対して、総論は賛成だが、自分にかかわる各論に入ると反対する。 そういう人々が企業のリーダークラスには沢山いる。 その中に権力をもち、ある程度論理に強い反対人がいると、一気にその人の意見に対する同調圧力が強まる。 そしてその同調がある程度進んでしまうと、そういう空気が作られ、空気の影響を受けやすい日本人は、圧力に屈しざるを得なくなる。 この結果苦境に陥った企業は枚挙に暇がない。 営業のチ

【経済的自立に向けた考え方の癖】その 9「お金に自信がない自分」から、『お金にチャレンジする自分』へ 

金融リテラシー調査は、金融広報中央委員会が、18歳以上の個人のお金や金融に関する知識や行動の特色を把握するために、2016年から3年に1回実施しているものである。 最新の2022年の結果をみて、まずびっくりしたのが、金融教育を受けた人の割合である。 3分の1くらいかと予想して結果をみたら、 なんと 7.1%(2022年)。そして伸びてもいない。そんなもんなのか。 それでは金融先進国の米国はどうであろうか? 私は、1999年に仕事の都合でアトランタへ赴任したことがある。

【経済的自立に向けた考え方の癖】その 10「やれることをやる」から、『やるべきことをやる』へ 

やるべきことをやらないといけないと分かっていながら、ついやれることをやってしまう。 ごく自然なことである。 やるべきことという響きがそもそも嫌である。なんか無理してやらないといけない感じがする。 一方やれることはいい。なぜならやれるからである。(悪いトートロジー) ただやるべきことをやらずに、やれることをやった場合によくないことが起こるケースがある。

【経済的自立に向けた考え方の癖】その 11「理解されるのを待つ自分」から、『自ら手を挙げる自分』

「自分はこれだけ頑張ってるんだから、当然評価されてるだろう」 大抵の場合、自分が思っているより評価されていない。 「さすがにそこまで言わなくても、分かってくれてるだろう」 大抵の場合、自分が思っているより分かってくれていない。 「待っていれば、いつか理解してくれるだろう」 大抵の場合、待っていてもいつまでも理解してもらえない。 人ってなんでこんなに分かってくれないんですかね。

【経済的自立に向けた考え方の癖】その 12「データが苦手な自分」から、『データを愛そうとする自分』へ

データと聞くと、なんかイヤーな感じがする人が世の中には沢山いると思う。 Excelの膨大な数字データと格闘して、なんとか一生懸命やったけど、「そんなのピボット使えばすぐだよ」と言われて、「えっ、でも使い方分かんないし……」 いい調査ができた。この結果をなんとかうまく伝えたいけど、「これ平均値でいいのかな? なんか中央値とか最頻値とかあるけど、そっち使わなくていいの?」 部長に結果を分析して報告してくれと言われたけど、「何を、どうみてったらいいの? どこから手をつけたらい

【経済的自立に向けた考え方の癖】その 13「リスクを怖がる自分」から、『リスクを楽しむ自分』へ

ありとあらゆるものにリスクは存在する。 「新しい仕事にチャレンジすること」には、うまくいくかどうかわからないリスクがある。一方「そのままの仕事を続けること」には、チャレンジしていたら得られていたかもしれない新たなスキル育成を機会損失するリスクがある。 「告白すること」には、フラれるリスクがある。一方、「告白しないこと」には、告白していたら得られていたかもしれない両想いを機会損失するリスクがある。 同様に、「投資すること」には、資金が減るリスクがある。一方、「投資しないこ