【FiC9期生インタビュー】 阿部宏紀氏
2023年5月1日〜5月31日の約1ヶ月間でFiC9期生の募集を行い、総勢18名が入会されました。
今回はそんな9期生のパーソナリティを深掘りしていくインタビュー企画となります。
是非、最後までご覧ください!
今回のインタビューは、
◎インタビュアー:中渡瀬(FiC運営)
◉インタビュイー:阿部(9期生メンバー)
上記2名でお送りいたします!
◎中渡瀬
本日は、9期生でFiCに入った「阿部宏紀」さんにお越しいただきました!
阿部さんが、
『普段、サッカーとどんな関わり方をしているか』
『なぜFiCに入ったか』
などを中心にお話を聞けたらと思います。
本日はよろしくお願い致します!
◉阿部
よろしくお願いします!!
◼︎自己紹介
◎中渡瀬
本日はよろしくお願いします!
まずは、簡単な経歴と自己紹介を教えてください!
◉阿部
皆さん初めまして。阿部宏紀(アベヒロキ)と申します。
現在29歳で、静岡県で活動しています。
活動チームは清水桜が丘高校と、その下部組織であるFC桜が丘というチームでGKコーチをやらせてもらってます。
また、実は青森県出身でして、プレイヤーとしては「青森山田中学校・高校」でお世話になり、大学では大阪にある「関西医療大学」という所で、鍼灸とトレーナーの勉強をしていましたね。
◎中渡瀬
おお、色々とツッコミどころ満載な経歴をお持ちで。。笑
トレーナーの資格も取られているんですね!
◉阿部
そうなんです!
ただ、鍼灸師の免許は取ったんですけど、大学卒業と同時にサッカーの指導に関わりたいなと思いました。
なので、社会人になってすぐに清水エスパルスのスクールコーチとしてお世話になり、その後現在の桜が丘にいるという流れになります。
去年は「静岡県選抜のGKコーチ」だったり、後のプロ選手になる選手たちと試合を一緒にやったりする経験もさせてもらいました。
◼︎指導者を目指したキッカケ
◎中渡瀬
清水エスパルスのスクールコーチから指導者生活がスタートしたんですね!
鍼灸とトレーナーの勉強をしながらも、「サッカー指導者」を目指そうと思ったきっかけをお聞きしたいです!
◉阿部
そうですね…。
大学1年生の時の話になるのですが、僕の大学にトレーナーについて学べるコースがあったんです。そのコースの授業の一環として実習があったのですが、大学内の実習は2年からで。
しかし、先輩の紹介で大学1年生の段階で外部チームに帯同することになりました。
◎中渡瀬
1年生でですか!?
チームに帯同する時期として、相当早いですね!
◉阿部
そうなんです!
そこで「チームに帯同する」という経験を、大学1年生から大学3年生まで約3年間ぐらい続けました。最初は、トレーナーの業務だけをこなしつつチームに帯同していましたね。
在籍してたチームの監督が自分にとって物凄く大きな影響で、全国大会に行ったことがあるような監督だったのですが、すごくオープンな方でした。
「学生に上手く経験させながら自分の色も出していいよ」と伝えてくれていたので、元々現役時代にGKをやっていたこともあり、チームのGKの話を聞いたり、アドバイスに近いことをやっていたりしました。
◎中渡瀬
学生に責任を持たせてやらせてくれる監督さん、すごいですね!
中々いないと思います。
◉阿部
その方のおかげで指導が面白いなと思い始めました。笑
GKトレーニングに近いような事をやったのがスタートで、「指導者ってやりがいもあるし、面白いな」という感情がどんどん湧いてきて。
必然的に「あ、指導者をやりたいな」という風に心が決まりました。
◎中渡瀬
そうだったんですね。
それこそ、今は静岡県選抜のGKコーチもされていて、指導者としてどんどん経験/能力を積んでいると思うのですが、 GKコーチ始められて何年ぐらいなんですか?
◉阿部
本格的にこの仕事を始めてからだと、もう7年目ぐらいですね。
◎中渡瀬
すごいですね、ベテランじゃないですか!!
◼︎これまでどのように指導力を身に付けてきたのか?
◎中渡瀬
人それぞれ、指導者として目的も違えば目指す場所も違うから比べることではないと思うのですが、県選抜とか、清水桜が丘で指導することは、誰もができることではないと思います。
そういった名門校やトップレベルの選手たちの指導ができる様になるまで、どのように指導力を身に付けてきたんですか?
◉阿部
そうですね〜。
僕、桜が丘に入った時はすごい恵まれていまして、静岡の事や清水という土地柄の事を全然理解していないし、自分の指導力もあんまりない中で桜が丘に入らせてもらったんですよね。
自分の実力不足を感じる中、入って1年目で選手権に行くことになりました。
次の年には東海総体で優勝させてもらったり、その次の年には選手権の全国大会で優勝する静岡学園に夏勝って、沖縄のインターハイに行っちゃうというような経験を、有難いことにさせてもらいました。
それでも、当時は自分の指導力がそこまでなかったこと。
これが最大の悩みでした。
その中で、現在、浦和レッズのGKコーチとして活動されている、ジョアン・ミレッというスペイン人のGKコーチと出会い、自分の指導力を向上するきっかけを作ってもらいました。
◎中渡瀬
なるほど!
師匠的な人との出会いがかなり大きかったんですね。
◉阿部
会う前と会った後で、指導の質がかなり違ってますね。
なので、最初の頃のTRを振り返ると、「全く何をやっているんだ」という風に思います。笑
「よくこれで全国大会とか行っちゃったな」というぐらいのレベルでした。
だからこそ、良い指導が提供できずにいた1・2年目の選手たちにはすごく申し訳ない気持ちですね。
◎中渡瀬
そうだったんですね。
・・・と言いますか、僕も元GKなので、勝手ながら「ジョアン・ミレッ」さんとの出会いについてもう少し詳しくお聞きしたいです。笑
確か、ジョアン・ミレッさんの講座は「GK指導を学ぶ」というのが主な内容だと思うんですが、そもそもどのようなきっかけで出会ったんですか?
◉阿部
そうですね。
事の発端は、東京で開催された分析セミナーに参加した時ですね。
そこで、ジョアンのサポートをしている倉本和昌さんと出会い、その時に「ジョアンがFC東京で契約満了になってフリーだから、日本にもう1回呼んで講習会するよ」と倉本さんから誘われたのがスタートでした。
◎中渡瀬
おお、なるほど。
◉阿部
その次の月ぐらいにジョアンに会って、スタートしたって感じでした。
ただ、その当時はもう衝撃的で「この人の言ってることはなんなんだ。」という、今まで聞いたことないような感じでした。笑
◎中渡瀬
当時の阿部さんにはとても衝撃的だったんですね。
でも本当に、ジョアン・ミレさんの指導で、実際に浦和レッズにいる西川選手とかも、伸び悩む時期があったにしろ今はすごくプレーも繊細で、 1つ1つのプレーに対して磨きがかかってるなっていうのをすごく感じますよね。
そんな方の元で一つ学べてるというのは、とてもでかいことですね。
◉阿部
本当にその通りだと思います。
◼︎FiCに入会した理由
◎中渡瀬
ありがとうございます。
個人的にすごい気になった点でもあったんで、今お聞きできて嬉しいなって思ってます。
そんな中、今回FiC9期生として入会してきたという所で、入会にあたる経緯だったり、きっかけという所を少しお伺いできればと思います!
◉阿部
そうですね。
ジョアンの講座も約5年ほどやってまして、ある程度どういうサイクルを回して、どういう風に年数を重ねていけばこういう選手が育つんだなっていうのが、自分でも目処が立ってきた時期ではありました。
その中で、もっと他者の考え方を知りたいと思ったのと、FC東京トップチームGKコーチの藤原さんがFiCのアドバイザーになったこともあり、入会しました。
だからこそ、他のJリーグのトップでやられてる方々は「どのような目線を持っているか」「どのようなメソッドを備えているのか」「どのような考え方でTRをやってるのか」と、今まで学んできたものとは少し違う視点から見ることによって、自分のやり方をより明確化したいです。
◼︎自分自身で『コンテンツ』を創る
◎中渡瀬
なるほど!
確かに、FiCに入会して早々藤原さんと1on1をやって学びを吸収してましたもんね。笑
でも実際に、まだ入会して1か月ちょっとぐらいだと思うのですが、FiC内のフィールドプレイヤーコーチに向けたGKのコンテンツも、FiCのGKメンバーと一緒にやってますよね。
あれってどんな経緯で始まったんですか?
◉阿部
最初はGKの勉強会を担当している渡辺君とZoomで話をしたのがきっかけです。
彼と話してる中でも、もちろんGKコーチのスキルを向上させるのはもちろん必要なんだけど、 キーパーの考え方だったり、やってることっていうのを、フィールドプレイヤーや監督、コーチにやっぱ発信していかないと環境というのは変わっていかないんじゃないかなという話で、お互いすごく共感しました。
◎中渡瀬
めちゃくちゃアツい話じゃないですか。笑
◉阿部
そうなんです。笑
そこで話している中で「そういうものをもう始めちゃおう」という風に、その場で決まりました。
◎中渡瀬
すごいスピード感ですよね。
◉阿部
ですよね。笑
しかも、そのZoomをした何週間後かに初めてコミュニティの中でコンテンツを開催して、その時は僕がメインスピーカーを担当させてもらいました。
◎中渡瀬
すごい。まじですか。
◉阿部
そうなんですよ。
なんかとんとん拍子で話が決まり、ナベさんと内容を作り上げて、 2〜3週間後ぐらいにはもうやったっていう。
スピード感が早すぎて、僕もちょっとびっくりしてます。笑
◎中渡瀬
流石としか言いようがないですね。
僕も、今度開催するときに参加します!!
◼︎阿部さんのVISION
◎中渡瀬
阿部さんは学ぶ意欲がとてもあり、さらに上を目指していると思うのですが、「阿部さん自身は将来何を目指している」のかをお聞きしたいです。
◉阿部
そうですね。
現在、有難いことに育成年代で関わらせてもらっているので、自分の次の経験というと、1種の年代を教えるという経験は、間違いなく必要になってくると思っています。
◎中渡瀬
なるほど。
◉阿部
はい。
その先に、 そのままトップレベルでやるのか、それともまた育成に戻ってきてやるかというのはまだ分からないです。
ただ、1つの経験として「大人を指導する」ということは、間違いなく自分のキャリアの中では必要になってくる部分と捉えています。
自分のやりたいことはありつつも、第一に、GKを上手くするのがまず使命だとは思うので、目の前のことに集中しつつも未来につながればいいなと思っていますね。
◎中渡瀬
なるほど。
1種は結果を求められる場所ではあるので、多分今の「2種・3種」という所とはまた違うやり方が求められてきますよね。
◉阿部
そうですね。
◎中渡瀬
そういう意味では、先ほど「GKを上手くするのが使命」とお話があったと思うのですが、自分自身の指導者人生で、成し遂げたい事とかあったりするんですか?
◉阿部
どうですかね。。
あまり考えた事はなくて、とにかく『目の前の見てるGKを良くしよう』ということを常に考えています。
◎中渡瀬
なるほど。
◉阿部
そうすることで、例えば自分が指導している選手が、どこかの選抜に選ばれたりするという結果が出てくると思います。
そのために、目の前でやるべき事や注力すべき事に力を全て使いきれるように活動している感じですかね!
◼︎FiCをどのように活用する?
◎中渡瀬
なるほど。ありがとうございます。
めちゃめちゃいいですね。
まず、自分の学びや現場での経験を蓄えていく中で、それをどう発揮していくかという所に重きを置いてるんだなと凄く感じられました。
また、短期的な目標として「1種を見たい」というものがあると思うのですが、その目標を叶えるためにも、「FiCをどのように活用するのか」イメージがあればお伺いしたいです!
◉阿部
この間、藤原さんと1対1で喋らせてもらいましたけれど、やはり大人の選手を納得させるだけの体系化したサッカー観がないといけないと思っています。
例えば、県選抜では、後にJクラブや関東の大学でプレーするようなGKに関わらせてもらいました。
そこで感じたのは、彼らも彼らでやってきたものがあり、こちらが伝えたいことに納得できないと不満が残って信頼が無くなっていくということ。
中渡瀬
なるほど。それは大変ですね。
◉阿部
だからこそ、そのためにはプレゼンテーション能力も必要ですし、自分の知識を可視化して提供することも必要になってくると思っています。
藤原さんとの1on1でサッカー観のスライド見せてもらいましたが、そういうものを参考にして、自分なりのものを作っていきたい。
それを自分が提供できるようになるために、FiCを活用していきたいですね。
まだ入会したばかりなので、どのような人たちがいるかとか全部把握してるわけではないですが、若い方たちもたくさんいるので、そんな方たちに自分が学んできたものを提供していけば自分の力になると思っています。
◎中渡瀬
確かにそうですよね。そういう意味では、フィードプレイヤーに阿部さんが先ほど仰っていたスライドでプレゼンをしてみて、ちゃんと伝わってるかどうか確認してみてもいいかもしれないですよね。
◉阿部
まさしくそうですね。
フィールドプレイヤーの監督・コーチに、僕のやり方じゃなくても、渡辺くんのやり方などに納得をしてもらえないと、僕らの力はまだまだそんなもんなんだという事になってしまいます。
フィールドプレイヤー側に提供するのであれば、こちらもそれなりの資料を作ったり、確立していかなくてはいけないですね。
◎中渡瀬
もう、なんだかすごく嬉しいです。
それだけ色々やっていただく中で、自分の目標に向かって、それこそ野心を持って突き進んでいくのはとても刺激的だなと思います。
共に高めていけるように、阿部さん自身の活動がより意味のあるものなるように、私たちもサポートしていきます!
◼︎最後に
◎中渡瀬
ここまでたくさんお話を聞かせていただきありがとうございました。
そうしましたら、最後にメッセージを頂いてもいいですか?
◉阿部
そうですね。
やはり、今僕らが行なっている「フィールドプレイヤーメンバーにGKの事を伝えるコンテンツ(=通称:YASIN)」は、監督・コーチの方々に「GKというポジションを理解してもらう機会を創りたい」という気持ちでコンテンツを立ち上げました。
GKの世界は、結構特殊なので。笑
でも、監督・コーチというのは、それを理解しなくちゃいけないものだとも思っています。是非、多くの人が新しいものを知る機会にチャレンジしてもらいたいです。
◎中渡瀬
ありがとうございます!
インタビューはこれで以上になります。
引き続きよろしくお願いいたします!!
今回インタビューに協力してくれたのは、
FiC9期生『阿部宏紀』さんでした!
次回は、京都の大学に通いながら、将来サッカー界で働くことを目指しているメンバーのインタビュー記事を公開!
高校サッカー選手権敗退と同時に、選手を引退。
その後はしばらくサッカーと関わっていませんでしたが、大学3年生のタイミングで再度サッカー界に対する想いを持ったメンバーです。
インタビュー形式で、深くお聞きできればと思います!
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