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ぼくが聖書を好きな理由

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キリスト教の礼拝でするお話の原稿はこちらにまとめています。そんなに「新しい」とは自負していませんが、「正統派」に疲れた方々に届けたい聖書のまた一味違った魅力を書いています。
大体月に4本です。 一本200円の記事をマガジン登録で500円でお読みいただける設定にしています。…
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#預言者

クリスマスに読みたい聖書の話⑦〜イザヤ書9章1−6節(1)

クリスマスに読みたい聖書の話⑦〜イザヤ書9章1−6節(1)

アドベントの第二週が始まります。第二週目はイザヤ書9章1−6節から。ところがこの箇所は読みようによってはとんでもなく好戦的に響く可能性があります。

特に6節の「ダビデの王座とその王国に権威は増し…」から、ユダ地方(ヨルダン川南西部地域)の勝利宣言を読み取り、それを2700年近く引きずってダビデの王座こそが秩序と安定であると信じそれ以外を徹底的に攻撃することがまかり通るからです。読み違えも良いとこ

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ひとりの助かりについて イザヤ書より

ひとりの助かりについて イザヤ書より

イザヤ書後半に収録されている「僕の歌」と呼ばれるものの一つです。

研究とは「面白い」ものです。
49章にある「僕の歌」は一体どの部分までなのかということをめぐり

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神 動く

神 動く

一昨日これまで住んでいた居宅をお返しし、新しい場所へ移りました。
 これまで住んでいたところとは、2021年に入ってすぐとにかく出て行かねばらなくなった事情があり、同時に子どもたちが大学進学をするかもしれないという受験真っ只中で、本当にどうすればいいのかもわからないので、どっちに転んでもなんとかなるよう、家賃が高くても一時避難的にと考えて追われるように逃げた先。ハイスペックなマンションでしたが、や

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出てこい

出てこい

神は愛といえども、こんなにも厳しいのか、と思えるような言葉が連なっています。

愛の歌?

預言者イザヤは、パレスチナ、南ユダ地域で、具体的にはエルサレムで「愛の歌」をうたおうと声を上げました。その愛の歌の内容は次のようなものです。

 神が民を愛している。
 ぶどう畑の手入れをしたが、ぶどうの実は「酸っぱいぶどう」だった。
 あれほど手を尽くしたのに
 酸っぱいぶどうがなった
という歌です。

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よろめき倒れる者へ〜イザヤ書3章1−15節より

よろめき倒れる者へ〜イザヤ書3章1−15節より

ユダヤは王国になりました。周辺諸国と同等になりたくて、王制を受け入れました。しかし、二世代目にはすでに破綻したのです(早)。王制度は世襲が基本です。すぐに王位継承の大問題が生じました。三世代目では南北の地域にそれぞれの王が立てられました。

南王国には、外国の技法と建築材を取り入れ荘厳な神殿がありました。神殿を象徴として、「我こそ正当な王権を継いでいる」と威張ります。一方で北側では「正義を貫いた」

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