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会社持ち研修って、日本の場合、なめきっているのでは…

研修そのものに関する教科書って、なかなかないものですね…

私も本業では、多くの研修講師をしてきました。

会社が受け持つ外部の人向けの研修講師や、会社内の研修講師、無償の社会貢献活動として実施している非常勤の講師を含め、さまざまな研修講師の長い経験があります。

その中でも一番受講者の態度が悪いというか、やる気が最初からないというのは、会社内での研修や勉強会ですね~♬

費用の一切合切を会社持ちで行うもので、わざわざ地方の支店から本社まで、交通費や日当、宿泊代まで出ての研修にしては、完全に最初からなめ切っているのは、わが社の特徴でもあるのだけど、他の会社の人からの情報でも、同じようなことがあるようです。

会社の費用で受講している受講生(社会人)は、正直「研修サービスを受けるもの」としての認識が強く、主体的に学ぼうという威力も気力も感じられません。

中には自腹で外部のMBAなり講習なりを受けた経験を持つ人は少ないと思いますが、「費用の元は取る」勢いで「積極的に何かを掴み取ろうとする迫力を講師側が感じる」こともあります。

講師陣の勢いもありますが、熱心に受講しようとしている人たちの眼の輝きや、知識欲は、態度や行動にも反映されるのが、講師の目線からも理解できます。

まあそもそも会社が行う各種研修は、受講する者の態度が甘いのと、それを送り出す現場の管理職も通過儀礼や員数合わせの要素が強い気がします。

そういう私も以前、自分がメインで講師をしていた研修も、福岡に異動になった際に、今度は受講生としてエントリーされていたこともありました。

これは上司が部下を何人研修に参加させたのかが、上司の評価対象になるので、とにかく何でも研修に参加させたがるんですよね〜♫

その研修費用も研修参加者がいる部署持ちじゃなくて本社持ちだから、痛くも痒くなく、事後に評価だけが上がる仕組みなので、上司はますます研修に行かせたがるし、部下は真面目な態度で受講せずに「ただ参加だけ」して帰ってくる…

当時研修所に在籍していた、かつての同僚に言って、参加NGにしてもらいましたが、わが社の認識は今も変わっていません。また研修講師に関しては、人事も把握もしておらず、しばしばこの員数合わせのために、かつての研修講師が、今度は研修の受講生になったりという他企業ではあり得ないことが横行しているのも事実です。

まあ、研修すらもいい加減というのは、人事的に人の管理ができていないのと、仕事に対する責務というのが希薄なことを表しているのかも知れません。

そのような企業文化が根底にあるので、不祥事の絶えない組織になっているのかと思いますが、改善の声をあげても、それに関わりたくない、つまりは責任を取りたくないというマネージできないマネージャーが多いので、いつまでたっても不祥事に見切りをつけることができないという情けない組織になり果てているようです。

ちょっと話がそれてきたので、軌道修正しましょう。

私は、それでも改善する方法を色々と提案するのですが、正直本業では改善しようとする気配も、そのやる気も持ち合わせている人がいないのが難点です。まあ腐りきっているのかもしれませんが、効果がありそうな方法を一つ記載しておこうかと思います。

ちょっとだけ経費がかかりますが、それを払ってでも理解度や学習効果に結び付くので、腐れ切った組織と思ったら、あるいは社会研修の効果があまりないとお困りの方は参考にされると良いのかも知れません。

改善策は至って簡単です。社内の研修受講に際しても、実施主体(研修所や研修主催部署)に受講生から直接費用を振り込ませる→受講(態度や学びの度合いもチェック)→受講終了(レポート他の提示)→参加者の態度やレポートを含めて、研修ならびに研修旅費を後から付与(不参加には付与しない)という仕組みにするのです。

この仕組みでは受講のために銀行口座への送金手数料はかかりますが、これだけでも講義に対する受講者のやる気も変化しますし、講師陣も変な講義をすれば苦情や批判も大きくなりますので、相互に技量を高めることが可能です。

つまり研修の受講が終わるまでは、費用は自分持ちということになりますから、その分のもとを取ろうとする意識が働きます。また受講に際しての態度やレポートを含め、きちんと受講が成立しないと、それらの査定を含んで、事後の研修費用や宿泊旅費など、まともに振り込まれるのか確証がないということにもつながります。

またそもそも本当に本人がその講座の知識なり内容を理解しようと思わなかったら参加に対しても、躊躇するわけで、研修を受けに行く行かないの判断も、個人できちんと判断することにつながりますので、参加の時点でやる気のない人の排除につながります。

実際にわたしの知人を介して、その知人の会社で実行してみたらしく、かなり効果があったという感触を掴むくらいだったとのことです。

まあ、個人の損得関連が背後にあると、研修への意欲も変化するものです。やる気のない受講生が多い会社の研修では、試しに実施してみると面白いかも知れません。

わたしも何度も研修関連の偉い人に申し入れていますが、学習の効果よりも経理処理の複雑さで却下されているようです。まあ従業員の研修理解度の高さよりも、送金の手数料がかかる方が重要だとみている企業は、いつまでたってもやる気のない社内研修が改善することはないのではないでしょうか?

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