#映画
『友情ある説得』ウィリアム・ワイラー監督の傑作ドラマ
恥ずかしながら『友情ある説得』を観たのは復刻シネマライブラリーの仕事を始めた頃でした。ウィリアム・ワイラー監督と聞けば映画ファンはまずどの作品を想像するでしょうか。まず、映画ファンの8割はこの作品を挙げるでしょう。1953年の『ローマの休日』。傑作には違いありません。ダルトン・トランボの脚本がまず優れているし、映画のテーマも良い(未熟者の通過儀礼)。キャスティングも言うことなし。日本人の多くに愛さ
もっとみる傑作音楽映画『情欲の悪魔』
本作でのドリス・デイに対するジェームズ・キャグニーのことを指しているんでしょうけれど「情欲」の「悪魔」というのはいかにも煽情的で、この作品の邦題としてはいかがなものかと思いますが。原題はジャズのスタンダードにもなっている「ラブ・ミー・オア・リーヴ・ミー」です。直訳すると「愛してくれないならほっといて」といったところですかね。美空ひばりが「愛さないなら棄てて」の曲名で歌っています。わたしが一番好きな
もっとみる素晴らしいミステリー映画『生きていた男』が大ヒット
古い作品というのはなかなか宣伝費をかけにくく、いざ発売しても求めているお客さんの耳目に届けるのは至難の業です。なので「復刻シネマライブラリー」も取り扱ってくださるお店の店頭PRが中心になります。これでは普段お店に行かない方には、やっとDVDになったことが伝わらない。大変苦労しました。しかしながら、リリースすると「うちで取り上げたいので画像を貸してください」というお問合せが続いた伝説の作品があります
もっとみる「もしも」の世界『五月の七日間』と『ブラス・ターゲット』
この2本はわたしが復刻シネマライブラリーを担当する前にリリースされていました。2本とも傑作ですが、もうとんでもないプレミア価格になってしまいました。
いずれも「もしも」の世界を描くサスペンスです。
まずは『五月の七日間』からご紹介しましょう。
アメリカ大統領(フレドリック・マーチ)の米ソ核軍縮条約案をソ連が受諾し、平和な国際情勢が続いていたが、ホワイトハウス前では反対運動や暴動が絶えなか