見出し画像

日本とシンガポールのプロモーション動画の比較-3つの事例を紹介

【私たちについて】
Fellows Creative Staff Singapore(以下、フェローズシンガポール)では、「日本企業に東南アジア現地のクリエイターを」、「現地企業に日本人クリエイターを」様々な形で紹介しています。

また、シンガポール人材、クリエイター探し、シンガポール進出といった「ご縁」をつないでほしいという相談は、弊社TwitterのDMでも受け付けています✉

昨今、シンガポールへ進出している企業が多く、マーケティングの1つとしてシンガポール向けにプロモーション動画(PV)を作ろうと考えている企業は多いかと思います。

そこで今回は、シンガポールのプロモーション動画はどんなものがあるのか、日本と比較して紹介していこうと思います。

今回の記事は、2つの国の文化やビジネスの違いを理解して、動画を制作することが大切ということを伝えるために書いたのですが、
その考え方についてはこちらで解説しているので、ぜひご覧ください。



シンガポールと日本のプロモーション動画の一般的な違いは?

動画の比較をする前に、一般的に言われているシンガポールと日本のプロモーション動画の違いについて触れたいと思います。

あくまで一般的なので、動画のコンセプトなどの違いはあるので、一概には言えませんがまずは抑えておくという意味で紹介させていただきます。

・デザインの違い

・シンガポール
鮮やかな青や緑、オレンジ、ピンクなどの色がよく使われます。ハイトーンはよく使われている印象があります。それにより、ポジティブな印象のある動画が多いです。
また、洗練された近代的なデザインが多いが多いです。

・日本
柔らかく落ち着いた色がよく使われます。あまりハイトーンを使わず、優しい色味が使われている印象はありますよね。
また、シンプルなデザインが多いです。

・多様性の違い

これは、多様性をどれだけ意識する必要があるかという違いです。

・シンガポール
もともとマレー系、中華系、インド系の3つの民族で構成されており、加えて様々な国の人が住んでいる、いわゆる国際都市です。
公用語が英語で、動画も英語なので、いろんな国の人がターゲットになりえます。そのため、多様性を尊重した動画であることが多いです。
異なる民族や言語、文化が一つのコンテンツで組み合わさている、包括性のある動画もあります。

・日本
外国人も住んでいるものの、動画は日本語なので、その場合はターゲットが日本人のみになります。
そのため、シンガポールに加えて多様性を意識しすぎることなく、日本人に向けた動画が多いです。

・伝え方の違い

これは、ローコンテクスト、ハイコンテクストの違いからきていると思います。

・シンガポール
商品の説明や利点に焦点を当てた伝え方をすることが多いです。
シンガポールは、ローコンテクストと言われており、しっかり主張しないと伝わりにくいです。そのため、商品の説明や利点に焦点を当てています。

・日本
キャラクターや有名人などを活用し、共感してもらえるように物語性を重視した伝え方をすることが多いです。
日本は、ハイコンテクストと言われており、言葉が少なくても、ほかの要素から感じ取ることができます。そのため、物語性に焦点を当てています。

一般的には、上記のような違いがあるといわれています。
逆に、ここは似ているというように共通点が見えることもしばしば。

では、これから日本のプロモーション動画とシンガポールのプロモーション動画の違いをもっと体感してもらいたいと思います。
2つ例を挙げていきます。


車のプロモーション動画の違い

1つ目は、車のプロモーション動画の違いです。
ホンダの日本とシンガポールにおけるCM動画を比較します。

まずはご覧ください。

シンガポールの「ホンダ」のCM動画


日本の「ホンダ」のCM動画


それぞれどんな感じでしたか?
今回は特に伝え方に違いが見られたかと思います。

〇シンガポール(ホンダ)

この車を活用することで、こういったことが便利で、メリットであるということを伝えている動画です。
おそらくこれは、多様性を考えられているからだと思います。
商品の品質というのは、どの国の人、どの民族のシンガポール人にとっても、正確な指標になります。
そのため、誰にでも、直接的に商品の良さを伝わるような伝え方をしています。

動画デザインについて。途中に出てくるテロップの色に気付きましたか?よく見るとピンクなんです。ピンクのテロップはなかなか見ないですよね。シンガポール人にとっては、これがしっくりくるのでしょう。


〇日本(ホンダ)

この車を活用することで、みんなが笑顔になれるということを伝え、共感してもらう動画です。
Freedという車自体が、ファミリー向けの車で、それをしっかりと子の動画で伝えられています。日本は日本人で文化を共有しているため、ストーリなどで共感してもらうことができます
ほかのCMもこのようなものが多い印象です。

動画デザインについて。途中のテロップは、私たちからしたら違和感のないものでしたね。シンガポールのそれと比較すると、同じホンダが作ったCMなのに、小さな違いがみられますね。


ビールのプロモーション動画の違い

2つ目は、ビールのプロモーション動画の違いです。
シンガポールはタイガービール、日本はサントリーの動画の違いを見ていきましょう。
ちなみに、タイガービールは、シンガポールで1番人気なビールと言われています。ぜひ飲んでみてください!

シンガポールの「タイガービール」のCM


日本の「サントリー」のCM


それぞれどんな感じでしたか?

〇シンガポール(タイガービール)

まず印象的なのは、音楽や雰囲気。日本とは違ってかなり盛り上がって楽しい時にビールを飲むという印象が感じられます。
色んな人種の方が登場しており、多様性を感じられますね。
あとは動画のデザイン、使われる文字のデザインについて。
動画全体として、オレンジと光の輝きが強調されています。かっこいい雰囲気を感じます。また文字は、はじめに述べたオレンジが使われていますね。


〇日本(サントリー)

多様性という点でシンガポールとの差が大きく出ている例です。
日本人だからこそ、より伝わる、という感じがしますね。
仕事から帰ったらビールを飲みたい。秋に鮭と共にビールを楽しむ。
これを見たら、「ああ、ビールを飲みたい」と思う人は多いのではないでしょうか。

また、動画デザインについて。全体的に落ち着いている印象を感じますね。音楽、画面全体の色、文字デザインは、シンガポールのそれに比べ、落ち着いているのではないでしょうか。

ホテルのプロモーション動画の違い

3つ目は、ホテルのプロモーション動画の違いです。
どちらも高級ホテルにしました。

シンガポールはラッフルズホテルです。シンガポールの最高級ホテルといわれています。
日本は、帝国ホテル 東京です。日本の高級ホテルを連想するとき、このホテルを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

ではご覧ください。

シンガポールの「ラッフルズホテル」のプロモーション動画


日本の「帝国ホテル 東京」のプロモーション動画

どちらも最高級ホテルだからでしょうか、動画も似ていますね。動画コンセプトも、共通していますね。
ホテルの中を横異動で撮影していたり、サービスについて紹介しています。
違いといえば、ナレーションと、動画撮影でしょうか。

〇シンガポール(ラッフルズホテル)

ナレーションについて、男性で、落ち着いた外国人のかっこよさ、高貴さを感じます。これがシンガポールの最高級のホテルを伝えるべき声なのでしょうか。
撮影について、時折太陽の光の影を利用して、少し暗くなるシーンが出てきます。これも高貴さを出す1つの手段だと思います。

〇日本(東京帝国ホテル)

ナレーションは女性で、優しい声で、居心地の良い、落ち着けるような感じがします。これが日本のおもてなしの精神を表していると思います。
撮影について、ホテル内を自分が移動しているような取り方をしています。
これは、滞在した時を連想してもらうためでしょうか。
ストーリーを伝える、という日本らしさが表れています。

シンガポール在住動画クリエイターとの協力も1つ

やはり、シンガポールの文化や動画についてしっかりと勉強してから作るとなるとかなり時間がかかります。

シンガポール向けに動画を制作する場合でも、日本人の動画クリエイターに依頼したりすることもしばしば。ただ、シンガポール人が見て心地よい動画かどうか、動画を見て興味が湧くか、魅力的に感じる動画になるでしょうか。もちろんその可能性はあります。ただ、シンガポール在住の動画クリエイターに依頼したほうが、そのような動画になる、シンガポールに寄り添った動画になると思います。

そのため、すでにシンガポールの文化、動画について理解しているシンガポール在住動画クリエイターと協力することで、上で挙げた違いなども踏まえた、シンガポール人に響くようなプロモーション動画を制作することができます。

シンガポール在住動画クリエイターとどのように協力したらいいかについては、こちらの記事に詳しく書いているので、ぜひ。

日本とシンガポールのプロモーション動画の違いを踏まえた動画制作を

今回は、シンガポールと日本のプロモーション動画の違いを解説しました。

上の3つの動画を見て思ったかもしれませんが、やはりシンガポール向けに動画を制作するためには、シンガポールの文化、ターゲット、動画デザインなどを考慮することが大切です。

また、両国の違いを理解し、シンガポール人に合わせてマーケティングを考えることについては、より詳しく解説しています。


1から勉強しながら、制作していくのも1つですが、時間と効果を考えると、シンガポールの動画クリエイターと制作するというのも1つの手です。

Fellows Creative Staff Singaporeでは、「日本企業に東南アジア現地のクリエイターを」、「現地企業に日本人クリエイターを」様々な形で紹介しています。

シンガポール人向けに、動画を制作したい、そのためにシンガポールのカメラマンやディレクターと協力したいという場合は、弊社にご連絡ください
まだ考えている段階だという方でも、気軽にご相談ください。



弊社による紹介についてはこちらで詳しく解説しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?