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夢の中で世界を革命する♡

手にはカーテンを触った感覚が残っている。
窓の外の風景が鮮明に脳裏に焼きついている。
冷たい視線と申し訳なさのにじむ顔が頭から離れない。
形のない恐怖に体が硬直しているのを感じる。
今、自分がどこにいるのか、朝なのか昼なのか、何なら自分が何者かも思い出せない状態で寝そべっている。
人は死ぬ瞬間、息を吸わないのではなく吐かないのだと聞いたことがある。
ヨガを習っていた時に、「息を吐き切れば吸うことは意識することなくオートマティックに完結する」と講師から言われた呼吸の原理を思い出した。
息を吐くとは神さまが生き物全てに備えた、“生きたい“という意志表示機能なのだ。
息を吐く瞬間、私たちは外側の世界に自分の内側を投影する。
神と同等のクリエイティブな力を持って。
その夢から覚めた瞬間、息を吸ったまま私の時間は止まっていた。
ほんの数秒のことだったであろうに、その間、世界が真空だった。
私は、ベッドの上で生きる世界を選択するかのように息を吐き出す。
意識は私が今生きている世界に戻ってきているのに、体はまだ“さっきまでいた部屋“で感じた緊張を残している。
まるでそこが現実かと錯覚するほどの、リアルすぎる夢だった。


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