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COVID-19とミュージシャンと音楽と②(CDについて)

COVID-19とミュージシャンと音楽と① の続き。

いつまでもコロナ禍の事引きずるのもカッコ悪いので、早く書き上げてしまわないと。今読み返すといつの間にか話の本筋から脱線してはいるが、意識改革故の自分の心の動きという事で、これはこれで残しておこうかと。

4月上旬

アレンジが丁度終わった頃、そのレコーディング中止の連絡。これで当面やるべき仕事が何もなくなり、ついに心が折れた自分はそこから2週間、意図せずして音楽と距離を置く事になる。映画・読書・ラジオ・落語・料理の日々。まとまった休みなんてしばらく全く無かったので、これはこれで人間らしい日々で割と充実してたかも。印象的だったは、パンデミック繋がりで見た映画版「復活の日」、SFなんで突っ込みどころは多数あるし、終盤火の鳥みたいになっちゃうんだけど、なんせ画力が圧倒的に素晴らしくて、泣ける。LOVE木村大作、これぞ映画。

同時進行で徹底的な断捨離に取り掛かる。ミニマリスト志向に反して、忙殺の陰でいつの間にか増えてしまってたモノを、限界まで精査処分。洋服・日用品はもちろん、使ってない機材を大量に売却して、必須の機材のアップグレードにつぎ込む。初めてメルカリ出品をしたが、システムの合理性に驚く。あんな簡単に出来ると知ってたなら、もっと早くやっておくべきだった。

次に壁一面のCDに取り掛かる。どう考えても一生聴かないだろうCDを大量処分、必要と思われるものはケースを捨てて、ソフトケースに詰め替え。数千枚あったと思われるCDを1台のラックに凝縮。捨てた空ケースは45lゴミ袋で13袋。これは、オレなりの「パッケージ文化とのプチ決別」

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サブスクに加入している以上、必要なCDというのはほぼ無くて、あまり世間に出てない激レア音源のみを残すと多分100枚くらいでおさまったはず(しかもそんな音源ですら意外とYouTubeにあったりして)。にも関わらずそこまで踏み切れなかったのは、1リスナーとしてのCD愛の部分が最後まで邪魔をしたのかも。圧縮率に伴う音質劣化の問題もあるが、いつまでもそんな事を言ってられないというのが僕の意見。CDが発明された時は、当然同じような議論が噴出したはずだ。音質の問題は、インフラとテクノロジーでいずれ間違いなく解決されるし、それに合わせて音楽を進化させるのが僕らの使命だから。

さらに話は逸れるのだが、先日友人から貴重な音源を頂いた。世の中には相当な好事家がいるらしく、過去の歴史的名盤のアナログレコード初回プレス(一番「音がいい」とされているのだが、自分的には未検証) を、超高級オーディオで再生したものをマイク2本で高品位収録、後にmp3変換したという音源のシリーズを頂いた。これが素晴らしい音をしていて、mp3なのに同じCDと比較しても立体感・音の密度が全然違うのだ。飲みながらこの歴史的名盤シリーズを聴き返すという、そんなオヤジ的趣味を解するようになり、オレもオトナになったものだと実感。結局、しばらく音楽から離れたつもりが全然離れてないし。

要は、新しいテクノロジーと古いテクノロジーは二項対立では無いという事。音楽メディアのツールの選択肢が増えるという意味でも、この先聞いたこともない、もっともっと素晴らしい音楽体験が出来ると強く信じる。


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