石嶋ユウ

「誰かの心を動かす言葉を綴りたい」そう願って物語を作りはじめた創作家。よろしくお願いし…

石嶋ユウ

「誰かの心を動かす言葉を綴りたい」そう願って物語を作りはじめた創作家。よろしくお願いします。

マガジン

  • 孔雀とナイフとヒエラルキー

    長編小説『孔雀とナイフとヒエラルキー』の連載をまとめたマガジンとなります。 あらすじ この物語を誰かの青春に捧げる。 女子高生、佐野由香里は同級生たちと過ごす‘当たり前の日々‘に違和感を抱えて過ごしていた。そんな中、学年の中心人物である石崎友美から忌み嫌われているクラスメイト、倉持咲が由香里に近づいてきた。 咲との距離が近づくにつれ、由香里の中で友美と咲の現状を変えなくてはという思いが芽生え始める。  そんな時、咲は血のついたナイフを由香里に突きつけた。 なぜ、咲は血のついたナイフを持ち、由香里に向けたのか? 咲にナイフを向けられたまま、由香里は彼女と共に逃避行をすることになる……。  この世界で生きる理由とは何か。 (小説家になろう、ノベルアッププラス、ステキブンゲイ他でも公開しています。ご了承ください。)

  • 思考の記録

    何気なく考えたことを綴った記事たちをまとめた物です。

  • 文学フリマ関連

    文学フリマ関連の記事をまとめたマガジンとなります。

  • 小説作品

    石嶋ユウがnoteで書いてきた作品をまとめてあります。

  • 「ちくま800字文学賞」応募作品集

    「ちくま800字文学賞」に応募した作品をまとめたマガジンとなります。

最近の記事

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5/19開催文学フリマ東京38お品書き(4/20情報更新)

 石嶋です。  5/19(日)、東京流通センターにて開催の文学フリマ東京38に出店させていただきます。第一報については下記の記事をご覧ください。  当記事ではブース情報に加え、当日に販売する作品のご紹介をさせて頂きます。今回の出店では新刊1冊、既刊1冊を販売する予定です。また、別ブースより寄稿したアンソロジー1冊が販売されます。 イベント情報イベント名: 文学フリマ東京38 開催日: 2024年5月19日(日) 時間: 12:00〜17:00 入場料: 1000円(税込)

    • 創作大賞2024に応募します

       石嶋です。  この度、note主催の「創作大賞2024」に応募します。  ひとまず、今の自分の状態で新作は難しそうだなと思ったので、既存作である『孔雀とナイフとヒエラルキー』をミステリー小説部門で応募しました。  本作が少しでも誰かの目に留まってくれることを願っています。  新作は気が向いて、書ききれそうだという状態になったら出すと思います。  ということで、皆さま、ご声援の程、どうぞよろしくお願いいたします。

      • 5/19(日)文学フリマ東京38に出店いたします

         ご無沙汰しています、石嶋です。 昨年11月の文学フリマ東京37では、大変お世話になりました。前回はおかげさまで、用意した部数全てを売ることができました。  さて、5/19の文学フリマ東京38まで今日2024年3月19日で丁度あと2ヶ月ですね。ということで、前回に引き続きOver Drive Studioというブースで出店予定である事をお伝えします。 イベント情報イベント名: 文学フリマ東京38 開催日: 2024年5月19日(日) 時間: 12:00〜17:00 入場料

        • 文学フリマ東京37で出店して

           2023年11月11日(土)、東京流通センターにて文学フリマ東京37が開催された。  今回私は「Over Drive Studio」というブース名で出店した。これまで知り合いの方のサークルから呼ばれて参加・出品したことがあったが、単独での出店はこれが初となった。  今回の出店では、新刊1冊とサークル参加時に書いた既刊2冊を計55部用意した。また、事前に取り置きを行ったところ11部の取り置き希望があったので、当日販売分は実質44部となっている。  約1ヶ月かけて事前に在

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        5/19開催文学フリマ東京38お品書き(4/20情報更新)

        マガジン

        • 孔雀とナイフとヒエラルキー
          12本
        • 思考の記録
          14本
        • 文学フリマ関連
          10本
        • 小説作品
          14本
        • 「ちくま800字文学賞」応募作品集
          5本
        • 銀河オーバードライブ
          16本

        記事

          明日は文学フリマ東京37

           いよいよ明日11/11(土)は文学フリマ東京37が開催されますね。今回もかなりの規模感で開催されるので、どうなるのか楽しみです。欲しい本たちが買えると良いなと思っています。  1ヶ月前に出店する旨をアナウンスしてからあれよあれよという間に開催です。月日は早いですね。  今までサークルに混じって参加することはあったのですが、個人でブースを出すのは初めてとなるので、楽しみ反面不安なところもあります。ただ、あまり不安になっていてもしょうがないので、できるだけ不安がらずにやって

          明日は文学フリマ東京37

          文学フリマ東京37いよいよ明後日開催!い-63「Over Drive Studio」では取り置きを明日まで受付中です! よろしくお願いします! 文学フリマ東京37【入場無料】 2023/11/11(土) 12:00〜17:00 ・会場: 東京流通センター 第一展示場・第二展示場

          文学フリマ東京37いよいよ明後日開催!い-63「Over Drive Studio」では取り置きを明日まで受付中です! よろしくお願いします! 文学フリマ東京37【入場無料】 2023/11/11(土) 12:00〜17:00 ・会場: 東京流通センター 第一展示場・第二展示場

          文学フリマ東京37まであと3日!第二展示場い-63「Over Drive Studio」でお待ちしています。よろしくお願いします! 【入場無料】 11/11(土) 12:00〜17:00 ・会場: 東京流通センター ・詳細: bunfree.net/event/tokyo37/ 

          文学フリマ東京37まであと3日!第二展示場い-63「Over Drive Studio」でお待ちしています。よろしくお願いします! 【入場無料】 11/11(土) 12:00〜17:00 ・会場: 東京流通センター ・詳細: bunfree.net/event/tokyo37/ 

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』終幕

          終幕 思い立って列車に飛び乗り、私は三年前に果たせなかったことを一人で果たそうと当時とほぼ同じ道のりで南の方へと向かった。途中、大きな街で休憩を済ませてから最終的にあの場所に一番近い駅に着いたのは夕方を過ぎ、夜になった頃だった。近くに掲げられていた地図を見て目的地を探していると、すぐそばで話し込んでいた老人たちが私のことに気がついた。 「こんな時間にここで降りるなんて珍しい。何しに来たんだい?」  老人の一人が私に訊ねてきた。私は迷いなく答えた。 「友人が見れなかった物を見に

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』終幕

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第7幕

          月日1  寒々しい空の季節が今年もやってきた。自分の部屋の窓から見える空は晴れていたが、どことなく乾いた印象があった。もう少ししたらあの事件から三年が経ってしまう。私はあれから何もできずにいる。色々なことを試してはみたが辛い気持ちばかりが蘇ってしまうことの繰り返しだった。高校をちゃんと卒業できたでもなく、何か仕事をしているでもない宙ぶらりんな状態。私自身、この宙ぶらりんな状態がずっと続くことはあまり望んではいない。だが、結局はそうなっていて、それすらも嫌になってくる。  お

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第7幕

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第6幕

          ヒエラルキー1  事件の後、退院した私は警察からの聴取を受けた。事件に関するあれこれを聞かれた末、咎められることはなかった。どうやら、青木さんら事件に関わった警察官たちが私のことを庇ってくれたらしい。そうしているうちに事件から二ヶ月近くが経っていた。  三月の朝。私は久しぶりに学校へ行く準備をしていた。 「本当に大丈夫なの?」  荷物をまとめているとお母さんが私のことを心配してくれた。どうやらクラスのことが心配なようだった。 「まあ、無理はしないよ」  そう言いつつも私

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第6幕

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』幕間3

           病室で私は再び夢を見た。  夢を見るのは友美に切りつけられた日の夜以来だった。  ゾンビみたいな私は暗闇に差し込んだ光の方へと歩き続けていた。そこには何が待っているのだろうか。期待と不安を胸に私は、ついに光を掴んだ。光を掴んだ瞬間、それは眩く輝いた。私は思わず目を伏せた。  眩い光があたりを包み込んで、温かな世界を作った。温かな光に包み込まれた私の目の前には綺麗な羽を持った孔雀と綺麗な銀色のナイフがあった。 「孔雀とナイフ……」  私は孔雀とナイフに触れようとした。す

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』幕間3

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第5幕

          友達1  時刻は夕方の十七時。私たちは九州の端の方までもうすぐのところまで到達していた。 「あと少しだ」  息を切らしながら咲が呟いた。彼女は覚悟を決めた顔をしていた。それに私は気がつかないふりをしてしまった。私が未だに後悔している瞬間の一つである。  もうすぐで目的地というところで突然、咲が足を止めた。 「由香里、私がどうして孔雀座を見たいのか教えてあげる」 「どうしたの急に?」 「私には、今ここで由香里に伝えなきゃいけないことがあるんだ」 「伝えなきゃ、いけないこと?

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第5幕

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第4幕

          ナイフ1  友美が姿を消してから一晩。朝のニュースでは相変わらず話が続いていて、私たちの学校の前には報道陣が昨日よりも多い数で押し寄せていた。私は両親や先生方から勧められて学校を休むことにしていたが、この状況では行かない方が良かったとニュースを見て思った。登校中の同級生たちが何人か映った。マスコミの人々が彼らに声をかけた。 「すみません、今回の事件について何か知っていますか?」  リポーターが訊ねる。 「いえ知らないので、ちょっと……」  みんな、どう答えていいのか悩んで

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第4幕

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』幕間2

           その晩、私はまた夢を見た。  それはこの前の夢の続きだった。    崩れてしまったピラミッド。延々と続く暗闇。私は無の世界を彷徨い続けていた。無の世界はどこまで続いているのだろうか。歩き続ける私は血だらけだった。体がどんどん朽ちていく。夢の中の私はまるでゾンビだ。 「もう、少し……」  ピラミッドはもう無い。あるのは暗闇で、どこに何があるのかもわからない。  彷徨っていると後ろの方から何かが私の足元を掴んだ。私は慌てて振り向いた。わずかな明かりで眼前には骨が剥き出しになっ

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』幕間2

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第3幕

          孔雀1  いよいよ一年が終わるという冬の空。昼の十三時、私は待ち合わせをしていた。相手は佐伯くんという同い年の男の子で、倉持さんの家の隣に住んでいた。程なくして、長身のすらっとした男の子が私の前に現れた。相手と私は幾らかお互いを見合ってから挨拶を交わした。 「佐野さんですよね? 佐伯です。よろしくお願いします」 「そうです。こちらこそよろしくお願いします」 「では、早速行きましょう」  私と佐伯くんはゆっくりと歩き始めた。程なくして、彼の方から言葉が出た。 「佐野さんは、

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第3幕

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第2幕

          聖夜1  十二月二五日、クリスマス。学校が冬休みに入っていたので、私は普段より遅い起床となった。この日、午後から友美の家でパーティーが開かれる。私は楽しみな気持ちと億劫な気持ちが混ざり合って、ブルーな気分になっていた。 「そうか、今日か」  私は部屋を出て、リビングへと出た。そこにはストレッチをしながらテレビを見ているパジャマ姿のお母さんの姿があった。お母さんはどうやらこの日、仕事は休みだったらしい。 「お、由香里おはよう」 「おはよう」  お母さんは既に朝食を食べていた

          『孔雀とナイフとヒエラルキー』第2幕