『孔雀とナイフとヒエラルキー』終幕
終幕 思い立って列車に飛び乗り、私は三年前に果たせなかったことを一人で果たそうと当時とほぼ同じ道のりで南の方へと向かった。途中、大きな街で休憩を済ませてから最終的にあの場所に一番近い駅に着いたのは夕方を過ぎ、夜になった頃だった。近くに掲げられていた地図を見て目的地を探していると、すぐそばで話し込んでいた老人たちが私のことに気がついた。
「こんな時間にここで降りるなんて珍しい。何しに来たんだい?」
老人の一人が私に訊ねてきた。私は迷いなく答えた。
「友人が見れなかった物を見に