■コスパよりタイパを重視する若者たちの先に未来への危機感『映画を早送りで観る人たち』
タイトルに惹かれて手に取った一冊。
コスパよりタイパの時代。
かれこれ20年前。
僕は前職で情報誌の編集長から
WEBサイトの編集長に異動になった際。
人は自由に大量の情報にアクセスできるようになり、
視野が広まり、包摂的な社会となると期待ましたが、
結果として視野狭窄、排他的になっていくと落胆したものです。
この傾向には拍車がかかり続けていて、
ついに早送りや倍速など"タイパ"で
情報に触れる時代になっています。
その昔は、
家庭に一台しかないテレビのチャンネル争いを
大家族が繰り広げたものです。
結果、不承不承、知らない世界を知ったり
視野が広まったりしたものですが、
現在の家庭では、家族全員がタブレットやスマホを持ち、
それぞれが見たいYouTubeやTikTokや動画配信を見ています。
人は世の流行や抑えておきたい情報を
網羅的にチェックしているようでいて、
実は見たいものしか見なくなっていくという
パラドックスに陥り続けていると危機感を覚えます。
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・「タイパ」あるいは「タムパ」
タイムパフォーマンス
・真木太郎氏によれば、説明セリフの多い作品が
増えた理由のひとつは、製作委員会
(製作費を出す企業群)で脚本が回し読みされる際、
「わかりにくい」という意見が出るからだ
・"わかりやすくしてください"は
"おもしろくしてください"と、イコールではないですよ
・『教祖ビジネス』
・小説投稿サイト
「小説家になろう」
「カクヨム」
「アルファポリス」
「エブリスタ」
・昨今では、『出川哲郎の充電させてもらえませんか?』
(テレビ東京系、土曜夜7時54分~)のように、
出演者の発言を一言一句漏らさずテロップで
表示する番組すらある
・コアファンよりも"ファンではない消費者"を
「メインのお客様」とする方針は、
定額動画配信サービスの料金体系にも現れている
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本の方は少し冗長で、この"タイパ"トレンドについては、
日経新聞編集委員の中村直文さんのコラムの方が
まさに"タイパ"でわかりやすい。
倍速消費という名の欲望
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・今の消費者が強く求める利便性とは、
タイムパフォーマンス(タイパ)の効率化
・都内の量販店では「自動調理鍋で簡単&時短」という看板
・日清食品の「0秒チキンラーメン」
スナック菓子としての用途拡大ともいえるが、
ブランドマネージャーは
「どこでも片手で食べられるラーメン」と強調
・落合陽一氏
ストローでレトルトカレーを吸う
・飲むだけで1日に必要な栄養分を摂取できる「完全食」
・・・日清食品が22年から完全メシシリーズと題して
スムージーや「カレーメシ」を売り出したところ、
1カ月で計100万個とヒット
・ライターの稲田豊史氏
旬の作品という情報共有によって人間関係を維持し、
長い時間を費やして内容が面白くなかったときの
無駄を回避する。
倍速視聴とは、過剰情報社会という環境上の変化
「作品を鑑賞する」行為に加え、
情報収集のために「コンテンツを消費する」
スタイルが生まれた
・あらすじだけ紹介するファスト映画のような違法行為
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すべては、日本の上司を元気にするために。
前川孝雄のはたらく論
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