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Fieldism Live Report Vol.4: C-GATE & 花冷え。Pre. ''Bident'' (4-29-2022)

↑ 前回のライブレポはこちらから

いつもお世話になっております、Ryotaです。

 2日前に関東から戻ってきました。昨年の関東訪問は割と短めの日程で割と余裕のある(?)スケジュールだったのか、3年ぶりに関東で過ごすGWはライブ3件+聖地巡礼もろもろで結構かつかつ目の感じで30が近い身体には正直こたえました。どんな感じだったかはツイッターを見てもらえればわかると思うので割愛します。

 今回の東京で足を運んだC-GATE & 花冷え Pre. ''Bident'', Bloodeyed Sunsetレコ発, Ablazeレコ発の3公演はいずれも初めてだらけで色々新しい発見があったのですが、それぞれの公演のライブレポをこれから備忘録として綴っておきます。

 今回は関東訪問中最も異種格闘技だったC-GATE & 花冷え。Pre ''Bident'' のライブレポからやっていきます。Club Asiaは色々話題になった場所で以前から名前は知っていたのですが、行くのは初めてです。ラブホ街のど真ん中にある立地上「店の前で酒に酔って喧嘩してる人がいる」「エイジアの店の前に ''お好み焼きのタネみたいな物体'' が平気で落ちている」みたいな世紀末みたいな話を聴いたことがあるので刺されないか不安でしたが何とか生きて帰ってこれました。

前振りはこのくらいにして、そろそろ行きましょう。

※各バンドのメンバーの名前は敬称略になること、何卒ご了承ください。


1. MAZE

 今回のトッパーはロックアイドルのMAZEでした。筆者はアイドルの界隈に関してはあんまりよくわかっていないのでファンの皆様からクレームが来たら本当に申し訳ないんですが、この記事では「miscast時代と同じ楽曲をライブでやっている」のと、下記画像の情報から「miscastとMAZEは同じグループである」という前提で説明させていただきます。じゃないとこのグループについては何も話せる気がしないので。

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このZsaszとの対バンのフライヤーを見る限り、「miscast = MAZE」って言ってるようなもんだとは思いますけどね。

 

 アイドルのライブは名前は知っていてもなかなか足を運んでおらず、Broken By The ScreamPasscode我儘ラキアを1回ずつ(しかもメタルコアバンドとの対バンイベント、Passcodeはフリーライブ)で観たことあるなあという感じで本当ににわかなんですが、個人的な印象ではエレクトロニコア / ピコリーモを基調としたダンサブルなラウドロックでトッパーから盛り上がっていて、サウンドプロデュースを務めているEx. Fear and Loathing in Las VegasのSxunはもちろん、この後出演するC-GATEのDr. Hiroki、GOODBYE TO THE HEROのGt. Satojiなど強力なバンドセットもあって安定感もとんでもなかったってのが最初に思いました。詳しいことは下で書きますが、アサギとゴメスのスクリームとんでもなかったですね...。

 楽曲について全て知っているわけではないのですが、個人的にはmiscast名義で最後に出した曲 ''GIANT KONG'' が今回一番印象に残ってます。Ex. Her Name In BloodのGt. DAIKI, From The AbyssのGt. Yasui, PROMPTSのVo. PK & Gt. Matsunoが参加しているこの楽曲、最後に「どう考えてもPROMPTSが携わったパートだな」って2秒でわかる系のダウンチューン&ワーミーの不協和音のブレイクダウンにPKの低音トンネルスロートが交わる部分があるんですが、アサギとゴメスの二人はPKのそれに劣らないパフォーマンスを再現してて鳥肌立ちました。本当にやばかったです(小並感)。


 公演が終わった後で色々楽曲も調べていたのですが、同じくライブのセットリストに入っていた「ANIMUS」もとんでもないゲスト入れてますね。リフとギターソロはThousand EyesのGt. KOUTA, シンセサウンドと一部シャウトにSEVER BLACK PARANOIAのVo. DAISUKE, 日本詞ラップパートにNINJA PUBLIC/九芍の三浦詩音、しかもそれぞれのゲストの特徴を入れ込んだうえでMAZEの楽曲にまとめ上げているのには思わず慄いてしまいました。 

 あんまり当日の感想言えてないのは、筆者があんまりアイドルのライブに観に行ってないっていうのが理由の大半なのですが(本当すみません)、バンドセットの時は国内の人気メタルコア・ポストハードコアバンドとよく対バンしているのも納得でしたし、機会があれば是非また観てみたいなと思わせる程度にはカッコいいライブをしていました。


2.PALM

 続いて登場したのは大阪を拠点に活動しており、世界にも股をかけてダークなハードコアサウンドを奏でるPALMです。メタル、パンク、ハードコア、ドゥーム、スラッジ、グラインド、デスメタル、ストーナーetc.といった様々音楽性を血肉としたタフでストロングで荒々しいカオティックでメタリックなサウンドで、特に2018年リリース ''To Live Is To Die, To Die Is To Live'' はそれらの音楽性をよりエクストリーム&ダークかつ生々しく表現した名作です。

 また、Vo. のToshihiko Takahashiは大阪のライブハウスMUSIC BAR HOKAGEのオーナーであり、筆者もよく遊びに行っていますしHOKAGEで共同企画 ''Buried Alive'' も開催しております。(前回のライブレポも火影でのライブです。)


今はなかなか難しいですが、''SCAPEGOAT''での最後のカス争奪戦は定番ですね。動画は京都メロディックハードコアF.P.の企画の時のやつです。筆者も言ったんですが楽しかったですねこの日。

 筆者も何度かPALMのライブには観に行っており実は今回3年ぶりくらいなんですが、前回のオーディエンスの熱狂ぶりを観ているのあって期待値を高めにしておりました。Vo. TakahashiもMCで言っていた通りではありますが、PALMとその日対バンした3バンドは直接のかかわりがなくアウェーの場ではあったものの、世界のハードコアバンドとも対等に渡り合ってきた貫録はかなりのもので、いつも通りステージに立ってオーディエンスを威嚇するスタイルとその血沸き肉躍るサウンドで完全にその場をものにしていました。

 もうイントロの ''To Live Is To Die, To Die Is To Live'' でGt. Akiraが奏でる不協和音 / Ba. katsuyukill & Dr. Kentaのスラッジーで重厚なグルーブ、そしてマイクをぶん回しながら登場するTakahashiでぶちあがりましたね。もちろん、随所に出てくるDr. Kentaのブラストビートも相変わらずキレキレでした。

 パフォーマンスは上記の通り鬼気迫るものがあったのですが、曲間のMCはやっぱり関西人特有の親しみやすさがにじみ出ていたなと感じています。前述の通り他出演者とのかかわりが今までなくてアウェーの空気を出番まで感じていたのですが、「今日来てくれる人めっちゃ暖かいやん!」と驚きの声を上げていました。あとは最前のオーディエンスでスキンヘッドの壮年の方がいて、Vo. Takahashiがその方を指して「この人もオッサンやん、俺らと同じやん」って弄る場面もありましたが、そこも含めて親しみやすい雰囲気もありました。確かにこの日のライブは花冷え。ファンかMAZEファンかの影響かわかりませんが、年齢層が高かった気がします。

 「おれらオッサンやけど、まだまだやれるところ見したいんで」とMCでも言っていましたが、この日はオーディエンスの心に見事なまでに爪痕を残していました。久しぶりに観たけど、魂が燃えましたね。

 今月は川崎でBLOODAXE FESTIVAL2021の振替公演があり、PALMも出演するので要チェック。

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3. C-GATE

 トリ前は今回の主役の片翼を担っているメタルコアバンドC-GATEです。長野から上京して今年で結成10年、そしてEx. UNBLEED(横浜のポストハードコアバンド、現Vo.のTakumiはイベント ''INNOCENCE'' の主催)のVo. Nashunを迎えて3年目になり、作品を重ねるごとにより初期から特徴的だったブレイクダウンの破壊力とデモニックなグルーブの重さは深化しています。もちろん、Dr. Hirokiの手数と力強さが際立つドラミングとGt. Sakuraの芸術的なモッシュパートの破壊力はますます研ぎ澄まされています。

 筆者も昨年の夏に東京と大阪それぞれ1回ずつ現体制でのライブを観ており、特にPROMPTSのツアー大阪編のゲストに抜擢された後者は3年弱ぶりの来阪を果たし、トップバッターながらもその暴力的なグルーヴでオーディエンスを圧倒したと信じています。そんな中、久しぶりにC-GATEを観て最初に思い浮かんだ印象は「こういうライブをずっと待っていた」っていうのがあります。もう一曲目の ''Derangement'' からフロアの熱狂は最高潮に達していましたね。二曲目の ''Fog'' ではトップバッターMAZEのアサギもfeat. してオーディエンスに援護射撃かましていました。

 

 そして満を持して発表されたC-GATEの新曲であり、今回の企画の名前と同じ ''Bident''ですが、この曲は後述する花冷え。のVo. ユキナ a.k.a YKマダファキンNのfeat。とことんソリッドでヘヴィなC-GATEの楽曲+キッシュでサブカルな出で立ちのユキナの組み合わせはミスマッチに見えますが、ラップパート+男勝りのシャウトのカオスっぷりが前面に押し出されていました。音源化もされるみたいなのでこれ以上の言及は控えますが、リリースされたらNew Songs Selectionでも取り上げるので乞うご期待。


 ここから曲順あんまり覚えてないんでうろ覚えですが、次にやった今年の2月にリリースされたシングル ''Hypocrisy'' からの2曲、グロテスクさと厳格さに満ち溢れたアートワークに違わず「エグい」楽曲陣なのですが、特に ''Eat'em All'' はとんでもなかったですね。序盤のブラストビートのデモニックなスクリームはGt. Sakuraがやってたんだってなりました。あとは終盤の「進撃の巨人」の「地ならし」のイメージした咆哮はビビりました。

 最後はオーディエンスと一体になれる壮大なコーラスが特徴の ''SAMSARA'' と、イントロとサビパートで拳を掲げること必至の現体制C-GATEのアンセム ''Because We'' で終了。今まで観た中で一番カッコよかったです。


 最後の2曲の前に唯一のオリジナルメンバーDr. HirokiのMCで、8/28にC-GATEが10周年企画第2弾 ''PERFECT SENSE Vol.2'' を開催するとのアナウンスが。第一弾ゲストは結成から2018年まで活動していた前体制C-GATEのワンデイリユニオンが発表。「マジで最初で最後」らしいので、気になる方が予約しましょう。


 大阪には6/18~19に福知山発ポップパンクUNMASK aLIVEが大阪赤レンガ倉庫/GLION MUSEUMで主催するONE & ONLY FESTIVALに出演(C-GATEは2日目の6/19)。こちらはおそらく筆者も行くと思います。

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4. 花冷え。

 今回の企画の大トリを飾るのは東京を拠点に活動している ''原宿コア'' ガールズバンド ''花冷え。'' 。メタルコア・ハードコア・ラップ・J-POPなど様々なバックグラウンド+原宿系のサブカルでキッシュな雰囲気を取り入れた唯一無二のサウンドを奏で、「開花宣言」リリースからバチバチだった田浦楽プロデュースのサウンドはますますフリーダムかつヘヴィに進化しています。

 ''99~00年組''のメタルコア・ポストハードコアバンドの中でも一足先に人気になった印象で、直近では各楽器隊がそれぞれ愛用している楽器メーカーとエンドース契約を結んでおり、その躍進はとどまるところを知りません。(''99~00年組''というワードは次回・次々回のライブレポでも出てきますので、覚えておいてください)。

エンドース契約のお知らせ。ちなみにBa/Cho. ヘッツはIbanezと、Dr. サエはSJCと契約しています。

 

筆者彼女らを観たのは2年前の年明けに大阪に来てくれた時(yozitsuもその時にいました)以来なんですが、このバンドに関しても一言で感想を表すと、「ずっと見たかった景色がそこにあった」という印象です。1曲目の ''限界沼ライフ'' ~ 2曲目の ''SUNRISE 味噌SOUP'' からもうキッシュでサブカルながらもヘヴィでカオスな熱気に包まれていましたね。Vo. ユキナの怪獣のようなグロウル/スクリームとGt/Vo. マツリのハイトーンクリーンが縦横無尽に暴れまわるのも観ていて痛快でした。あと3曲目の ''センチメンタル☆ヒロイン''、あれ皆よくダイブするの我慢できたなって思いましたね。


 4曲目 ''L.C.G.''を経て次にプレイした新曲 ''LOVE乱舞'' ですが、この日確かライブ初披露だったんですね。先月の新曲紹介でも取り上げたんですが(太字部分クリックするとリンク先に飛びます)、電波ソングに片足突っ込んだリリックもそうですが、マツリの読経パートの時は意味不明でしたね(ほめてる)。ステージのメンバーだけでなくフロアのオーディエンスもマツリに手を合わせて合掌していたのと、最前で木魚叩いてた人もいてカオスでした。そして、最後のブレイクダウンでこぶしを突き上げるパートもみんなついてきててよく訓練されたオタクっぷりが伺えました。

 一旦MCが入り、締めに「あなたたちがここ(Club Asia)にいるということは、私たちとあなたたちとの ''令和マッチング世代'' ということですよね!?(意訳)」とユキナが放ち、Dr. サエ正式加入後1発目にリリースされた ''令和マッチング世代'' でユキナのスピード感のあるラップと、グルーブ感と変則的なフレーズが魅力的なドラムが際立つチルアウトな雰囲気に落とし込んだと思いきや、人気曲 ''我甘党'' でサブカル/キッシュな電波ソングチックなカオスが際立つ展開のジェットコースターで脳が処理するのを拒みました。


 直後のMCでC-GATEとの出会いを回想(記憶あやふや)。「個人的にはC-GATEのGt. Sakuraが花冷え。の曲を聴いたとき、最初に出た感想が ''シネマティック'' だった」というのがツボでした。

 「昨年3月の ''春の大解放祭2021'' と同じように、今日のこの日も新しい出発点にしていきたい」とMCを締めくくり、最後は高校生時代に作った楽曲 ''Invisible Wall'' → アルバム ''乙女改革'' の最後の曲 ''Want to TIE-UP'' で終了。40分のセットリストを目まぐるしく駆け巡りました。


末筆  
 

 というわけで、初めてのAsiaで観たライブはアイドル・ハードコアバンドも交えた異種格闘技戦で凄い楽しかったです。ついでに言えばシャトルラン選手権も心行くまで楽しんできました。あと面識のあるバンドの方も大勢いて同窓会染みてましたね。挨拶しただけでもPROMPTSのGt. Matsuno, The Cards I PlayのVo. JojiとGt. Daniel, FALLING ASLEEPのBa. Kodai & LIFE is SAMPLINGのTakekoshi Seidai(5/14に共同企画 ''INNER CITY'' がオールナイトにて開催されるそうです、詳細下記画像)etc... 他にも多くの関係者がいたと思います。

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本当は2月に開催予定のはずがまん防で公演延期になり、今回が振替公演だったと思います。

 この後皇居近くで取っていたホテルに着いたとたん、速攻で夜食と風呂を済ませて23時に寝ました。ここから次の日の新宿アンチノック(Bloodeyed Sunsetレコ発)→渋谷サイクロン(Ablazeレコ発)にお話が進むのですが、それは次回語っていこうと思います。


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