宮崎裕介

音楽家

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最近の記事

Please God, Let Me Play Again

2021年3月15日 朝起きていきなり飛び込んだ訃報に心底驚き心乱された僕は、仕事が手につかなくなり今日一日の作業を諦める事にした。作業を中断して、本を読んだり映画を見てみるも全然頭に入ってこない。花粉のせいか涙もひどい。 しょうがないから文章を書く事にした。 音楽家なんだから音で表現しろって叱られるのかな。 でもこのやり方が、今のオレらしいのかな。 村上"ポンタ"秀一という人は、 音楽の前ではどんな人にも本当に対等で、愛を持って真摯に向き合う人だ。 それが、一流のプロ

    • フォートナイトの米津玄師ライブで、「ライブ感」の意外と大事なポイントを発見してぐるぐる悩んだ話。

      観る側の自由こと日本において、 ライブを観る側にとって最も「健全」な場所はクラブである。 なぜなら「自由」だから。 これは、僕がこれまで常々思っていた事である。 一般的な日本のライブ会場では、皆一様に拍手をするし、立ったり座ったりある程度の規則に則って動き、どうしたって暗黙のルールみたいなものが存在する。もちろん「一体感」というある種の興奮状態にとって、これはプラスに作用するのだが、そうでない楽しみ方をしたい人だって当然居るはずだ。 各々が各々のスタイルで楽しむという点で

      • COVID-19とミュージシャンと音楽と③(二次創作とスピード感)

        4月上旬 の続き暇を持て余した音楽業界にとって、この時期一番のトピックは星野源の「うちで踊ろう」だったと思う。 当代随一のポップスターの為人、メロディセンス、人と会えない状況を逆手にとった詞とその新しい遊び方、ユーザーの積極的参加ありきで初めて成立するコンテンツ。現代のエンターテイメントとして、全てにおいて見事な作品であったように思う。 二次創作そのものを楽しむ行為は、hiphop全盛の現代に図らずも合致しているし、コラボ動画を上げた一般ユーザーが無意識的に動画合成を前提

        • 「リモートセッション」をめぐる思考演習

          「リモートレコーディング」「リモートセッション」なるものが流行っている。本来狭義でいう「リモートレコーディング」とは、ディレクション・録音素材の共有がリアルタイムで行なわれるものであろう。これに関しては、"Audiomovers""Soundwhale"等各社の開発が進みかなり惜しい段階まで来ていて、あと一歩で実用出来るかどうかという雑感だが、実際問題海外とのやり取りとか『未知のウイルスの世界的流行』でもない限り、面倒臭くてやらないのが実状であろう。(以前、海外との「リアルタ

        Please God, Let Me Play Again

        • フォートナイトの米津玄師ライブで、「ライブ感」の意外と大事なポイントを発見してぐるぐる悩んだ話。

        • COVID-19とミュージシャンと音楽と③(二次創作とスピード感)

        • 「リモートセッション」をめぐる思考演習

          LIVE2.0 の考察

          「リアル体験」の普遍性と限界「コンテンツ」ではなく「体験」を提供する。 ここ数年のエンターテイメントは、その手法を大きくシフトしてきた。大きな船も小さな船も、全員がその方向に大きく舵を切り切ったまさにその時に、見たこともない巨大な氷山に衝突。まさかそれが「未知のウイルス」であるとは、一人の天才を除いて、世界中の誰もが予想し得なかった事だ。(ビル・ゲイツは2015年の時点で、世界が危惧するべきは核戦争よりも空気感染ウイルスであると言及している) 生身の「体験」を全く遮断され

          LIVE2.0 の考察

          COVID-19とミュージシャンと音楽と②(CDについて)

          COVID-19とミュージシャンと音楽と① の続き。 いつまでもコロナ禍の事引きずるのもカッコ悪いので、早く書き上げてしまわないと。今読み返すといつの間にか話の本筋から脱線してはいるが、意識改革故の自分の心の動きという事で、これはこれで残しておこうかと。 4月上旬アレンジが丁度終わった頃、そのレコーディング中止の連絡。これで当面やるべき仕事が何もなくなり、ついに心が折れた自分はそこから2週間、意図せずして音楽と距離を置く事になる。映画・読書・ラジオ・落語・料理の日々。まと

          COVID-19とミュージシャンと音楽と②(CDについて)

          懸念

          5月25日 緊急事態宣言を全国的に解除。ライブハウスなどは6月中旬を目処に再開を目指すという。 いくつか想い出のあるライブハウスやクラブが閉店に追い込まれた。ただただ無念だ。今もなんとか踏ん張っている沢山のライブハウス関係者にとって、そしてオレたちにとってもこれは少しは明るい兆しなのかもしれない。業界内でも、昨日あたりから再開に向けての動きの連絡がちらほら。 当然、早くライブの出来る世の中になって欲しいし、そうならなければオレたちの生活も干上がってしまう。だけど、徐々にで

          COVID-19とミュージシャンと音楽と①

          周知の通り、世界中のエンターテイメント業界の人間が、強制的に己のアイデンティを問い質さざるを得ない事態が起きている。当然、一介のミュージシャンである自分もグラグラに自我を揺さぶられ、社会と音楽との向き合い方を再考する日々。 この答えの無い問いに取り掛かる前に、ここ最近あった事を(くだらない事も含め)、時系列を追って備忘録的に回想してみる。(最近SNS上での自分の周りでは「忘備録」派が多い気がするが、オレが読んできた本には「備忘録」であることが多かった気がする。実際どちらでも

          COVID-19とミュージシャンと音楽と①

          はじめに

          宮崎裕介 音楽家を生業としております。 具体的には、キーボーディスト・ピアニスト・アレンジャーが主な業務。 ツアーサポートをしたり、レコーディングしたりアレンジ(編曲)をしたり。 このnoteは、日々考えた事・感じた事を書き留める場所にしようと思ってます。 音楽以外に継続したモノは何ひとつない自分が、どこまで続けられるか。 ま、あまり自分を追い込む事なくマイペースにできればと。 2020年5月23日 まもなく緊急事態宣言が解除されようとしている東京にて。

          はじめに