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COVID-19とミュージシャンと音楽と①

周知の通り、世界中のエンターテイメント業界の人間が、強制的に己のアイデンティを問い質さざるを得ない事態が起きている。当然、一介のミュージシャンである自分もグラグラに自我を揺さぶられ、社会と音楽との向き合い方を再考する日々。

この答えの無い問いに取り掛かる前に、ここ最近あった事を(くだらない事も含め)、時系列を追って備忘録的に回想してみる。(最近SNS上での自分の周りでは「忘備録」派が多い気がするが、オレが読んできた本には「備忘録」であることが多かった気がする。実際どちらでもいいらしい。)

日々目まぐるしく変わる社会状況、翻弄される音楽業界、その末端でさらに翻弄されるオレたち。自分の心の動きも含め、記録しておけば数年後には多少笑える読みモノになるかもしれない、かな。

その前に、現状での仕事への影響は、、、

全てのプロジェクトが停止

僕の場合、ツアーサポートで関わっていた5アーティストの公演全てが中止もしくは延期。アリーナツアー、ホールツアー、ライブハウスツアー、イベント、海外イベント。本番本数にして36本。そしてそれにまつわるリハーサル。

他に中止になったレコーディング数件、リリース延期になった制作モノ。仕事の面では、こんなとこか。(5月24日現在、そして多分もっと増える)

2月下旬

新型コロナウイルスという単語を初めて聞いたのは1月だったか。あっという間に、どうやらやばいらしいと。当時リハーサル期間中だった現場では、状況を注視する毎日。公演毎に微妙に異なる演出の為、リハーサルもままならない。

他のアーティストが次々と公演延期を発表し始める。そんな中、この現場のツアー初日も延期になることが決定。確か2月の最終週だったかな。当時はこんな大ごとになるとは思っておらず、たまーにある公演延期程度にしか思っていなかったのは正直なところ。しかし1本2本と、延期公演が増えていくにつれ事態は深刻さを増していく。さらに、2月最終日に決行されたとあるコンサートが物議を醸す。

3月上旬〜中旬

別現場のリハーサル期間に入る。日々厳しくなっていく社会状況の中、3月5日に、ライブハウスでのクラスター確認報道。ライブというものに対しての社会の見方が、これで一気に風向きが変わったのを肌で感じた。この時点で、3月中の本番は全て延期。様子を見ながらもマスク着用・検温義務化にてリハーサルを続ける日々。

3月下旬

リハーサル期間終了。オリンピック延期決定。いよいよ引き篭り生活へ。

ミュージシャンというのはホントにマジメだ。どの業界よりも一番早く自粛した上、僕の知る限り、みんな「不要不急の外出」は一切していないと思う。早くツアー初日を迎える事が出来るよう願いつつ、4月頭のレコーディングの為のアレンジ期間に入る。続く。


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