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■『反共感論』社会問題のほとんどは、私たちの共感の欠如からではなく過剰から生じている!?



なかなか考えさせられる好著でした。
著者のポール・ブルームはイェール大学の心理学教授。

僕たちFeelWorksでは、
「上司力研修」を受講する管理職の皆さんに
多様な部下一人ひとりに思いに共感し、
成長や活躍を支援しましょう、と啓蒙し続けてきました。

もちろん、その信念に変わりはありませんが、
共感の負の側面も併せて
丁寧にお伝えしたほうがよいと学びました。

これまでも、「共感」と「同感(同調)」は違う、
同感しようとすると無理もあるでしょうが、
共感はする努力はしましょう、と説明してきました。

心理学的に言うと、
・認知的共感≒共感
・情動的共感≒同感
という整理となりますね。

ポール・ブルームがいう共感は、
この同感に近く、情動的共感を共感と定義しています。

だから、これまでの信念は揺らぎませんが、
ただ、一般的には、ポール・ブルームの言う通り、
共感は同感であり、情動的共感ととらえられる
場合が多いでしょう。

世を見渡しても、
どうでもよい芸能人のゴシップで
ワイドショーやネットが大騒ぎして、
大衆の未来に欠かせない
肝心の政策議論が国で進まない苛立ちを感じることもあります。

これは、まさにブルームの言う共感の負の側面の影響ですね。
また、質の悪い自己啓発セミナーや宗教に
優秀で真面目な人たちがハマり身をやつしてしまうのも、
個人的なエピソードもさも世の趨勢であるかのように語る
言葉巧みな講師や教祖に共感してしまうからですよね。

心理学を悪用する輩にひっかからないようにしたいものです。

「ファクトフルネス」がベストセラーになったのも、
共感に惑わされている自分にハッとする
読者が多かったからでしょう。

いろいろ考えさせられました。

あらためて、
人間は合理的な判断はできない感情の生き物である
と自己認識し自制しながら生きることが大切だと思いました。

すべては、日本の上司を元気にするために。

「前川孝雄のはたらく論」
https://ameblo.jp/feelworks-maekawa/entry-12644163895.html

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