見出し画像

渡邊哲也著(2021)『情弱すら騙せなくなったメディアの沈没 』徳間書店

現状のメディアの状態を端的に分析されている内容だと感じた。特に東京五輪開催前の各メディアの言動、そして開催後の掌返しなど、メディアの特性が良く理解できる。

また新聞の弱体化やその中で安泰なNHKに関しても、高市さんの貢献による放送波の整理など、昨今のメディアを取り巻く話題が豊富に語られている。

特に電通に関するその凋落ぶりが語られていることは興味深い。既存のメディアの将来は厳しく、逆にネットの可能性は今後ますます増えていくことを示唆しているが、それでも表現の制限が、ネットのプラットフォームを提供している側が牛耳っている実態に危惧されている。

個人的には、ネットによる会見その他、一次情報の垂れ流しによって、既存のメディアの編集能力が一般の人にも手に取るようにわかってしまったことが、昨今のメディアの凋落につながったのだと理解している。

新聞もテレビもかつてのように人々の情報入手の主要なものではなくなってきた。昨今のフジテレビを始め、それらに従事している人たちも、既に沈みゆく船から逃げ出している現状。

次の時代のメディア、もしくメディア的なものがどのような実態に落ち着くのか、それに興味を抱いた次第。数年後の続編を期待したいところです。

#読書感想文

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?