恋でもないのにチクッと胸が痛くなる話 その3 ~入院から手術前まで~
入院初日
とうとう病院に着いてしまった。1階の総合サポートセンターに立ち寄り、本日入院を告げると、8階の西側ナースステーションに行くように指示を受け、エレベーターで8階へ…
部屋は8階832④でした。832という部屋にベッドが6台、①が左奥窓側、④が右奥窓側、②が左中央、⑤が右中央、③が左手前廊下側、⑥が右手前廊下側なので、わたしは④の右奥窓側のベッドでした。ちなみにCTガイド下肺生検時は835⑥でした。
呼吸器内科や呼吸器外科関係で入院すると8階になるのかも知れません。
CTガイド下肺生検時は、特にコロナに対して厳しい隔離措置はされていなかったのですが、肺癌右肺上葉削除手術時は、入院部屋に近いトイレや洗面台のところは透明なビニールシートで通行できなくなっていて、ナースステーションを挟んで、反対方向のトイレと洗面台を利用するように、徹底されていました。
入院患者や関係者からコロナ感染者がでると、結果的に濃厚積極で先生方や看護師さんも仕事に来れなくなるので、医療機関は本当に大変だと痛感しました。
呼吸器外科の先生方は影響がなかったようなので、わたしの手術は後に順調に実施されることとなりました。
さて初日は、まず着ていた服をパジャマに着替えるのですが、パジャマやタオルは、事前に入院セットを申し込んでおくと、ナースステーションの横の棚から自由に借りれるのですが、なぜか3Lのサイズは、その棚にないので看護師さんに頼んで持ってきてもらいます。
そのパジャマに着替え、コンセントに電源コードをつなぎ、iPhoneやiPad等の充電系統を構築、その他、キャリーケースの衣類を棚に整頓したり、持ってきたトマトジュース等をミニ冷蔵庫に入れたりしました。
ミニ冷蔵庫は、テレビ視聴用のプリペイドカード1枚1000円を購入すると24時間稼働する仕組みで、結局わたしは最初に3枚購入し、その後追加で1枚購入しました(13日の手術後はICUに1泊したので、その間は冷蔵庫を結果的に使用せず…)。
そうこうしているうちに、呼吸器外科のT先生が訪ねてこられ、いきなりの鼠径部からの採血…
この場所から採血されるのは初めてでした。
一番太い血管があるところのようです。
他の箇所で代用できるところはあるのかを聞いたところ、手首の部分があるそうですが、こちらは痛いらしいとのこと。
いや~、色々と勉強になります…
気分的には、このまま病院から逃亡したい気分なのですが…
でも無理そう…
どうやら夕方に麻酔科の先生からの説明があるようです…
早速、昼食がいただけるとのこと。
早々に食べ終わったものの、それでもお腹がグーグー鳴ってました…
その後、麻酔科の先生の説明を受け、手術では硬膜外麻酔と全身麻酔の2つの方法を併用するお話がありました。
一応は理解するものの、なかなか難しいものですね。
わたしは初めて硬膜外麻酔という用語を聞きました。
脊椎に沿って管が入るようで…
もうショッカーのアジトからは逃亡できない模様…
きっと、手術が終わると、ダジャレ人間ウケナインダーになって帰ってくるかも…。
麻酔科の先生からは「麻酔を受ける人のために」という冊子と、「全身麻酔で手術を受けられる患者さんへ」という2冊の冊子を読んでおくように言われました。
写真は、麻酔科からいただいた冊子と、看護婦さんからわたされた弾性ストッキング…
今日の夕方から、この弾性ストッキングをはかなければならないとのこと…
その後、一旦病室に帰ってきた後、今日の最後の検査の心電図も終わりました。
看護師さんには見つからないように、持ち込んだ無糖コーヒーをさっと飲み干し、気分を落ち着かせました。
あ〜、やっぱり男性の方が怖がりなのかも…
病院内もコロナ感染が多くなってきたようで、以前と違って、病棟内にビニールシートで幾重にもカーテンが設置。
PCR検査も3日に1回とのことで、明日の手術の1時間前にも検査が予定されているとのこと。
コロナ対策も大変ですね♪
そして、いよいよ明日は手術。今日の夕食が最後の晩餐なのか…
最後の晩餐にしては、物足りず…早くも隠し玉のカロリーメイトの出番かも…
といいつつ、隠し持ってきたカロリーメイトを、そっと1箱いただき、空箱をキャリーケース内に隠したことは言うまでもない…
夕食にでてきた「しその実漬け」って、今まで食したことがなかったけど、意外に美味しかったので、生きて生還したら購入したいと思いました。
そして看護師さんからいただいた弾性ストッキングを装着。指のところに穴が開いているけど、この状態が正解だそうです。
足の指などで血行を確認できるそうです。
手術によって肺血栓塞栓症にならないように、つまり血管に血栓ができないようにするために装着するそうです。
明日、わたしの手術をしてくださるY先生が、昼に一度、そして夕方にも病室に訪ねてくださりました。
もう先生に全面的にゆだねるしかありませぬ…
手術の説明も懇切丁寧に話されますし、ところどころ茶目っ気もある先生で、それでいて肝心かなめなところはきちんとしている。
人間としても尊敬できる先生が担当してくださり、本当に心強い感じがしました。
そしてまもなく22時の消灯時間。
前回のCTガイド下肺生検の時も周りのイビキで寝れなかったので、21時には先に寝てしまおうという事前の作戦を実行しようとしたその時、何と強者が隣にいるではありませんか?
しかも、これはすさまじく大きく、もう最初から作戦失敗!
耳栓で対策したけど、耳栓でも無理っぽい…
仕方なく、iPhoneで音楽を聴きながら、いつかうとうとすればいいや作戦を実行するも、なかなか眠れず…
でも、やっぱり竹内まりあやオフコースの曲はいいよね~♪
かくして睡眠不足のまま、手術日当日を迎えるのであった…
余談ですが、そのイビキが煩い隣のベッドの方は、昼間の看護師さんとの会話だと、何と私の前職関係者の様子。このSさん、スポーツ中継関連の仕事をしていたようで、過去のワールドカップサッカーなどに詳しい話がでてきました。
看護師さんも興味あるらしく、色々と根掘り葉掘り聞いて質問していました。
年齢からして既に定年退職しているようで、真っ当に前職を定年退職すると、それ以降は良いときの仕事の思い出の中で生きていられるのかもしれないと感じた次第。
わたしはSさんには、前職関係を明かしませんでしたが、さすがに田園都市線沿いは渋谷にアクセスできることもあって前職関係者が多くて、そこかしこに点在して住んでいるんだと思いました。
そして前職関係ということで、下手に「イビキがうるさい!」という苦情も言えず、結果的に早く寝る作戦は失敗し、以降ひたすら夜中にiPhoneにイヤホンで、音漏れしない音量で聞き続けることに…
いや~、世の中狭いですね~♪
手術前準備
手術後は集中治療室で1泊することになるので、貴重品(iPhone2台、財布、クレジットカードの入った定期券入れ)はベッド横の引き出しのカギがかかるところに預け、持ち込んだPC等はキャリーケースがカギ付きなので、そこに入れたままにしておきました。
洗面道具などの身近なものは手術前にベッドのサイドテーブルに集積。
集積したものは、看護師さんが名前シールを用意してくれて、一つ一つシールを張り付けていただきました。
きっと盗難関係とか、物忘れ等で、過去に色々とあったんだと想像できますね~♪
なお、手術後はおむつになるので、これは業者を利用するより、1階のローソンで売っているものを購入した方が安いので、看護婦さんが気を利かせて、前日に代金を事前に支払えば買ってきてくれました。
そちらの方が安いそうです。買ったものはおむつとT字帯…
昨夕から弾性ストッキングを履いたまま、バレエダンサーになったような変な気分。
下はパンツだけ、これで浴衣タイプのパジャマに着替え完了。
朝の7時に、手術前のPCR検査を受けました。
PCR検査が問題なければ、いよいよか~♪
(もう16歳はあっという間に…
いや、50歳以上がわかる小ネタです…。)
そして8時ごろ、わたしの担当のY先生、それからT先生も病室にご挨拶に来てくれました。
わたしのような独り身で、両親や妹も遠いところにいる者にとっては、本当にこの病院は先生や看護師の皆さんが、患者に親切で助かってます。
さて、手術のために麻酔で眠っている間、三途の川の一歩手前で遊ばないと…
そして、わたしの知人全てが川を渡らないように、橋があれば壊し、船があれば壊し、そんなミッションをかかえて手術に向かおう…
さて、三途の川の悪行で帰ってこれるかな?
これから手術に向かうとき、病院の窓から藤が丘駅前方向を見ました。
今日も、通勤電車は目的地を目指してせわしなく走っている…
そしてどんよりした曇り空は、今の自分の気持ちと同じ…
…その4に、つづく。