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「アート×政治で誰一人取りこぼさない社会を創りたい」【東京都・台東区】大貫はなこさんに政治に挑戦する思いを聞いてみた!

こんにちは!FIFTYS PROJECTです。
国際女性デーまであと1週間✨
引き続きインタビュー記事を公開していきます!

『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー企画#10では、東京都台東区の大貫はなこさんに気になることをインタビューしてきました!

まず、自己紹介をお願いします!

 1991年生まれの31歳、広島出身です。東京藝術大学美術学部卒業後、東京大学大学院修士課程で文化政策や文化経営学を学びながら、出版社で演劇書を編集する仕事に就いています。学生時代は文学座附属演劇研究所や、平田オリザさんの私塾・無隣館で演劇を学んでいました。

政治に関心をもったきっかけは?

 家庭の環境により、小さい頃から政治や選挙は身近に見てきていましたが、「政治が世の中を良くしている」という実感はなかなか持てないでいました。その一方、美術や文学が好きで、今の世の中の見方を疑ったり、個人の自由が許されるようなことを可能にするのがアートであると考えていました。実は高校を卒業して一旦は法学部に入学しましたが、そのうちに自分自身の生き方や価値観に疑問を抱き、再受験して東京藝術大学に入学したという経緯があります。しかし、大学を卒業して、労働組合すらない中小企業の会社員として働くうちに社会の息苦しさに再び直面し、一人ひとりの価値観が尊重されるような世の中を、政治の力で少しでも実現していくべきではないかと考えるようになりました。

立候補を考えるようになったきっかけと理由は?

 自分自身の経験から、「アートには社会において寄るべなさを抱えた人を掬い上げる力がある」という実感は持っていましたが、まずは「政治が人を取りこぼさない」ことが大切なのではないか、という意識が芽生えていきました。そのためには芸術分野の知見を持っている人が政治の世界に行くことで実現できることもあるのではないかと感じ、今回思い切って挑戦を決意しました。
 4年後に色々と経験を積んでから挑戦するという選択肢もあったのですが、FIFTYS PROJECTのような女性政治家を増やしていこうという動きに背中を押してもらいました。
 議員に挑戦する前に、まず議員秘書等の政治経験を積むというのも一つの方法かとは思うのですが、それはそれで政治の内部の組織や理論に組み込まれてしまうのではないかという懸念もありました。もう少し気軽に政治に参入できることを示せたらいいなという思いもあったので、私のようにアートの勉強をしてきた人間や、普通の会社員が政治に挑戦することも、後々アート業界にいる人たちや若い女性の立候補を後押しする意義があるのではないかと考えていました。

政治への挑戦を決意するまでに困難だったことは?

 2月まで会社員をしていたため、出遅れているのではないかと焦りが募っています。また、人前に出ることへの怖さもあります。最初の一歩を踏み出すのに躊躇してしまうところがあるので、そこをどう軌道に乗せていくか悩んでいます。
 また、政治団体の届け出など、初歩のところからわからないことだらけで、ノウハウや決まった形がないので苦労しています。台東区も古くから住んでいらっしゃる方が多いので、住民のみなさんにしっかりご挨拶してまわりたいのですが、手探りで進めています。そのため、FIFTYS PROJECTの候補者同士で情報交換ができるのがありがたいです。

政治家になったらやりたいことは?

 抽象的ですが、誰もが排除されない、一人ひとりが尊重される世の中にしていきたいと思っています。近年、「社会包摂」という言葉によって、人と社会を結ぶ役割がアートに期待されています。社会において孤立する人を支援するために、区民が文化にアクセスしやすくなる政策を推進したいと思っています。また、ワークショップや子どものための芸術事業を開催してコミュニケーション教育を推進するなど、アートを通して世界が多様であることを知るための支援にも興味があります。文化政策は、文化にまつわる創作環境だけではなく、子育てや福祉など社会全体に結びついているものだと考えています。
 また、メンタルケアや子育て支援に関しても行政ができることはたくさんあると考えています。子育てされている方にお話を伺うと、地域の子育て支援の充実度によって住む自治体を選ばれている方が多いと感じます。女性のワーク・ライフ・バランスの実現を応援するためにも、メンタルケアや子育て支援を充実させていきたいです。

自分だからこそできること・強みは?

 芸術分野での現場経験を生かしながら、文化支援に携われることだと考えています。台東区には藝大や美術館がたくさんあるのに、自治体との連携が少ないと感じます。上野の公園の中にある施設は国や都の管轄だったりすることが多いのですが、そのような文化資源は街を豊かにする可能性の宝庫のはずです。今ある文化施設を生かしつつ、台東区の伝統も大切にしていきたいと思っています。
 また、社会人大学院生として、リカレント教育も進めていきたいです。何歳になっても学べる、学び直せるような世の中にしたいと思うので、当事者としてできることをやっていきたいです。

母校東京藝術大学の卒業式での一枚。着物姿で卒業証書をもつ大貫さん。

台東区の好きなところと、もっとよくしたいところは?

 台東区は「便利だから」というより、谷中や蔵前など、「この地域が好きだから」あえて住む方が多い印象があります。そんな街の情緒を守りつつも、古民家が多いので、防災等はしっかりと進めていきたいです。寄席や大衆演劇の劇場など、浅草周辺の芸能文化も面白いものがたくさん残っていますし、上野にも文化施設が多く、観光に来られる方も多い地域です。多様な顔を持つ街の魅力を守り、残していけるよう励んでいきたいです。
 また、休日は観光客が多く、道が狭く車が通るのが難しいところやお一人で住んでいらっしゃる高齢者の方が多い地域もあります。区民の方々の声を聞きながら、より住みやすい場所に改善していきたいと考えています。「台東区に住みたいけど、物件が少ない」という声もよく聞くので、それに対してもなにかできたらと思っています。

なぜFIFTYS PROJECTに参加しようと思ったの?

 22年の夏に選挙への挑戦を考え始め、若い女性が出馬することへのハードルの高さが不安でいろいろとネットで調べていたところ、FIFTYS PROJECTの存在を知りました。このような団体が支援する体制を整えてくださっているなら、私も怖がらずに声を上げていこうと大変励まされたので、選挙への挑戦が決まったら是非とも参加したいと思っていました。
 FIFTYS PROJECTの理念に関する部分では、選択的夫婦別姓に関して特に問題意識、当事者意識を持っています。苗字が変わったのが嫌でエア離婚をしている知人もおり、制度としてのおかしさを日々感じています。私自身もパートナーとは結婚という形は取っておらず、苗字が変わってしまう今の制度を使ってまで結婚するのは嫌だなという気持ちもあります。生きていく上での不自由を感じているので、ジェンダー平等政策は区政でしっかりと進めていきたいです。

春に向けて、どんな活動をしていきたい?

 楽しい選挙にしていきたいです。従来の選挙のやり方で効果的なものは取り入れつつも、もっといろんなやり方があっていいと思うし、先輩の声を聞きながらも自分のスタイルを作っていきたいです。選挙ボランティアに抵抗感なく参加できるようにしたり、参加している人も私自身も楽しめるような形にできるよう試行錯誤していきたいです。

街頭でマイクをもち演説する大貫さん

インタビューを終えて
インタビューを通して大貫さんから感じられたのは、政治でよりよい社会を目指す決意でした。しかし、それは最初からあったものではなく、大貫さんの経験と実感あってのものだと感じます。大貫さんの言葉は、気取らず飾らず、そして誠実で私たち市民に寄り添うものでした。大貫さんなら、私たち市民の声に耳を傾け、よりよい社会へとつなげてくれると信じることができます。台東区の多様な魅力と豊かな文化を生かす区政に期待します!

取材・執筆:あいちゃん&みっちゃん
取材日:2023年1月20日

大貫はなこ(基本情報)
1991年生まれ/広島県出身/台東区上野桜木在住
台東区にある東京藝術大学卒業/東京大学大学院修士課程で文化政策を研究/出版社に勤務/自らも演者として演劇に関わり、演劇書の編集に携わる/「アートと政治をつなぐ」がキーワード

大貫さんについてもっと知るには?✨
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今回は、アートの分野での経験を強みとする大貫さんにお話を伺いました!
様々なバックグラウンドをもつ人が政治の世界に増えるといいですね✨
次回もお楽しみに!

FIFTYS PROJECTとは?
私たちは政治分野のジェンダー不平等の解消を目指し、20代・30代の女性(トランス女性を含む)やノンバイナリー、Xジェンダー等の方に対して2023年4月統一地方選をはじめとした地方議会議員選挙への立候補を呼びかけ、一緒に支援するムーブメントをつくろうと活動しています。

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