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すべての組織論を総括する5つのステージ

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書籍『トライブ』で語られた「集団の5段階」という概念を基礎とし、あらゆる組織論、リーダーシップ論、教育論を総括し、再構築する。
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記事一覧

集団の5段階⑥ ステージ5 「人生は素晴らしい」 ~無限に発展していく文化とネットワーク~

集団の5段階⑥ ステージ5 「人生は素晴らしい」 ~無限に発展していく文化とネットワーク~

書籍『トライブ』で定義されている最高のステージが、ステージ5です。

『トライブ』で、ステージを分類するために用いたのは、集団に所属する人間がどのような言葉を使っているか、ということです。

ステージ1 人生、最悪、めちゃくちゃ、ぶっ壊す、無理、無視、どうでもいい

ステージ2 上司、人生、やってみる、無理、あきらめる、やめる、最悪

ステージ3 わたし、わたしに、わたしの、仕事、やった、やる、あ

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集団の5段階⑤ ステージ4 「私たちは素晴らしい」 ~全員が主役の分散処理ネットワーク~

集団の5段階⑤ ステージ4 「私たちは素晴らしい」 ~全員が主役の分散処理ネットワーク~

ステージ4の概観ステージ3とステージ4の違いはネットワークの効率性です。

一匹狼のプレイヤーやトップダウンのマネージャーが支配するネットワークでは、いくら個人が優れていようと、個人が集まれば集まるほど効率性が低下します。

それは、互いの意思疎通や情報共有のためだけに膨大なコストが生じ、集団が持つリソースが膨れ上がった事務作業、会議、報告決裁、社内政治に対処することに使い尽くされてしまうからです

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集団の5段階④ ステージ3 「私は素晴らしい」 ~孤高の戦士、もしくはトップダウンの世界~

集団の5段階④ ステージ3 「私は素晴らしい」 ~孤高の戦士、もしくはトップダウンの世界~

ステージ3の概観 自己の人生を否定的に見ていたステージ2までとは打って変わって、自らを肯定的にとらえている点がステージ3の特徴です。

ステージ3「私は素晴らしい」
 ステージ3の意識の根底は、「自分は素晴らしい」という考え方である。自分の能力や仕事に誇りを持ち、誰よりも熱心に活動をする。裏には、「自分は素晴らしいがお前は違う」という思いが隠れており、ステージ3の人間が集まると相手を貶めようと必死

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集団の5段階③ ステージ2 「私の人生は最悪だ」 ~自己効力感を失った諦めの世界~

集団の5段階③ ステージ2 「私の人生は最悪だ」 ~自己効力感を失った諦めの世界~

ステージ2の概観ステージ2は、無条件に人生を最悪のものとみなしていたステージ1からは一歩進んで、「人生には最悪ではないものもある」という認識を得た上で、

それでも「自分の人生は失敗であり虐げられている」という思いを持っています。

その思いを一言で表すと、「私の人生は最悪だ」となります。

ステージ2「私の人生は最悪だ」
 ステージ1との大きな違いは、最悪なのはあくまで「自分の」人生だけであり、

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集団の5段階② ステージ1 「人生は最悪だ」 ~生存が脅かされた孤立状態~

集団の5段階② ステージ1 「人生は最悪だ」 ~生存が脅かされた孤立状態~

ステージ1の概観書籍『トライブ』の集団の5段階において、ステージ1は、「集団」とは到底みなせない完全に孤立した状態にあります。

ステージ1「人生は最悪だ」
 他者から孤立し、人生は無条件に最悪のものだという考え方をする。このステージの人間が集団を作った場合、ギャング組織などの形で絶望的な敵意が行動に表れる。
ステージ1から抜け出すためには、会食や会議や集会などの場に参加し、人生にはうまくいく場合

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集団の5段階① すべての組織論を総括する5つのステージ

集団の5段階① すべての組織論を総括する5つのステージ

集団の5段階とは世の中には様々な形のリーダーシップ論、組織論が溢れています。その中身は千差万別ではありますが、大きく分けて2つの系統が存在するでしょう。

ひとつは、リーダーとしての個人の経験を語ったもの。

もうひとつは、何らかの指標を元に統計などの手法で分析したもの。

ここで紹介する「集団の5段階」は、『Tribal Leadership(邦訳:トライブ―人を動かす5つの原則)』の中で語られ

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