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Fieldism Live Report Vol.9: UNMASK aLIVE Pre. ''ONE AND ONLY FESTIVAL'' Day2 (6-19-2022)

↑前回のライブレポはこちら


※各所(敬称略)からコメント頂いております、本当にありがとうございます。

Takashi (HOLLOW SUNS)

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Sakura (C-GATE)

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石井純平 (Azami)

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KD (UNMASK aLIVE)

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シオリ / hksi (「AGERATUM」主催、詳細は後述)

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オガワ (イベントスタッフ、B.B. STREET)

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 いつもお世話になっております、FieldismのRyotaです、

 今回は京都・福知山発ポップパンクバンドUNMASK aLIVE主催 ''ONE AND ONLY FES'' のライブレポをやっていきます。2日間の間に親交の深い全国のポップパンク・ハードコア・メタルコアバンドetc...23組とアンマスの計24組で行われるキャリア史上最大規模の音楽フェスでした。

 筆者は1日目が仕事の都合で参加することができなかったので2日目のみになりますが、行った方は当時の余韻に浸り、行けなかった方も是非当日の様子を想像してもらえたらと思います。なるべく解像度を高くして書いていきますので。

※各出演者・関係者の名前は敬称略になること、予めご了承ください。

DIYのフェスティバル・ロケーション・フード・アパレルetc...

 トピック通りなんですが、今回のこのフェスはDIYで行っているのが最大の特徴です。会場はライブハウスではなく天保山(海遊館とかあるとこですね)近くの築港赤レンガ倉庫、そこの世界中から集めた希少なヴィンテージカーを展示しているGLION MUSEUMを貸し切ってフェスを行っています。

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平常時はこうなるらしい。

 そのGLION MUSEUMからクラシックカーを外に出して機材やドリンクetc.を搬入し、当日オーディエンスを入れていたわけですね。実際海外のローカルのハードコアフェスのようなロケーションで最高でした。


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 当日は上記の画像の通り、GLION MUSEUM内の展示場の2スペースを貸し切ってました。当日展示場1を ''VisualArts STAGE''、展示場2を ''MD STAGE'' にタイムテーブルを分けてましたね。VisualArtsは大阪市北区にある専門学校で当日は生徒が裏方としてサポート、MDはアンマスはもちろんTEMPLEやCRACK NUTSなどの音源に携わっているMD Recordsから取っています。当日MD Records/MD STUDIO代表で食堂も経営している宮木猛氏が来て、そばを直販していましたね...。


 他にもフードでは天満を始め大阪4店舗で展開している焼鳥スミスが出店、アパレルは多くの国内バンドのマーチをプロデュースしているストリートファッションブランドSANAGARAと古着も手掛けているPelsive Storeが参加し、音楽以外でも楽しめる要素満載でした。焼鳥スミス美味しかったです(写真撮り忘れました、またか)。


 あとどうでもいいですが、GLION MUSEUMの向かいの建物は完全予約制の高級車専門カーディーラーやディナーなら一人1万円は余裕でかかるフレンチレストランやステーキハウスやら並んでました。庶民の我々には到底手の届かない存在に位置していて格差社会を感じましたね。



 さて、本題のライブの様子に参りましょう。今回筆者は12バンド中9バンドを観ましたのでその時のセトリやMC、今後の予定とかいろいろ書いていきます。

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Good Grief

 2日目のトップバッターを務めるのは、東京を拠点に活動するポップパンクバンドGood Grief。個人的には昨年9月に心斎橋Varonの ''COMING HOME'' で観た時以来です。あの時はアンマスを始め、NO BRIGHT GIRLVII DAYS REASONなど各地からポップパンクバンド大集結祭でした。諸事情で最後までいれませんでしたが楽しかったです。ちなみに初見は今回イベントスタッフしていたオガワが3年前に大阪でやった自主企画の時です。懐かしいですね。

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 音楽性やプロフィールについては今月公開した新曲特集でも取り上げたときに言及した通りなのでここでは割愛しますが(未読の方は是非)、 1曲目から昨年7月に主催UNMASK aLIVEとの共同作品 でリリースされた''2 WAY SPLIT EP'' の ''Satellite'' を披露。まだ一バンド目にも関わらず、心躍る軽快なパフォーマンスにフロアのボルテージも急上昇。拳を掲げてしまいましたね。


 3曲目には前述の新曲特集でも取り上げた、飛行場で撮影されたMVが印象深い ''Haunt'' を初めてライブで披露。当日は良い天気でしたが、これからの季節にうってつけな爽やかで軽快なメロディーと、所々挟まれる複雑なドラミングとシャウトボーカルを交えた激しさがアクセントになっていて観ていて清々しい気分になります。フロアも完全に「あの時」に戻っていて「やっと帰ってきたんやな」感あります。


 エネルギッシュなVo. YasuのMC「仲のいい友達みんなが集まって面白いことをやってる中俺たちもここにいるのもそうだけど、何よりバンドをやっていて一番嬉しいのはこういうときだと思う(意訳)」の通り、ジャンル関係なく仲のいい友達が集まって何かやるっていうのはアットホームな雰囲気になります。

 最後はミニアルバム ''Square One'' から ''Forever'' で締め、トップバッターからホームランを打ってくれました。サビのシンガロングパートが最高すぎて思わず入ってしまいました。今リリック見返すと1小節目から ''Take back the time~'' で完全に「俺たちのやりたかったことを取り戻した」かんあって感慨深いです。


前回のライブレポKings and Queensの時にも言及ましたが、東京の個人イベンターHIRAETHのunityツアー大阪編(7/30)でまた関西に来ることが決まっています。現状行くかわかりませんが、今日のライブを観てしまったらまた行きたくなりますね。

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C-GATE

 MD stageトップバッターは東京を拠点に活動しているメタルコアバンドC-GATEです。普段からご愛読している皆様はご存じだと思いますが、Fieldismでも新曲が出るたびにピックアップ4月の花冷え。との共同企画 ''Bident'' のライブレポートを公開している通り、筆者が強烈にプッシュしているバンドです。先日もその共同企画名をタイトルにした新曲をリリース&その意外過ぎるMVで話題沸騰中の彼らですが、昨年のPrompts国内ツアー以来約1年弱ぶりに大阪にやってきました。

新曲 ''Bident'' もうチェックした?

 

 音出しからCode Orangeの ''Forever'' で威圧感マシマシ。今日の出演者の中で一番チューニングの低いGt. Sakura & Sup Ba. 田浦楽の弦楽器隊+Dr. Hirokiの手数の多いパワフルなドラミング+Vo. Nashunのタフなシャウトは相変わらず衝動にかられます。既に1曲目 ''Derangement'' の時点でフロアはhate6sixでよく見るアレな雰囲気に。その後約一分のショートチューン ''Pink (UNMASK aLIVEのGt/Cho. テツヤfeat.)''→''Fog''と畳みかけていきます。


 4~5曲目は今年の2月にリリースした残虐かつ厳格なアートワークが強烈なインパクトを生むシングル ''Hypocrisy'' から ''Eat'em All'' とタイトルトラック、苛烈なブラストビートとデモニックなグルーヴの応酬にはフロアの皆さんも狂喜乱舞。出番終わったばかりのGood GriefのYasuも元気に遊んでいます。


 最後はもちろん拳を掲げてしまうイントロ&アウトロ+サビのブラストビートと単音トレモロリフが際立つ現体制C-GATE屈指のメタルコアアンセム、 ''Because We'' で終了。最初から最後まで殺◎的な爆音で圧倒されました。この後Dr. HirokiはFooLiGANSのサポートで速攻福岡向かったそうです。

 大阪の予定がバンバン決まっているC-GATE、今週日曜日はVictim of Deception & HOTOKEのツアー、7/10はGraupelのEMPTY VESSELS TOUR、7/23はhksi. Pre AGERATUM Vol.1と、来月までに3回来る様子(Gt. Sakuraは7/3のSable Hills DUALITYツアーでA Ghost Of Flareのサポートでも来阪)。いずれのライブも今回みたいな光景になることは間違いないですが、特に6/26は新曲 ''Bident'' 大阪初披露です。筆者は6/26は行けませんが、今回食らった人は行きましょう。

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ここでLABRETを少しだけ観て外に出て休憩。



HOLLOW SUNS

 2日目4バンドは最近話題が急上昇中のオルタナティブロックバンド/パンクバンドのHOLLOW SUNS。昨年からOtus/INSIDEのBa. Takashi、くだらない一日/Sans Visage etc.のDr. Kouが加入し新体制で動き出し、今年初めにはNEW YEAR'S BLOODAXE FESTIVALに出演し、先日には待望の1stフルアルバム ''Otherside'' をリリースしたばかりという、今勢いに乗っている状況で大阪にやってきました。


 「(俺らそんなにステージダイブとかモッシュとか起こるバンドではないですけど、ゆっくりリズムに乗って)とろ火で行きましょう、とろ火で」と、Gt/Vo. Shuhei Dohi a.k.a. BONE$の曲間のMCの通り、グランジやシューゲイザーなどの要素をミックスした現代的解釈のオルタナティブロック、''Dry Out'' や ''Deep Down'' はもちろん最近MVにもなった''Deception''など新曲ラッシュでフロアはトランス状態。踊れる空間が出来上がっていました。


  HOLLOW SUNSのステージが始まる前にCertainのGt. Hayatoと話していたんですが、彼らの根底にはやはりハードコアが根付いていることを改めて今回のライブを観て感じました。Otusでも活動しているBa. Takashi「ハードコアってベースとドラムが特に重要だなと思う」とONE VOICE ZINE(下記URL貼っておきます)で言及している通り、ハードコア影響下の骨太なサウンドがこのバンドでも垣間見えています。海外で言えばJesus PieceのVo. Aaron Heardがハードコアパンク/シューゲイザーバンドNOTHINGでベースを弾いてるようなイメージだと思います。


 既に音源紹介でも言及しておりますが、新譜のプロデューサーはTurnstileCode Orangeも手掛けたWill Yip(日本人アーティストの完全プロデュースは初)、アートワークはOne Step Closerの最新作 ''The Place You Know'' も手掛けたJeffrey Kamです。やっぱり根底にはハードコアがあるということですね。

 「こういう歴史的な場所で新しい歴史を作ることは並大抵でできることじゃない、心からリスペクト」「ONE AND ONLY FESTIVAL、文字通り二つとないことをみんなで作ろう」というMCと共に、世界のリスナーに説得力を持たせる25分を魅せてくれました。


 7/9の下北沢BASEMENT BAR/THREEから年末の渋谷Spotify O-WESTのファイナルまで、先述の新譜 ''Otherside'' リリースツアーが決まっているHOLLOW SUNS、関西は7/16の南堀江SOCORE FACTORYと10/23の神戸 BLUEPORTが決定。大阪編(7/16)はアンマスも出演するので今回食らった関西の方は要チェック。

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CRACK NUTS

 2日目5組目は大阪発ハードコア・パンクバンド a.k.a. 大阪の速いやつ、CRACK NUTSです。ex. EYE HAVE YOU, HOJOASAM//MASSACRE, After My Fadingなど選りすぐりのメンバーからなるこのバンドは、EYE HAVE YOUからそのまま受け継いだをスピード感に溢れるタイトさとメタリックでタフなグルーヴを交えたFFO: COMEBACK KID/Championあたりのパッション溢れるサウンドと、熱のこもったボーカルシャウトと拳突き上げ不可避なシンガロングコーラスがフロアを掌握します。

 元々Vo. を務めていたex. EYE HAVE YOUのトムが脱退し、現在は4人体制(Sup Dr.はMIND STEPのFULL-CHIN)でライブ活動をしている彼ら、筆者個人としては生で観るのはまだ2回目なんですが、相変わらずエネルギッシュで破天荒なパフォーマンスで体を動かずにはいられない衝動にかられます。ちなみに初見は昨年末のTEMPLE企画「大阪歪総本山」で、HORSEHEAD NEBULAや当時初来阪の名古屋HOUNDもいましたね。

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 Gt/Vo. しょうたろうの「ONE AND ONLY言うてるけど、絶対一回で終わらさへんし、皆さんも今日いる他のバンド広めたってください」「何のためのパンクやねん、何のためのカウンターカルチャーやねん」と、熱量あふれるMCでたぎりましたね。実際のライブでもそのストレートにかき鳴らされる熱いサウンドとシンガロングに、フロアのオーディエンスは皆アドレナリン爆発。


 さらに直近でMVがリリースされた''MAVERICK''では同じMD Recordsつながりの盟友SAHAAからVo. TIGA、''BACKSTAB''では後述のTEMPLEのVo. MERCYもfeat.し、破天荒なパフォーマンスは最後までヒートアップ、25分12曲のセットリストをF1並の速度で駆け抜けていきました。


 そんな強烈なインパクトを残して帰っていったCRACK NUTSですが、来月に2ndアルバムがリリースされるそうです。しょうたろう氏言わく「次の作品から、ガラッと音楽性変えます」って言及されているので、こういう速いのは最後になるかもしれません。決してドライブ中に聴くバンドではありませんが、要チェック。



Azami

 折り返しになる6バンド目は越谷発叙情ハードコアバンドAzami。年始の来阪のタイミングで動けなかった筆者個人としては3年くらいぶり & 体制が変わってから初めて観ます。現Vo. 石井純平 a.k.a. JP (ex. SAINTZ)が加入し活動再開から1年経ちましたが(正式加入のアナウンスは7月ですが)、前バンドでも顕著に見られた爆発的なパフォーマンスでオーディエンスを圧倒している印象です。


 楽器隊の演奏をバックに、スーパーヒーローさながら赤レンガ倉庫の上の通路から階段を降りてステージに立つJPにオーディエンスのボルテージはMAX。代表曲''カガミグサ'' → ''Farewell'' と畳みかけてくる展開、前任Vo. 三浦詩音とまた違うスタイルを持つJPの「もっと来いよ!」と言わんばかりの圧倒的なオーラにフロアはステージダイブの嵐。フロアにいる人全員に注目を向けさせるパフォーマンスには筆者もリアルに膝を付いて掲げざるを得ませんでした。

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 そして3曲目にプレイした現体制初の楽曲 ''Milestone'' 、直近の新曲紹介の導入でも触れましたが、10年以上ライブハウスに通ってきてそこで出会った友達・バンドマンと出会っては別れを繰り返してきた中で、取り残されているような孤独感/虚無感をふと感じてしまうことがある自分には、この曲の内容は来るものがありました。

 別に自分の道を進んでるだけで見当違いなのは分かってるんだけど、どうしても感じてしまうんですよね。この曲のサビに入った時、そんなバンドと自分の境遇を重ねてしまい涙が出てきました。モッシュもダイブもせずにただ拳を上げて立ち尽くしていました。


 最後は初期からの代表曲で最もアグレッシブな ''ヘイトスピーチ'' でフロアが再び大変なことに。詳細は後述しますが、最後のブレイクダウンで某バンドマンが元気にぶん回してて笑顔。久しぶりに聴いたけどやっぱりかっこいいです。

 

 個人としては2016年のVision of Fatimaとのスプリットリリース&Capsize来日ツアーで始めて観た時ぶりに心を動かされてしまったAzami、次回は7/23のhksi. pre ''AGERATUM Vol.1'' で再びC-GATEと大阪にやってきます(フライヤーはC-GATEの欄参照)。ちなみに活動を休止しているBa.加藤航のピンチヒッターTKCのバンド、YOU'VE GOT A TARGETも一緒にやってきます。実は火影は初めてのAzami、どんなライブになるか楽しみですね。

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良い日でしたね。



TEMPLE

 7バンド目は大阪を拠点に活動しているメタル・ハードコアバンドTEMPLE。2019年の始動当時からハードコア・パンクロックを基軸にしたエクストリームな音楽性でしたが、Gt.がex. HOJOASAM//MASSACREのHOJO/560000560000に入れ替わってからは更にその音楽性はデスメタル・グラインド・スラッジ・ドゥームetc...PALMにも通じる多種多様なジャンルを消化。直近のリリース ''Apocalyptic Fog'' ''No Redemption'' でもその暗黒ぶりを発揮しましたね。


 音源はもちろん、実際のライブでも衝動だけに頼らない高い演奏力に裏打ちされたパフォーマンスでハードコアに固執することなく精力的に活動を続けている彼ら、先月のPDF SUMMER BASH 2021振替公演でも若手枠として抜擢されたのがそれを証明していますが、今回の公演でもその圧倒的な衝動とテクニックでフロアのテンションは爆上がり。GLION MUSEUMのロケーションも相まってhate6sixで出てくるローカルのハードコアショウの動画みたいになってました。

フルで動画上がってます

 

 例のごとくマイクを額にぶつけ、破壊力抜群のボーカルとパフォーマンスでオーディエンスを煽っていくVo. MERCY、変形ギターを手に黙々とデモニックなリフを引き倒していくGt. HOJO/560000560000、パンキッシュな恰好とプレべが様になっており破天荒に魅せていくBa. 豪、そしてブラストビートなど手数の多いドラムをぶっ叩くDr. Horitchと、4人のキャラの立ち方は相変わらず。

 当日のVo. MERCYのMC、その場にいた人もご存知だと思いますが滅茶苦茶カッコ良くなかったですか?「仲良いやつらがこうして一か所に集まってできるから、ライブハウス遊びに行きましょう」もそうだし、「俺らは人間や、道具じゃない」「自分は自分にしか変えられへんし、誰かの圧力で自分なんてのは絶対変えられへん」と、CRACK NUTSのGt. しょうたろうと同じようにカウンターカルチャーに属するものとしての誇りと風格を堂々と示してくれました。


 今週末は三重''HARDCORE TEMPEST''→広島 ''CROSSOVER Vol.5'' と休むことなく精力的にライブ活動を続けるTEMPLE、三重のほうはソールド手前のはずなので、気になる方は急いで予約しましょう。

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Graupel

 続いては日本のメタルコアリスナーでは知らない人はもうほとんどいない(はず)のお馴染みメタルコアサイコパスGraupel。創始者の一人Gt. Yuuが''究極のエクストリーム・ミュージックの追究''をコンセプトに、メタルコア/ニュースクール/ブラックメタル/激情など様々なバックグラウンドを現代的に解釈し、正確無比なサイコパス染みた演奏技術に裏打ちされた唯一無二の音楽性を提示し続けています。

 今は正式メンバーはYuu & Vo. Sotaの二人だけですが、サポートメンバーを入れながら精力的に活動を続けております。今回の公演ではEversolitudeのGt. TKG / ex. Fade in SolitudeのBa. Gabriel / SUBLIMINALS(後述)のDr. Cakeを加えて出陣。開演前Yuuに挨拶しに行ったとき、「大阪で観るの1年半ぶりくらいなんですよね~」とか言ってましたが、普通に半年前にBIRTH EP TOURで観てました...。

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 1曲目から代表曲 ''Bereavement'' → ''Departure'' と畳みかけていく懐かしさと新しさが融合した爆走メタルコアチューンにステージダイブ&モッシュの嵐、3曲目 ''Towpath'' ではアンマスのKDとテツヤがfeat.、後半2曲に''Apathy'' ~ ''Fade Away'' とより次のステージに移行するためのスケールの大きいサビが特徴的なキラーチューンで締めていくセットリストでした。最後の''Fade Away''ではAzamiのJPもfeat.、最終回感ありますね。


 Graupelは昨冬の国内ツアーの際、神戸・広島・秋田の三か所でアンマスと共演しており、特に秋田での公演が印象に残っているそう。Vo. SotaのMC、「秋田でツアーがあった時、彼ら京都から1公演のために長い距離かけて大雪の中秋田まで来てくれて...(中略)...今回はその恩返しのつもりです」と語る。途中の「アンマスのテツヤが奇声あげながら機材搬入しててオーナーのおばあちゃんに諭すように説教されてた」って話面白かったですね。

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 来月は2回大阪に来る予定があり、7/10は火影で自分たちのツアー(先述のEMPTY VESSELS TOUR)、7/16はアメリカ村ドロップでライブハウス主催イベント''OVERKILL''の2公演になります。どちらも個性的なキャスティングで面白そうですね。7/16は別イベントに出向くため厳しいですが、7/10は行く予定です(ライブレポは上げません)。

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 まだ、サポートDr.のCakeですが、大阪でsubliminalsというメタルコアバンドに在籍しています。まだデビュートラック ''World is over'' しか音源化されてませんが、既にライブ活動を始めているので是非チェックを。 



ここで、KUZIRAを少し観てから休憩。焼鳥スミスのから揚げやタン塩串を堪能(写真撮り忘れました、まただよ。)



waterweed

 MD Recordsのトリ前は大阪発メロディックハードコア/パンクバンドwaterweed。結成から20年近いキャリアの中、その飾りげのないまっすぐな感情を疾走感と泣きのメロディに乗せて爆発させる楽曲とパフォーマンスが魅力です。前回観たときはKEEP AND WALK大阪編(ライブレポ書いてます)で新神楽側のトップバッターとして、絶対当日のライブがいい日になることを確信させるほどの熱量に包まれていました。

 今日もそんな「間違いなくいい日になる」フェスに抜擢され、実際のライブも圧倒的なパフォーマンスと熱量でフロアを魅了していきます。1曲目から2019年のアルバム''Diffuse'' の ''Reflection''、Ba/Vo. Tomohiro Ohgaのいかにもパンキッシュで男らしいまっすぐな歌声に拳を掲げてしまいます。その後すぐさま同アルバムから ''Music is Music''(で合ってる?)を披露。この曲名のタイトルの由来調べましたけど、OhgaがBELVEDEREのSteve Rawlesに言われた「音楽は音楽だ。言語が何であろうがそれは変わらない。」がもとになってるんですね...。


 3曲目には同じく ''Diffuse'' から ''Dreaming Dead''(だったっけ) では、「ハードコアのマインドを持ってメロディックなことをやっている」ということが分かる高速メロディックナンバー、途中でアンマスKDがfeat.。ただでさえ熱狂的だった盛り上がりがさらにヒートアップしていきます。(これ以降のセットリストがよくわかっていないので誰か知ってる人いたらコメントとかで教えてください...)

 Ba. Ohgaの曲間のMC、「俺たちが理想としているもの、少しずつ今までの景色を思い出しながらとか、少しでも活用しやすい環境を一緒にやっていければと」と、20年近く走り続けているバンドとしての説得力のあるコメントを残し、25分を駆け抜けていきました。


 waterweedも次に観る機会が決まっています。今回のフェス1日目に出演したメタルコアバンドSable Hillsのアルバム ''DUALITY'' リリースツアー大阪編(7/3)に出演、NUMBERNINE & A Ghost Of Flareとも共演します。メタルコアバンド主催のイベントは「お堅い」イメージがあって行くのをためらいがちですが、この日くらいは今回のライブのような光景を見せてほしいですね。

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ここでMD Stageのトリ、Enthをちょっとだけ観てから大トリまで休憩。いろいろと話題に上がることが多いこのバンドですが、今回は水を得た魚のように活き活きしていました。



UNMASK aLIVE

 2日間のフェスを締めくくるのはもちろん今回の主役UNMASK aLIVEです。コロナ禍でも積極的に音源リリース・ライブ活動を続けてきており、今年の1月までにGood GriefとのスプリットEPリリースツアーを地元・福知山で完結(行けなかった)、それにとどまらず先月は全曲強烈なインパクトを残す配信限定EP ''Perfect Blue'' をリリース、そして今回はキャリア最大規模の活動として、「ライブハウスではない場所でライブハウスのようなこと」をコンセプトに今回のフェスを主催しました。

 「2日間ありがとう、みんなが笑顔になれるように最大限考えたフェス、自分が幸せになる方法を自分で考えてください、自分が幸せになれば周りもきっとそうなれると思うので」とVo. KDのMCの通り、このフロアにいる誰もが笑顔になれるようなエネルギッシュかつエモーショナルなパフォーマンスでした。今まで5~6回観てきた中でも一番良かったです。


 セットリストも ''Focus'' から ''Mirage'' とライブでの定番曲を連発。最近はシンガロングが聞こえない環境下でライブを観ることが多かったので、新鮮な感じでした。バンドメンバーもオーディエンスもステージダイブの嵐で最高です。途中では新譜 ''Perfect Blue'' から二胡をフィーチャーした斬新な中華ポップパンク ''酔夢'' や KD作曲のTurnstileみある ''Not Enough!'' など新曲も連発。


 KDのMC「俺らは逆境には負けねえ、負けたらそこで終わりだろ!!」と共に終盤でプレイされたライブ定番曲 ''9号線の果てに'' ですが、フロアの全力シンガロングの光景はとんでもなかったですね。後ろから聞いてたんですが、はっきりと聞こえてきて最高でした。心を大きく動かされて涙を流しているオーディエンスも見かけました。間違いなくこの日一番のベストモーメント。


 その後「普段はアンコールはやらないんですが、今回はばっちり準備してきました」と披露されたのは、まだ「超社畜バンド」としてライブによる有給休暇の残数低下に苦悩していたころの代表曲「生きたくないと思った日」を披露、最後はシンガロングパート「シーサイドグッバイ~」でお馴染み定番曲 ''Nagisa'' 、今までの出演者もステージに来てマイクジャックして大盛り上がりし、2日間のフェスを締めくくりました。

 「2年後になんばhatchで面白いことやります」と次の目的地を定めたUNMASK aLIVE、これ以外にもまだまだファンを楽しませるような面白いことを考えてそうでワクワクします。


末筆

 というわけで、大分長くなりましたが当日の様子をつらつらと思い出しながら書いていきました。所々記憶があいまいな部分があるので、間違ってたらお手数おかけしますが、コメントやDMとかでご指摘いただけますと幸いです。

 個人的な話ですが、この日は知っているバンドマン・イベンターだらけで日常のあるべき姿が帰ってきた感ありましたね。大阪のクリエイターチームTMSBの二人(UnvisionのVo. TERU a.k.a. LukaやSANAGARAのデザイナーTaishi)& UnvisionのGt. Kuro, がっしー君(Buried Aliveを一緒にやった仲間)、横浜で元気にやっているオガワちゃん、mogari after euphoriaのDr. ねぎ、OLPHEUSのBa. けーすけ、CertainのGt. Hayato(前述)、RNR TOURSのスタッフカオリさんetc...。


 でも一番面白かったのは前日HIKAGEのHOMESICK TOUR東京編を終えて速攻で大阪に遊びに来たWinter WakesのVo. Ruka & Gt. Yuでしたね。Azamiの ''ヘイトスピーチ'' の時ぶん回してたりトリのアンマスで男泣きしながらフロアでわちゃわちゃしてたりして最高でした、バンドでも早くまた大阪遊びに来てほしい。

 

 最初から最後までアンマスが好きなこと&やりたいことを貫き通した今回のフェス、成功したかどうかは当日のオーディエンスの表情や出演したバンドのツイートとか見てもわかる通り、もう言葉は不要ですよね? 筆者個人としても「1日目も行きたかったな~」って少し後悔してしまうくらい満足度は高かったです。2022年のベストライブになるのかわかりませんが、少なくとも上半期で一番楽しかったです。


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