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生きることのように、貪欲に

 新しい仕事が始まって、2週間が過ぎようとしている。今度の会社は複合機を生産している工場の事務で、事務仕事の他にもピッキングやラベル貼りなどの身体を動かす仕事もありで、やりがいは感じている。周りの同僚や上司も優しいので、良い会社に入ったな、と思っている。
 4月、5月は本当に地獄で、このままもう就職は出来ないのではないかと不安に感じていたが、私は諦めなかった。派遣会社を3社掛け持ち、週に3日は会社面談に行き、色々な企業様のお話を聞いてきた。
 しかし、どうしてすぐに職にありつけなかったのかは、やはり日本の社会情勢が影響しているのではないかとは思っていた。コロナ禍緩和により、今まで仕事をセーブしていた人たちが次々とまた働き始めたり、派遣社員がものすごく多いので、3月の年度末で職を替えて就活を始めた人も多かったりしたから、それで仕事取りの争奪戦みたいな状況になってしまい、なかなか職を決めることができなかったのではないか。
 今の会社も私は派遣社員で入ったが、体制がすごくしっかりとした地道な企業様だし、私の属している派遣会社も、地域密着型で人気のある派遣会社なので、有期雇用である3年間はみっちり働けそうな気がする。肩の力を抜いて、落ち着いて頑張ろうと思う。
 新しい仕事も始まったので、詩の方も書けてきそうな予感はするが、まだ大作は書けてはいない。
それでも、今の状況と今の私自身の心境や変化などを描くように表現していたいので、こうしてエッセイとして書いている。私は社会で働く一介の派遣社員に過ぎないかもしれないが、もう筆歴20年になる歴とした詩人なんだから、社会のなかで揉まれながら、そのなかで見つけた何かを詩というかたちで表現していきたい。自分のなかで違う何かと出会ったものを読み、感じたことを表現して、自分の血肉にしていく。
 やはり、私にとって書くこととは、文学や芸術を超えた、「生きること」の本能そのもののようなものを気がする。私たち人間や動物が水や食料を求めるように。だから、これからももっと貪欲に、力強く、私が求めるものを表現しながら生きていきたいと願っている。

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